IBMの新しい調査により、データ不足が環境、社会、ガバナンスの目標達成の妨げになっていることが明らかに

日本IBM

- 経営層の41%は、ESGを推進する最大の障壁として、不十分なデータを挙げている
- 生活者の10人に4人しか、環境的にサステナブルな買い物(41%)や職業選択(37%)を決定するのに十分なデータがあると考えていない

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、IBM Institute for Business Value (IBV) が経営層と生活者を対象に行った新しいグローバル調査の日本語版、「成長の原動力か、妨げか、それが問題だ-ESG の潜在力を最大限活用する方法とは?」( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/esg-data-conundrum )を公開しました。本調査によると、生活者と企業経営層にとって、環境のサステナビリティーへの関心の高まりが最重要事項である一方、個人および企業の環境・社会・ガバナンス (ESG) 目標達成に関して、データが不十分であることが大きな課題であると明らかになりました。


調査対象の経営層は、ESGの推進を妨げる最大の障害として、不十分なデータ(41%)、次いで規制の障壁(39%)、一貫性のない基準の乱立(37%)、不十分なスキル(36%)を挙げています。ESGデータへのアクセス、分析、理解する力のない企業は、重要なステークホルダーである生活者に対して透明性を高め、期待に応えることに苦戦しています。


経営層の74%は、ステークホルダーが組織のESG目標やパフォーマンスを理解していると考えていますが、生活者の10人に4人しか、環境的にサステナブルな買い物(41%)や職業選択(37%)を決定するのに十分なデータがあると感じていません。


IBM Consultingのサステナビリティーサービスおよびグローバル・ビジネス・トランスフォーメーション担当グローバル・マネージング・パートナーのジョナサン・ライト(Jonathan Wright)は次のように述べています。「環境の持続可能性と社会的責任に対する生活者のコミットメントは、買い物を通じて意思表示することで強まっています。多くの生活者がESGへの取り組みが進んでいる企業の商品の購入や就職を選択する中、企業は透明性を高めることを優先し、ESGデータの障壁を取り除く必要があります」


その他の調査結果の主なポイントは以下の通りです。

企業は、ESGへの投資がビジネスに価値を生み出すと考えている


  • 経営層の76%が、ESGをビジネス戦略の中核に据えていると回答

  • 経営層のほぼ4人に3人(72%)は、ESGをコスト・センターではなく、収益の機会であると考えており、ESGと収益性は相反するものではないことが示唆された

  • 経営層の76%が、報告要件だけでなく、ESGの成果の達成に重点を置いていることに同意または強く同意


サステナビリティーに対する生活者のコミットメントは高まっているが、生活者は選択のための十分な情報を得ていないと考えている


  • 生活者の約3分の2は、環境のサステナビリティー(68%)と社会的責任(65%)が「かなり重要である」または「非常に重要である」と回答

    • 半数以上(51%)の生活者が、過去12ヶ月間、生活費の上昇により、環境や社会的責任に配慮した商品の購入が難しくなったと回答しているが、およそ10人に6人は、購入した商品の半数以上が環境や社会的責任に配慮した商品であると回答

    • サステナブルな投資判断をするために十分なESG情報を得られていると回答した生活者は3人に1人のみ


経営層は、ESG目標に向けて大きな前進をしていないと認めている。このことは、データの課題が、進捗を測定して生活者の要求に応える能力に影響していることを示している

  • 経営層の95%が、ESG計画をすでに策定していると回答しているが、具体的な成果が出たと回答しているのはわずか10%

  • 経営層のほぼ4人に3人(73%)は、手動で入力するデータが多いこと、10人に7人はデータの統合や操作に苦労していると回答


本調査レポートで取り上げている、回答者の一部の、ESGの運用が進んでいるロールモデル企業は、ESGを戦略的なビジネス機会を創出する透明性の戦略と捉えてアプローチすることにより、収益の増加、収益性の改善、顧客エンゲージメントの向上を実現しています。本調査レポートでは、データ関連の課題を克服し、持続可能な変化を生み出そうとする組織に対して、以下のようなロードマップを提供しています。

  • ESGデータを最新に保つためのプロセスと報告機能の自動化

  • パフォーマンス、予測分析、シナリオ作成に関する高度なインサイト獲得のためのAIの活用

  • ESG指標の定義と標準に関するエコシステム・パートナーとの連携

  • ステークホルダーと協力したESGデータ・ガバナンス原則の確立


ライトは次のように述べています。「データはESGの生命線です。今こそ、企業が行動すべき時です。ESG計画を運用することで、企業は、日常的にESGの影響を改善できる情報に基づきビジネス上の意思決定を行うオペレーターに情報を託すことになります。組織が、ステークホルダーの支持を高め、ESG報告要件を満たすためにも、サステナビリティー・ロードマップを実践すべきです。テクノロジーやサービスを活用し、エコシステム・パートナーと協業することは、より大きなビジネスの成功を収め、規制遵守に対応することにも役立ちます」


*調査方法について

IBM Institute for Business Value(IBV)は、22の業界、34カ国の2,500人の経営層を対象に、組織におけるESGの戦略・アプローチ・実践について、また、ESGの実践によって期待されるメリット、およびESGを他の事業目標と比較してどのように考えているかなどを調査しました。また、IBVは34カ国、2万人以上の生活者を対象に、サステナビリティーと企業の社会的責任に対する生活者がどのように考えているのか、またその考えが買い物や投資、キャリアの決断にどう影響を与えるかについて調査を実施しました。


IBM Institute for Business Valueについて

IBM Institute for Business Value(IBV)は、IBMのソート・リーダーシップ・シンクタンクとして、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、世界の調査とパフォーマンス・データ、業界の専門家や学者の専門知識に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。詳しくは、以下をご覧ください。

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja


当報道資料は、2023年4月17日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文は下記URLを参照ください。

https://newsroom.ibm.com/2023-04-17-New-IBM-Study-Reveals-Inadequate-Data-Hinders-Progress-Against-Environmental,-Social-and-Governance-Goals


会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月