石川県珠洲市と避難所受付のデジタル化を検証 〜地域住民が4種類の経路での入所受付を体験〜
AI技術で混雑を可視化し、「人と空間を、テクノロジーで優しくつなぐ。」をミッションに、施設・エリアを支えるプラットフォームを活用したサービスを提供する株式会社バカン(本社:東京都中央区、代表取締役:河野剛進、以下「バカン」)と石川県珠洲市は、2025年10月5日に、珠洲市立大谷小中学校 体育館(石川県珠洲市大谷町1−78)にて、「避難者マネジメントシステム」を用いた避難訓練を実施いたしました。
■目的と背景
近年の自然災害増加に伴い、避難時の混雑を解消し、スムーズで安全な避難を実現するための災害対策の重要性が高まっています。バカンはこれまでも、リアルタイム混雑情報、避難所マップの提供等を行い、実際に、200以上の自治体で、避難所の混雑可視化に用いられています。また、避難所入所受付のデジタル化の実証実験等を行うなど、迅速かつ安全な避難を包括的にサポートしてきました。
今回は、珠洲市立大谷小中学校周辺住民の皆様を対象に、災害時の避難所における入所受付方法について、デジタル技術を活用した新しい仕組みを体験いただくことで、その有用性とメリットについて理解を深めていただくことを目的として実施しました。
■避難訓練の概要
実施日 :2025年10月5日(日)
対象者 :珠洲市立大谷小中学校周辺住民
実施内容:蓄電池を電源としたスターリンクでのインターネット接続により、本年度導入するバカンの避難者マネジメントシステムを用いて、避難者の受付・集計を実施。デジタル技術を活用した避難所受付のメリットについて体験し、理解を深めるとともに、避難者マネジメントシステムへの住民・職員からのフィードバックを得ることを目的に実施。

①QR読取でWebフォームに入力:避難者が避難所入所時にカメラでQRを読み取り、WEBフォームから情報入力を行う
②カードリーダーでの読取:避難者がマイナンバーカード/運転免許証をカードリーダーにかざす
③LINEでのQR読取:バカンのLINE公式アカウント「VACAN防災」を用いて情報入力を行う
④現行の紙媒体への記入:避難者が避難者カードに記入。職員が記入内容をシステムに転記し報告
【検証結果】
実証には大谷小中学校周辺の住民38名が参加し、各自が最適な受付経路を選択する形式で入所手続きを体験しました。入所経路の選択傾向としては、LINEが最も多く選ばれ、次いでマイナンバーカード、紙、Webフォーム、運転免許証の順でした。事後アンケートでは、各デジタル経路の操作感に関して肯定的な評価が多数を占め、なかでもマイナンバーカードと運転免許証のカードリーダー受付は「スムーズだった」との回答がいずれも100%を記録しました。Webフォームは67%、LINEは77%が肯定評価となり、高齢層ではカード/紙、30〜60代ではスマートフォン起点の経路が選ばれるなど、年代別の受け止め方の違いも確認できました。自由記述では「普段使っているLINEは馴染みやすい」といった声があり、デジタルを用いた入所経路の優位性が確認できました。

■避難者マネジメントシステムについて
今回用いた避難者マネジメントシステムは、複数のサービスを統合し共通のプラットフォーム上で提供しております。避難所の所在や混雑状況の把握を可能とするWEBサービス「VACAN Maps」及び管理者向け機能「VACAN Console」では、避難所で集計された名簿の人数情報をもとに、避難所のリアルタイム混雑状況を自動的に可視化する機能も有しております。本機能により、避難所の入所者数と混雑状況がリアルタイムで管理画面とマップに反映され、職員や災害対策本部は追加作業なく状況を把握でき、住民も適切な避難先の選択が可能です。
■今後の展望
バカンは、避難所の混雑状況の配信に加えて、今回実証したマイナンバーカード等を活用した入退所管理機能及び避難者名簿の作成を起点として、物資必要量の予測・管理や、避難者データの外部システム連携などの機能を追加実装してきました。今後は、さらに、日常における公共施設の予約や観光・イベント情報の配信などフェーズフリー活用を目指し、安全でスムーズな避難をサポートするため、さらに多くの自治体と協力し、今後もさまざまな機能の開発を推進していきます。
■株式会社バカンについて
会社名:株式会社バカン
代表者:河野剛進
所在地:〒104-0033 東京都中央区 新川2−8−4ナカリンオートビル3F
設立:2016年6月
バカンは、経済産業省「J-Startup 2019」選定企業です。「人と空間を、テクノロジーで優しくつなぐ。」をミッションとして、 AIで混雑の可視化に加え、まちと暮らしをアップデートするプラットフォームを構築しています。
空間の体験をスマートにアップデートする「混雑・人流マネジメント」や「施設・エリアマネジメント」サービスの提供。トイレ個室内メディア「アンベール」の運営などを行っています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像