【Fリーグ2023-2024】月間MVP受賞インタビュー(11月・12月)

Fリーグ終盤戦で文句なしの主役!4試合で8得点&2回のハットトリック「誰よりもフットサルがうまくなりたい」

11・12月のFリーグ月間MVPは、バサジィ大分の仁部屋和弘選手が受賞。期間中の4試合で8得点。2回のハットトリックでチームを4連勝へと導いた。ファイナルシーズンでも、名古屋オーシャンズ、ペスカドーラ町田と上位2チームを破る原動力となり、自身6試合連続ゴールと大車輪の活躍を見せている。大分一筋のワンクラブマン、36歳のミスター・バサジィ、仁部屋選手の受賞インタビューをお届けします。

■僕がこのチームを勝たせたい

──11・12月の月間MVPの受賞おめでとうございます!

2カ月ですか。すごい、ありがとうございます。本当にうれしいという言葉に尽きます。それと同時に、チームメイト、クラブスタッフへの感謝しかないですね。


──ファイナルシーズン前、チームは4連勝で上位リーグに滑り込みました。仁部屋選手も4試合連続でかつ8得点。ファイナルシーズンの2試合も、名古屋、町田を破り、さらに3ゴールを決めました。とてつもない活躍ですが、きっかけがあったのでしょうか?

特に、なにもありません(笑)。チームメイトやクラブスタッフのみなさんのおかげです。僕がチームを代表してゴールを決めさせてもらっているという感じです。


──チームが上昇したきっかけはあるのでしょうか?

今シーズンが開幕してから、いい時も悪い時もありつつ、悪い時はその都度チームとして課題と向き合い、克服して、前進できたことが自信になっています。
大分の選手はみんな人柄が良くて、課題が出た時もみんなで頑張ろうという一体感のあるチームです。自分自身もそんなチームの一員として戦えて幸せですし、このチームメイトのためにも「絶対に勝たせてやる」という気持ちは、今シーズン特に大きいですね。


──昨シーズンは11位で終えました。残留争いをするほど苦しんだところから、破竹の勢いで復調してきました。ターニングポイントがあったのではないでしょうか。

狩野新監督になって、やるべきことやチームとしてのモデルを示してもらえたことは大きなポイントです。迷いがなくなり、チームとしての目標を一つに定めて進めました。


──戦術だけではなく、チームが一つになれている。

監督には戦術面のブラッシュアップをしてもらっています。それと同時に、選手、監督、コーチングスタッフ、クラブスタッフ、みんなでチームをつくり上げている感覚があります。これまでのいろんな経験を糧にしながら、より良くするために積み重ねてきました。


──今は「強い大分」をピッチ内外で感じます。

全員が同じ方向を向いていることに加えて、覚悟をもって戦えています。全員が同じ熱量でやれていますし、今の空気感を、シーズンを進めながらつくり上げてきましたね。


──覚悟をもって戦えている。

チームに在籍して17年目で初めての感覚があります。これまでとは別物のチームだな、と。今シーズンもいろんな試合がありましたけど、みんな強い意志をもって、勝っても負けても、その都度、全員で課題を乗り越え、前向きに戦って自信を深めてきたと思います。


──課題もたくさんあった。

たくさんありました。強くなる過程で、どのチームもそうだと思います。例えば、1巡目の名古屋には、パワープレーで同点に追いつかれて引き分けました。でもこの間の試合では、1巡目の経験を踏まえて、その壁を乗り越えようというマインドがありました。パワープレーではこうやって守ろうと、みんなで戦えた。そうやって今シーズンを重ねてきました。だから無駄な試合は一つもなくて、負けた試合にも必ずメッセージがありました。そうした課題をみんなで乗り越えて、厳しい状況でも立ち向かってきた。だから僕はチームメイトを誇りに思っていますし、本当に信頼できる仲間です。だからこそ、自分が勝たせたいと思っています。


■高いパフォーマンスは出せていない

──チームは終盤戦から6連勝、8試合負けなしです。

勝つ回数が増えてきて、みんな自信をもてているのは事実ですが、課題はどんな試合でも出ると思っています。ただそれも成長のチャンスだとみんなが感じているので、誰もネガティブな発想になることがないですね。できるだけ隙をなくして、勝つ確率を上げる作業に取り組んでいます。常に勝ち続け、勝者のメンタリティを手にするための道を歩んでいる感覚です。


──ファイナルシーズンの2試合はまさに大分劇場。名古屋の第2ピリオドの20分間のパワープレーを耐え抜いた戦いも、町田に勝ち切った戦いも、まさに強者でした。1試合目から24時間も経っていないなかで迎えた2試合目でしたが、それを感じさせない強さでした。

もちろん、身体的には厳しかったです。ただ、中1日もないからこそ、反骨心というか、日程を言い訳にしたくない。そんなことを理由にして負けてられるかという気持ちでした。
そういうハングリーさは、今シーズンの象徴的なメンタリティかもしれません。苦しい状況や試合展開であったとしても、絶対に勝ってやるという空気感があるように感じています。


──仁部屋選手も、町田戦のゴール後はいつも以上に雄叫びを挙げていました。

心の底から、このチームメイトと勝ちたいという思いがあったからですね。それくらい大好きな選手ばかりなので、自分が責任をもって勝たせたいと思ってピッチに立っています。


──今シーズンはいつにも増してパフォーマンスが高いように感じています。

それで言うと、個人的にはあまり高いパフォーマンスではないと思っています。


──そうなんですか?

はい。今シーズンは怪我明けのスタートでもあったので、今もコンディションを上げている段階です。まだトップフォームじゃないですね。毎週試合をして、その間の練習でなんとか上げている状況です。年齢的にも一気にはできないので、ゆっくりと上げながら。
それに、コンディションにフォーカスして練習している分、技術レベルの練習を多くはできていません。自分の感覚的には、高いレベルを出せているという感じはないですね。


■ゴール前での仕事にパワーを使っている

──今36歳です。衰えるどころか伸び続け、得点王を狙えるほど決められる理由は?

ゴールを決められているのは、チームメイトのおかげ以外の何物でもありません。仲間がいいパスを出してくれて、自分は決めるだけという得点が多いので。ドリブルなどからシュートして決める場面も、驚くようなものではなく、たまたまうまくいったという感じです。
普段から一緒に練習してくれるチームメイトがいてこそ。みんなフットサルが大好きですし、フットサルに人生をかけていて、強い覚悟をもった選手ばかりです。例えば、二部練習の合間に上原拓也選手や戸田貴英選手などGKの選手も来てくれて、刺激になっています。
熱量があって、本気の選手と一緒にフットサルができることが本当に幸せですし、この年齢でもそんな思いにさせてくれるチームメイトは大きな存在です。だから、チームのために点を決めて勝ちたい。チームを勝たせるために、絶対に決めたいという感覚です。


──仁部屋選手が20点以上決めたシーズンは過去に6回ありますが、いずれも30試合以上のレギュレーションの時でした。今シーズンの量産は驚異的です。

若い時にはたしかにたくさん取っていましたね。ただ、これまではいろんな役割をしながらでした。ゴール前でのドリブルやシュート、底辺でのゲームメイク、ボールを運ぶ時間を作ったり、運びながらバランスを整えたり……でも今は、かなり整理できています。自分のやるべき仕事に集中できているのは大きいですね。


──自分がフィニッシャーになるイメージがある?

点を動かす部分ですね。ゴールを奪う、ゴールを守る。自陣でも敵陣でも、ゴール前での仕事に対して特にパワーを使っています。


──技術面はまだ伸びる?

今は毎週のスケジュールがかなりいっぱいで、これ以上やったらオーバーワークで怪我のリスクが高くなるため、それほど時間がありません。そこをもっと研ぎ澄ませば、コンディションも技術も上げられると思いますし、上げないといけません。そのへんはスタッフとも話をしていて、コンディションと技術を高めていかないと、ということを常に意識しています。


■シンプルにフットサルがうまくなりたい

──同世代やさらに若い世代の選手がシーズン限りでの引退を発表しています。仁部屋選手も引退を考えることはあるのでしょうか?

考えなくはないですよ。


──体が動かなくなったら、とか?

自分の思っているようなプレーができなくなったらとか、もう頑張れないな、となったら。ただ、まだそうした感覚はないですね。まだまだ上にいきたいので。この年齢になってもいろんな発見があるので、そういうのが楽しくて、楽しくて仕方がないですよ。


──今でも発見がある?

めちゃくちゃありますよ。今シーズンも多くの発見をしました。例えば、チームに対する向き合い方や取り組み方もそうですし、チームとは、とか。あとは個人的に、精度を上げるための考え方や動き方、判断、なにがいるか、いらないか、試合にもっていくための準備とか、そういうことの発見ですね。今まで経験してきたことをより選別しながらやっています。


──たしかに仁部屋選手は、昔から体の構造にもこだわっていました。こうしたら体はこう動くとか、細部にもこだわっていました。そうした身体面の発見もありますか?

ありますね。今までできなかったことが、なぜできなかったのかという理由とか、ここが使えていなかったから苦手にしていたんだなとか。逆に、この動きができるからうまくできていた、得意にしていたんだなとか、より理論的に整理されている感覚がありますね。
マインドも技術も両方ですね。この考え方がいいなとか、この向き合い方やマインドでやったらうまくいくとか。今までの失敗が多過ぎる分、いろんな発見をさせてもらえています。そうした瞬間が個人的に本当に楽しくて仕方がないという感覚ですね。


──本当にフットサルに対して貪欲ですよね。

僕は、シンプルにフットサルがうまくなりたいという気持ちが強いので。誰よりもフットサルがうまくなりたいですから。でも本当に恵まれていると思うのは、一緒に戦っていける仲間の存在ですね。チームメイト以外にも、地元の大分トリニータとか、同じ志を持っている選手と定期的に情報交換できるのも大きいです。アスリートが抱えている悩みって、似ているじゃないですか。悩みや課題を共有してインプット、アウトプットできる環境が本当に幸せです。


──特に交流のある選手は?

トリニータの梅崎司くんとかは、すごく相談させてもらっています。早生まれで一つ上ですけど、1987年が一緒で。プライベートでも一番会っているかもしれません。怪我の時にも相談させてもらって、オペはどこがいいとか、リハビリはどんな感じか、とか。それに、チームに対する考え方は自分にないものを全部もっていて、もはや真逆のようなアスリートです。チームメイトに対する立ち振る舞いとかが本当にかっこいい選手で尊敬しています。


──引退なんていう野暮なことを聞いてしまいましたね。すみません。

いえいえ(笑)。僕はスポーツ選手として活躍するのが小さい頃からの夢だったので、シンプルに毎日が楽しくて幸せですし、頑張りたいなという気持ちでやっているだけです。


──生涯現役ですね。

さすがにそこは自信をもって言えないですけど(笑)。
だから、カズさん(三浦知良)とかすごいですよね。自分が年齢を重ねれば重ねるほど、その偉大さを身に染みています。若い時に感じていたものとはまるで異なるので。カズさんに限らずですが、いろんな壁を乗り越えてやり続けられる人は本当にすごいです。


■大分のチームメイトは全員がいい人

──ハットトリックはキャリア通算13回で、そのうちの2回がこの12月でした。

13回!しかも今シーズンの2回はうれしいな。もっと頑張ります(笑)。


──シーズン終盤、大分が目指すのは?

チームとしては、現実的には3位を目指すことですね。ただし、それよりも大事なのは目の前の試合に勝つこと。これはチームメイトのみんなが強く思っています。目の前の相手に勝つというところだけにフォーカスしていきたいと思います。


──個人的なところでは?

チームが勝つために全力でゴールを決める、ゴールを守ることは変わらずにやりたいです。今の最大の目標は1日1日が勝負なので、毎回の練習でどれだけすべてを出せるのか、うまくなれるか、前進できるか。モチベーションは常に右肩上がりでやっていきたいと思います。


──仁部屋選手の注目度が増しています。ここを見てほしいポイントは?

俺を見ろ、というのは全くないですね。とりあえずチームを見てください。本当に素晴らしい仲間です。プレーもそうですし、みんないい人だと自信をもって言えるので。
それを少しでも伝えたいですね。バサジィ大分はすごくいいチームだよ、と。


──では、この選手のここを見てほしいポイントは?

全員です(笑)。例えば、小林(謙太)選手のピッチやベンチでの立ち振る舞いやしゃべり方。村山(幸資)選手の身長の高さ。村山選手は、一番でかいんですよ。あとは小門(勇太)選手の足の太さはもっと見てほしいですね。野口(茅斗)選手の気持ちもぜひ。本当に全員に特徴があっておもしろいので、試合中、ピッチでもベンチでも、あいつらおもしろそうだなと見ていただけるとうれしいです。


インタビュー・文=本田好伸(SAL:http://f-sal.com/
※インタビューは2023年12月27日に実施しました。

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