フィリピンにダイナミックポジショニング訓練施設を設立

株式会社商船三井

株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)はグループ会社である商船三井マリテックス株式会社(社長:菊地 和彦、本社:東京都港区、以下、「MOLMAT」)(註1)を通じて、フィリピンの海事教育機Maritime Academy of Asia and the Pacific/アジア太平洋海事アカデミー(学長: VADM Eduardo Santos, 以下、「MAAP」)(註2)および当社の長年の船員育成におけるパートナーであるMagsaysay GroupのMagsaysay Training Center(社長:Captain Alex M. Enriquez, 以下、「MTC」)(註3)と共に、ダイナミックポジショニング(自動船位保持装置。以下、「DP」)を有する訓練施設をフィリピンに開設します。本施設は、洋上風力発電や海洋開発に関わる特殊船の運航に必要なスキルを持つ船員・技術者の育成を目的としたもので、当社グループ内外の海技者・技術者に対して広くトレーニングを提供します。開設に先立ち、7月29日にバターン州マリヴェレスにあるMAAPのキャンパスにおいて、施設開設に関する合意書を締結しました。初回のトレーニングコースは9月1日に開講予定です。

左からMOLMAT社長 菊地和彦、MAAP学長 VADM Eduardo Santos氏、Magsaysay Training Center 社長 Alex Enriquez氏、Chairman Marlon Roño氏

本施設では、当社グループが運航する特殊船にも搭載されているDPシミュレータを使用し、洋上風力発電や洋上・海洋開発に従事する特殊船向けに必要な訓練を、実船と同様の環境下で受けることができます。また、受講可能な全6コース(註4)は、海事分野における専門知識やスキルを世界的に証明する事ができるThe Nautical Institute(本部:イギリス、以下「NI」、読み:ノーティカル インスティチュート、註5)の認定を受けております。

フィリピンを始めアジア全体でDPオペレーターの需要が高まる中、フィリピン人をはじめアジアの船員や技術者に必要なスキルを提供することは、洋上再生可能エネルギー分野の成長に向けた人材育成に不可欠であり、今回の各社によるパートナーシップを通じて、DPトレーニングを提供することで、フィリピンにおいて拡大し続ける海事産業のニーズに応えつつ、即戦力となる優秀な船員を継続的に育成し、国際社会のニーズに応えていきます。

当社グループは、今後もフィリピン人船員の育成に引き続き尽力し、世界の安全運航を支える優れた船員の育成に努めます。また、サステナビリティ課題の一つである「人の活躍と地域社会の発展」にも繋がる船員育成・雇用創出に尽力し、社会インフラ事業の責任ある担い手として、「安全」なオペレーションで人々の毎日の“あたりまえ”を支え続けます。

(註1) MOLMATは、2025年4月にMOLマリン&エンジニアリング(株)、(株)MOLシップテック、商船三井オーシャンエキスパート(株)の3社を統合して設立されました。商船三井グループの140年にわたる海運の経験を活かし、プロフェッショナルな海事技術集団として、海事コンサルティングや新造船建造プロジェクトマネジメント、各種訓練、シミュレータ販売、日本籍船に関わる様々な海事代理手続きなど、安全な海上輸送に不可欠なさまざまな事業に加え、ケーブル船や学術調査船事業や洋上風力関連事業、全国各地へのバースマスターや検船員の派遣、物流インフラと地球環境に関わる多くの事業を商船三井グループ内外に展開しています。

また、2022年6月に、NI認定のDPトレーニングセンターを商船三井本社ビルに開設しています。

ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)訓練開講 ~海洋開発関連特殊船の訓練に対応可能な第三者機関認証を得た日本初のトレーニングセンター~ | 商船三井

(註2) MAAPは、AMOSUP(フィリピン海員労働組合)の前会長であるGregorio S. Oca船長により創設された、世界最高水準の海事教育機関を目指して設立されました。1998年1月14日に設立され、STCW(海技資格証明に関する国際基準)に準拠した最新設備を備え、世界クラスの教育と訓練を提供しています。

(註3) MTCは、フィリピンの船員および船舶職員の専門的能力開発において先駆的な役割を果たしてきた訓練機関であり、業界標準の必須コースや、顧客のニーズに合わせたカスタマイズトレーニングを提供しています。船上で必要とされる知識・技術・即戦力を備えた質の高い訓練を実施しており、航海、機関、タンカー分野のほか、救命安全、非義務または顧客指定の専門コースも展開。いずれも国際海事産業基準に準拠しています。

(註4)

①「DP Induction Course(DPインダクションコース)」: DP Operator(DPO)になるためのベーシックコースです。DPシステムの基本概念、操作原理、システム構成、DP運用中のリスク管理などの理論を学びます。

②「DP Simulator Course(DPシミュレータコース)」:DPシミュレータを用いてDPシステムの操作を訓練するアドバンスコースで実際のDP操作やトラブル対応などの実践的スキルを養います。インダクションコースの後、海上において必要な乗船履歴を積んだ後、受講可能となります。

③「DP Sea Time Reduction Course(DPシータイムリダクションコース)」: DP乗船履歴(Sea Time)の一部を短縮するためのシミュレータ訓練コースで、海上経験の代替としてDP技能の確認・強化を図ります。

④「DP Revalidation Course / DP Refresher and Competency Assessment Course(DPリバリデーション&DPリフレッシャー技能評価コース)」: DPO資格の更新、また有効期限切れのDPO資格の再認証を受けるためのコースで主に長期間DP業務から離れていた方向けに知識・技能を再確認するためのコースです。

⑤「DP Vessel Maintainer Course(DPヴェッセルメインテナーコース)」: DPシステムの保守・整備を担当する技術者向けのコース、DP機器やセンサー、制御システムの構造や機能、保守点検・故障対応手順について学びます。

(註5) NIとはDPを操作するためのオペレーター資格を発行する一つの機関であり、NIが発行する資格は国際的に認められています。

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ビジネスカテゴリ
物流・倉庫・貨物
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会社概要

株式会社商船三井

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URL
https://www.mol.co.jp/index.html
業種
倉庫・運輸関連業
本社所在地
東京都港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル
電話番号
-
代表者名
橋本剛
上場
東証1部
資本金
654億35万円
設立
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