Unicage奨学金の第2期奨学生を決定、2024年度IT基礎力講座合格者発表会が実施されました!DX人財の育成をより一層推進します!


 独立行政法人国立高等専門学校機構(所在地:東京都八王子市 理事長:谷口功 以下「高専機構」)は、「Unicage奨学金」の第2期奨学生を2024年12月2日に決定しました。本奨学金は、有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所(所在地:東京都港区 代表取締役社長:當仲寛哲 以下「USP研究所」)が無償で提供する「IT基礎力講座」を受講した高専生の中で、本講座の検定試験に合格した者にのみ授与される奨学金です。

 本講座は、元来USP研究所が社会人エンジニア向けに提供する実務レベルの講座です。また、高専生向けに用意された検定試験は、社会人向け講座には含まれないアプリケーション開発スキルまで問われる挑戦的な内容になっています。今回、300余名が本講座を受講し、13名の高専生が検定試験合格を経て奨学生に選ばれました。
 第2期奨学生の決定にあわせ、USP研究所主催の「2024年度IT基礎力講座合格者発表会」が2024年12月11日にオンライン開催され、その栄誉が称えられました。

◆Unicage奨学金の概要について

 高専機構は、USP研究所からの寄附を原資に、国立高専生を対象とする「Unicage奨学金」制度を令和5年度よりスタートしました。本奨学金制度は、USP研究所が高専における実践的な業務に必要なLinux/Webの基礎知識習得の促進、及び各工学分野におけるDX人材の育成を支援することを目的に、一定水準のIT知識・技能を獲得した高専生に奨学金が支給されるという趣旨のものです。

 本制度の創設にあたっては、USP研究所の理念に基づき、「高専生に社会でも通用するIT技能・技術を習得してもらいたい」という強い思いの下、同社よりLinux/Webの開発技法の一種である「ユニケージ開発手法」に関する講座及び教材を高専生に対し無償で提供いただきました。本講座を受講した高専生のうち、修得度を測る検定試験に合格し奨学生に選ばれた者は、2年間、年額24万円(高専専攻科生は年額36万円)の奨学金を受け取ることができます。
 今年度は、最終的に13名が第2期奨学生に選ばれました。
 なお、第3期奨学生の募集のための講座の申込は、2025年2月に開始予定です。詳細は各国立高専のHPなどを通じてお知らせしますので、奮ってご応募ください。

IT基礎力講座ポスター

◎ユニケージ開発手法について

 ユニケージは、UNIXオペレーティングシステムの基本的なアーキテクチャ、開発思想をベースにした企業システムを構築するデータ駆動型エンタープライズアーキテクチャとその開発手法を統合したフレームワークです。このアーキテクチャは、ビジネス・業務の設計、データ、アプリケーション、および技術アーキテクチャの4つの部分から構成されています。ユニケージ開発手法は、これらのアーキテクチャを実現するための手法です。この手法は、アジャイル開発手法、TPS(トヨタ生産方式)、リーン開発手法の特徴を融合したものであり、柔軟性、生産性、品質の向上を実現します。これまで20年間に渡って多くの業種業界の企業に採用されているものです。

◆2024年度IT基礎力講座合格者発表会

 2024年12月11日、USP研究所の主催で、第2期奨学生を対象としたIT 基礎力講座合格者発表会が開催され、試験に合格した13名の高専生がオンラインで出席しました。
 発表会実施にあたり、USP研究所のCTOであり、佐世保高専卒業後、世界で初めて日本の高専教育を母国モンゴルで展開し「新モンゴル高専」を創設し、同校の初代校長を務めた経歴を持つシルネン・ブヤンジャルガル氏から、奨学生に対して祝福と期待のメッセージが送られました。

◎USP研究所CTO シルネン・ブヤンジャルガル氏からのメッセージ

 本日は、IT基礎力検定試験に合格した皆さん、USP研究所にようこそ。そして、13人の皆さん、お一人おひとりの努力が実った結果を一緒に喜びたいと思います。改めておめでとうございます。
 さて、最近、日本のデジタル競争力が年々低下していることが問題視されています。その背景には、デジタル人材の育成が遅れている点や、「IT人材は特定分野でしか活躍できない」という誤解があることが指摘されています。しかし実際には、ITスキルはどの事業分野でも求められており、一般企業においてもデジタル化を進める人材が重要です。
 今回のIT基礎力講座では、皆さんにITの基本技術を習得していただきました。このスキルは、エンジニアとしての将来だけでなく、日本全体の競争力向上にも役立つものです。また、検定合格により自信を深め、キャリア形成に活かしていただきたいと考えています。
 特に、企業内での情報システムの「内製化」を実現することは、日本の産業競争力を強化するうえで重要です。皆さんが講座で学んだITスキルを活かし、幅広い場面で活躍されることを期待しています。

学生にメッセージを送るシルネン・ブヤンジャルガル氏

◎奨学生からのコメント ―合格証受領にあたって―

[奨学生A]

 私は以前からターミナルを用いた開発をよく行っていましたが、それでもまだ知らないことが多くあることに、この講座を通じて気づかされました。 その結果、新しく学んだ知識を早速、ターミナルでの運用に活かすことができ、開発効率の向上にもつながったと感じています。 

 また、今回の講座では、「ユニケージ」という開発手法に初めて触れる機会を得ました。この手法には独特な概念や考え方があり、慣れるまでには少し時間がかかりました。しかし、理解が進むにつれて非常によく考えられた仕組みだと実感しました。 

 さらに、講座で利用させていただいたTukubaiコマンドには、まさに「痒いところに手が届く」ような便利な機能が多く含まれていて、とても興味深く感じました。使いながら楽しいと感じる瞬間が多々あり、学びのモチベーションも高まりました。 

 苦労した点としては特段大きな問題はありませんでしたが、あえて挙げるとすれば、ネットで調べても情報が少なく、作業に時間がかかる場面があったことです。しかし、最後まで諦めずにプログラムを完成させることができたので、良い経験になりました。 

[奨学生B]

 今回のユニケージ開発手法を学ぶ中で、個人的に感じた苦労と面白さは、表裏一体の関係にあることが多かったように思います。 

 例えば、すべてのデータをテキスト形式で扱うことや、一般的なプログラミングとは異なるルールに従ってシェルスクリプトを書くことは、これまで情報工学科で学んできた内容とは大きく異なり、大変苦労しました。しかし、その一方で、個々の作業を見ると効率が悪いように思える部分が、企業向けの開発やチーム開発の観点では全体として効率を向上させる結果につながるという点を学び、とても興味深く感じました。 

 今回、このような貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

◎USP研究所代表取締役 當仲 寛哲 氏からのコメント

 このたびIT基礎力講座を受講し、試験に合格された皆さん、心よりお祝い申し上げます。

 多くの方が初めての挑戦だったと伺いましたが、皆さんの努力に感服しております。

 私自身、Linuxを使って実務で役立つものを作ろうと思ったのは26歳の時でした。それから本格的にコンピュータを勉強し始めましたが、周囲からは「26歳でコンピュータを1から学ぶなんて手遅れだ」と揶揄されて、ほとんど一人で始めた状況でした。しかし、基礎的な知識を一つずつ積み上げていくことで、様々なものが作れることを実感しました。そして、役に立つものを作るという意味での充実感を得ました。私が作ったソフトウェアが、実際にビジネスで使われるようになり、高価なソフトや難しいソフトを学ぶことなく、本当に役に立つものが基礎力だけで作れることに気付きました。このことを日本中、世界中に広めたいと思い、30年近くこの仕事を続けています。 

 皆さんが今回触ったLinuxはオープンソースで、すべて無料で公開されています。興味があればその中身を学ぶことができます。

 しかし、現実的には便利なシステムを作ろうとしても、多くの時間やお金がかかるため、我慢して不便な状態で過ごすことが多いのが現実です。

 私たちは、こうした現状を見て、若くてやる気のある学生に、この基礎力を身につければ、世の中の問題を本当に解決できることを実感してもらいたいと思い、この講座を始めました。 

 実際には、専門が違う方も多いかもしれませんが、ここで学んだことを忘れずに、業界や研究の現場で活かしてもらいたいと思います。これからも頑張ってください。 

 最後に、合格された皆さんには給付型の奨学金を支給されます。私としては、この奨学金を単に授業料に充てるだけでなく、広い経験を積むための投資として使ってほしいと考えています。世の中は広いので、自分でいろいろと探し、経験を積んで、知識を知恵として深めていくことが大切です。皆さんは今、学校で勉強や研究をされているかもしれませんが、この奨学金は、経験を買うために使ってほしいと思います。この真意を考えて、より広い世界に出て、充実した人生を送ってください。 改めて、皆さんの成功を祝福するとともに、今後のさらなるご活躍を心より期待しています。

◆独立行政法人国立高等専門学校機構について

 独立行政法人国立高等専門学校機構は、国立高等専門学校(高専)を設置・運営するため、独立行政法人通則法及び独立行政法人国立高等専門学校機構法に基づき、平成16年に設立されました。

 国立高等専門学校機構では、全国に51の国立高専を設置し、積極的なアクティブラーニングの展開、グローバル化を先端的に進める新たな高専づくり、スケールメリットを最大限に活かした研究活動の推進などにより、地域と世界が抱える諸課題に果敢に立ち向かう、深い科学的思考に根差した実践的人材を養成しています。

◆高等専門学校について

 「高専」は、中学校卒業後の若者を受入れ、一般教養科目と専門科目をバランスよく配置した本科5年一貫教育課程により、豊かな教養と体系的な専門知識を持つ高度な技術者を育てる我が国のユニークな高等教育機関です。

◆有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所について

 USP研究所は2005年設立以来、地球、人間社会を支える多種多様なお客様の情報システムを、独自のエンタープライズ・アーキテクチャ開発手法である「ユニケージ」を用いて構築しています。『自律と協働』の理想を実現し、情報システム構築技術だけでなく、企業や社会、人間の活動において深い造詣と思いやりを持ち、世の中の進化に貢献するソーシャル・ドクターを目指しています。

【各組織概要】

組織名:独立行政法人国立高等専門学校機構
所在地:東京都八王子市東浅川町701-2
理事長:谷口功
設 立:平成16年4月1日
URL:https://www.kosen-k.go.jp/
事業内容:国立高等専門学校(高専)の設置・運営

組織名:有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所
代表者:代表取締役社長・開発者 當仲寛哲
本 社:東京都港区西新橋3丁目3番3号 ペリカンビル3階
設 立:平成17年4月20日
URL:https://www.usp-lab.com/
事業内容:ユニケージ開発手法関連事業、出版事業

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会社概要

URL
https://www.kosen-k.go.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都八王子市東浅川町 701-2
電話番号
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代表者名
谷口 功
上場
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資本金
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設立
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