【中小企業の賃上げ実態】6割超が賃上げを実施するも、実施企業の約6割が経営負担を実感。賃上げ促進税制は約半数が「知らない」と回答。
~BLUE REPORT[8月-2号]「中小企業の経営状況の変化への対応<2>」を発行~
株式会社フォーバル(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:中島 將典、以下「フォーバル」)が運営するフォーバル GDXリサーチ研究所は中小企業における賃上げの実施状況やその効果、持続的な賃上げに向けた課題を調査した「BLUE REPORT[8月-2号] 中小企業の経営状況の変化への対応<2>~賃上げの実態と持続的な賃上げに向けた課題~」を2026年7月31日(金)に発行いたします。

今回のレポートの目的『中小企業の賃上げ実態と、原資確保・制度活用を含む持続的な賃上げ課題の把握』
近年、物価の上昇や深刻な人手不足を背景に、経済界では賃上げの動きが広がっています。大企業では高水準の賃上げが続く一方、雇用の約7割を支える中小企業では、原資の確保が難しく、十分な賃上げに踏み切れない企業も少なくないと考えられます。政府も最低賃金の引き上げや賃上げ促進税制などを通じて後押しを強めており、この流れは今後も続くと見込まれます。
今回のレポートでは、「持続的な賃上げへの対応」全国の中小企業経営者1,653人を対象に調査を実施しました。その結果、賃上げを実施している企業は63.3%となり、6割を超える中小企業が何らかの形で賃上げを実施していることがわかりました。一方で、賃上げによる経営負担を感じている企業は57.8%に上り、賃上げ促進税制については48.5%の企業が「制度を知らない」と回答しました。
●本レポートの詳細は、こちらをご参照ください。
http://gdx-research.com/wp-content/uploads/2026/07/bluereport_202608-2.pdf
サマリー
■賃上げを実施している企業は63.3%
※「2025年1月以降に実施している」、「2025年以前から実施している」の合計
・今回の調査では、「2025年1月以降に実施している」が21.0%、「2025年以前から実施している」が42.3%となり、賃上げを実施している企業の合計は63.3%でした。
■賃上げによる経営負担を感じている企業は57.8%
※「大きな負担になっている」、「やや負担になっている」の合計
・賃上げを実施している企業のうち、「大きな負担になっている」が12.1%、「やや負担になっている」が45.7%となり、合計で57.8%が負担を感じていることがわかりました。
■48.5%の企業が賃上げ促進税制の制度を知らない
・賃上げ促進税制については、48.5%が「制度を知らない」と回答しました。「活用している」は9.2%、「活用を検討している」は9.9%にとどまり、制度の認知・活用に課題が見られます。
調査結果 (抜粋)
■賃上げを実施している企業は63.3%
※「2025年1月以降に実施している」、「2025年以前から実施している」の合計
今回の調査では、「2025年1月以降から実施している」が21.0%、「2025年以前から実施している」が42.3%となり、賃上げを実施している企業の合計は63.3%でした。前回調査の66.3%からは3.0ポイント低下したものの、両調査に共通して6割を超える企業が賃上げを実施していることがわかりました。
一方で、「実施していない」と回答した企業は36.7%となり、前回調査の33.7%から3.0ポイント上昇しました。依然として約3社に1社は賃上げを実施しておらず、物価高や人材確保を背景に賃上げの重要性は高まっているものの、すべての企業が継続的に実施できる状況には至っていません。今後、賃上げを実施する企業を増やすためには、その前提となる収益力の強化や賃上げ原資の確保が重要になると考えられます。

■賃上げによる経営負担を感じている企業は57.8%
※「大きな負担になっている」、「やや負担になっている」の合計
賃上げを実施する企業に、それが経営にどの程度負担になっているかを聞いたところ、「やや負担になっている」が45.7%で最も多く、「大きな負担になっている」12.1%と合わせて57.8%となりました。
また、負担になっていると回答した企業に具体的な経営面への影響を聞いたところ、「人件費負担の増加」が89.9%で最も多く、「営業利益の減少」は74.9%、「広告費や設備投資など他予算への圧迫」は43.8%と続きました。短期的には賃上げが利益を圧迫する一方で、従業員のモチベーション向上や人材の定着、生産性向上につなげられるかどうかが、中長期的な収益構造改善の鍵となります。また、「広告費や設備投資など他予算への影響」が43.8%にとどまったことから、企業では投資計画や予算配分を調整しながら賃上げに対応している可能性も示唆されました。

■賃上げ促進税制を知らない企業は48.5%
賃上げを実施している企業に「賃上げ促進税制」の活用状況を聞いたところ、最も多かったのは「制度を知らない」の48.5%でした。「活用している」は9.2%にとどまり、「活用を検討している」9.9%を合わせても2割に届かない結果となりました。
賃上げを実施している企業においても、制度が十分に浸透しているとは言えない実態がうかがえます。
持続的な賃上げを後押しするためには、売上拡大や価格転嫁、業務効率化などによる原資確保に加え、公的支援の認知・活用を広げることも重要です。制度の対象要件や活用方法も含め、より一層の周知が求められます。

■まとめ
本レポートでは、物価上昇や深刻な人手不足を背景に、企業の関心が高まる「賃上げ」について、中小企業の実施状況や効果、持続的な賃上げに向けた課題を調査・分析しました。
調査では、賃上げを実施している企業は63.3%となり、前回調査からわずかに低下したものの、6割を超える中小企業が何らかの形で賃上げに取り組んでいることがわかりました。実施理由では「従業員の定着率や満足度を高めるため」が最も高く、賃上げが人材確保や雇用維持、従業員のモチベーション向上を目的に進められている傾向が見られます。
一方で、持続的な賃上げに向けては、原資の確保と経営負担が大きな課題です。賃上げ実施企業のうち、原資を「十分に確保できている」と回答した企業は1割程度にとどまり、賃上げを経営上の負担と感じる企業も約6割に上りました。売上拡大や適正な価格転嫁、業務効率化によるコスト削減に加え、高付加価値の商品・サービスへの転換などを通じて、「本業で稼ぐ力」を高めることが求められます。
また、賃上げ促進税制については、賃上げを実施している企業でも「制度を知らない」との回答が5割弱を占めました。中小企業が前向きに賃上げへ対応していくためには、企業自身の収益力強化に加え、税制や補助金・助成金、取引適正化などの公的支援を総合的に活用しながら、中長期的な戦略に基づいて取り組みを進めることが重要です。
フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
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