アストラゼネカ、がん患者さんにおける免疫介在性有害事象の早期発見を支援するコミュニケーションツール「つたわる君」の提供を開始
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、このたび、免疫療法を受けている肺がんおよび消化器がん患者さんの免疫介在性有害事象(imAE)の早期発見・治療介入を促進し、がん治療の継続を支援することを目的に、医療従事者と患者さんとのコミュニケーションをサポートするツール「つたわる君」(以下、本ツール)を作成し、医療従事者に提供を開始しました。
がん免疫療法の登場により、従来の治療では十分な効果が期待できなかった進行期のがんにおいても、一部の患者さんで長期の奏効・長期生存が得られるようになりました。しかしながら、免疫療法は、患者さん自身の免疫を高めることから、自己免疫疾患様の症状が生じるimAEが起こることがあります。imAEは治療期間中あるいは治療終了後のあらゆる時点で発現する可能性があり、重篤化した場合、時に致死的な経過をたどることがあります。imAEがどの臓器に発現するかを事前に予測することは難しく、また、適切な管理方法も確立していないのが現状です。
imAEマネジメントでは早期発見・治療介入が重要ですが、そのためには患者さんと医療従事者とのコミュニケーションが大切です。がん免疫療法を受ける患者さんにおいては、「有害事象を言葉で説明しにくい」、「些細な初期症状を伝えにくい」といった困りごとがインタビューより明らかとなっています。医療従事者は、免疫療法の治療開始から治療終了後まで、診療科を超えて連携し、常にimAEに迅速に対応できるようにしておくことも大変重要です(1)。
本ツールは、「説明用ボード」・「問診票」そして臨床的に重要度の高い症状から発現が疑われる有害事象を推測する「逆引きマニュアル」の3種類から構成されており、本ツールを活用することで、患者さんはご自身の症状を医療従事者に伝えやすくなり、医療従事者はimAEの早期発見・治療介入といった、効果的なimAEマネジメントが期待できます。
本ツールを監修した、市立長浜病院呼吸器内科責任部長である野口 哲男先生は次のように述べています。「免疫チェックポイント阻害薬の普及に伴いimAEの早期発見はより重要になってきました。しかし、症状をどのように伝えてよいか分からなかったり、医療従事者に遠慮したり、治療変更を危惧して症状が出ていることを伝えづらい患者さんもおられます。是非このツールを活用して、患者さんに気になることがないか、お声掛けいただきたいと思います。「つたわる君」がimAEの早期発見・早期治療介入につながることを期待しています」。
アストラゼネカの執行役員メディカル本部長 田中 倫夫は今回の取り組みに対して次のように述べています。「当社ではメディカルプラクティスの変革により患者さんの人生を持続的に変化させることを目指しています。「つたわる君」が患者さんと医療従事者間のコミュニケーションに行動変容をもたらすきっかけとなり、患者さんがより納得した治療を受けられることを期待しています。引き続き、がん免疫療法の適正使用のために、領域横断的な取り組みを続けていきます」。
当社は「患者さんを第一に考える」を企業バリューのひとつとし、患者さんの診断から治療後といったペイシェントジャーニーにおけるアンメットニーズへの取り組みに注力しています。本ツールの提供は患者さんを中心とした治療支援であり、その企業バリューを実現するためのアクションのひとつです。
【コミュニケーションサポートツール「つたわる君」】
<説明ボード>
<問診票>
<逆引きマニュアル>
・説明ボード:患者さんの伝えにくい症状を全身イラストや症状アイコン、より平易な表現で説明。症状の程度も気のせいかもしれないものまで確認ができる
・問診票:患者さんへ問診ページを取り外して渡すことが可能。医療従事者間の申し送りにも活用可能
・逆引きマニュアル:確認した症状から逆引きマニュアルを基に、どのようなimAEが発現しているか推測できる
以上
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肺がん領域におけるアストラゼネカについて
肺がんは男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています(2)。アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
消化管がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました(3)。このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。
アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。
また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。
アストラゼネカは、広範ながん腫において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患におけるIO治療薬の活用も推進しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社については https://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.Japan( https://www.facebook.com/AstraZeneca.Japan/ )とインスタグラムAstraZeneca / アストラゼネカ( https://www.instagram.com/astrazenecajapan/ )もフォローしてご覧ください。
References
1. 三浦 理 他 肺がん診療における免疫関連有害事象の管理 肺癌.2019;59:231-237
2. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2023.
3. WHO. World Cancer Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf. Accessed December 2022.
【プレスリリースはこちらのPDF版でもご覧になれます。 】
https://prtimes.jp/a/?f=d24308-447-be9c470e2fd2c127eab3cc943926e2bf.pdf
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