転職サービス「doda」、転職して年収がアップした個人のデータを分析「年収アップ成功者から見える傾向」を発表
~年収アップした人の決定年収の平均アップ額は約90万円。転職前に「IT/通信」「金融系専門職」だった個人は平均100万円以上アップ~
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井 貴史)は、「年収アップ成功者から見える傾向」を発表しました。これは、2023年8月から12月に「doda」エージェントサービスを利用して転職した人のうち「年収アップに成功した人」のデータを分析したものです。
詳細:https://doda.jp/guide/manual/1/004.html
<データから読み解く「年収アップ転職」の傾向>
「年収アップ転職」をかなえた個人の平均アップ額は約90万円。年齢別の成功者は20代後半に多い
2023年8月から12月の期間に転職した個人のうち、「年収アップ転職※」をかなえた人の平均アップ額は906,274円、平均年齢は32.7歳でした。「年収アップ転職」をかなえた人の年齢別の分布を見ると、最も多くの割合を占める年齢は27歳(8.3%)でした。それに26歳(8.2%)、28歳(8.0%)が続き、「20代後半」で年収や給料のアップに成功した人が多くなっています(図1)。
また、年収の平均アップ額を年齢区分別でみた場合、いずれの年齢層においても60万円以上であることが分かりました(図2)。
※年収アップ転職とは、転職者を受け入れる企業が採用決定時に個人に対して提示する年収である「決定年収」が、転職前の年収を上回る転職を指す
転職前に「IT/通信」「金融系専門職」に就いていた個人の年収アップ額が目立つ結果に
「年収アップ転職」をかなえた人が転職前に就いていた業種みると、平均アップ額が最も大きかったのは「IT/通信」で103万5,927円でした。それに「インターネット/広告/メディア」が99万9,048円、「金融」が98万3,748円で続きます。年収の平均アップ額は全10業種すべてで60万円を超えていました(図3)。
次に、職種別でみると、転職による年収の平均アップ額が最も大きかったのは「金融系専門職」で、125万16円でした。それに「技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)」が、113万8,375円で続きます。なお、転職により年収の平均アップ額が100万円を超えたのは計5職種で、上記2職種に加えて、「専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)」が112万6,014円、「技術職(組込みソフトウェア)」が103万6,292円、「企画・管理」が101万5,089円となりました(図4)。
<データの解説と見解(doda編集長 桜井 貴史)>
採用意欲が高い企業が、採用時の提示年収を引きあげる傾向。
即戦力として活躍が期待できる人材を中心に、提示年収額は今後も高まる見込み
今回の調査から、「年収アップ転職」をかなえた人の平均アップ額は約90万円だったことが分かりました。
年収アップ額が大きい業種・職種についてはさまざまな要因が考えられますが、共通点として、人材不足により採用競争が激化する中で、採用に積極的な企業が優秀な人材を確保するべく採用時の提示年収を引き上げていることが挙げられます。また労働力不足が加速する昨今において、離職防止に注力すべく賃上げに踏みきる企業が増えています。そのため、即戦力として活躍が期待できる人材を中心に、採用時の提示年収額は今後さらに高まるのではないでしょうか。
キャリアの軸を明確化・自己決定することが「納得感」や転職後の「満足感」、年収アップにつながる
ここまでは年収アップ転職の実態を深掘りしました。年収アップをかなえるためには、給与の上がりやすい企業や職種の特徴を知ることに加え、企業に対して自身を採用するメリットを具体的に伝えることも有効といえるでしょう。ただし、自分自身が納得や満足のいく転職とは何かを考えたうえで、年収アップをかなえることも大切だと私は考えています。
そのためにはまず、「転職でかなえたい目的」を棚卸しする必要があります。例えば「環境を変えたい」「家族との時間をもっと増やせるはたらき方に変えたい」「興味があることにチャレンジしたい」「市場価値を高めたい」など、人によって転職の目的はさまざまあり、そのどれもが正解だと思います。重要なのは、自分の人生において大切にしたいことや今後歩みたいキャリアを考えた上で、自分の中でキャリアの軸を明確にし、自己決定していること、すなわちキャリアオーナーシップの発揮です。
人材が企業の競争力の源泉となる現代において、主体性を持って自ら考え行動することができる「キャリアオーナーシップ人材」への評価も年々高まっています。これまでどのように自身のキャリアを考え、スキルや経験を積んできたか、そして今後そのスキルや経験をどのように伸ばし、企業や社会に貢献していきたいのかといった主体性を伝えることは、企業からの期待を高め、年収アップ転職を後押しする要素にもなると考えます。
解説者プロフィール doda編集長 桜井 貴史(さくらい・たかふみ)
新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。
調査概要
対象:2023年8月~12月にdodaエージェントサービスを利用して転職した方のうち、年収アップしたビジネスパーソン
データ利用について
引用・転載の際は、出所が転職サービス「doda」であることを明記し、Webメディアの場合は以下のリンクを張ってください。
転職サービス「doda」「年収アップ成功者から見える傾向」<https://doda.jp/guide/manual/1/004.html >
■転職サービス「doda」について< https://doda.jp/ >
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