生活クラブ連合会 第31回通常総会で採択 SDGs「第一次 生活クラブ2030行動宣言」 ~8つの重要目標から、サステイナブルな未来へ~
このたび採択した「第一次 生活クラブ2030行動宣言」では、 SDGsの理念に通ずる7つの目標と、SDGsに留まらない生活クラブ独自の目標の計8つの重要目標を掲げました。その内容は、食における国内生産の追求と公正な調達、地球生態系維持のため海や陸の環境保全と気候変動対策、貧困・孤立を見過ごさず支えあう社会をつくることなど。食、環境、福祉など、人々が豊かに生きるために必要な目標を設定しました。本宣言の実現に向けてKPIを設定し、年度ごとに評価して進捗を確認していきます。さらに公式Webサイトへの掲載やガイドブックなどを作成して大勢の理解を図り、生活クラブ組合員の他、消費材の生産者や関連会社など生活クラブに係るすべての主体とともに、2030年を目標に希望の持てる持続可能な社会作りに取り組みます。
今後は、「生活クラブがまだ取り組んでいないが、SDGsの観点から2030年に向けて取り組むべき優先順位が高い目標」について検討を進め、意志ある各地域の生活クラブ組織と共に各地域における活動についての協議と合わせて、2022年度に「第二次行動宣言」を行なう計画です。
*1:内橋克人氏(評論家)が提唱する「食(Food)」「エネルギー(Energy)」「福祉(Care)」のしくみを自分たちでつくりだす社会をめざす構想。
■「第一次 生活クラブ2030行動宣言」概要
1食料主権*1の考え方を基軸とした、国内生産の追求と公正な調達を行います。
命の産業である第一次産業において、種に至るまでの国内自給を追求し、生産情報の開示をすすめます。また、国内外を問わず生産に従事する人々の人権に配慮し、合意に基づく調達を行います。
*1食料主権:すべての国と民衆が自分たち自身の食料・農業政策を決定する権利。
<国産種の自給の場合>
できるだけ国産の原材料や飼料を選び、国内自給力の向上をはかるだけでなく、種の自給にも取り組んでいます。
一般的にたまごの親鶏は98%がヒナで輸入されていますが、生活クラブの親鶏は純国産種の「もみじ」と「さくら」です。国産のたまごを安心して食べ続けるために、日本の気候風土に適した種の維持に注力しています。
2素材本来の味、食材にまつわる知恵や文化を大切にして、健康で豊かな食の実現をはかります。
人体に有害と考えられる添加物や薬剤の使用を限りなく削減し、健康を保つことに貢献する食材の使い方や摂り方などの情報を積極的に共有します。
<アースメイド野菜の場合>
生活クラブの野菜はすべて組合員と生産者がともに土づくりから考えた「アースメイド野菜」。
できるだけ化学合成農薬や化学肥料を使わず、「いつ・だれが・どこで作ったか」栽培履歴が明らかです。残留農薬は国の1/10未満をめざし、放射能は1/4以下の厳しい基準で、「ずっと作り続けられ、食べ続けられる野菜」づくりに取り組んでいます。
※「アースメイド野菜」は地域によって名称が異なる場合があります。
3地域の生態系を維持するため、海や陸の環境保全と気候変動対策に取り組みます。
生物多様性をおびやかす遺伝子操作を行った食物を扱わないことを基本とし、その生産に反対します。また、生産・流通・消費・廃棄の各段階での環境配慮とともに重点的に温室効果ガスの削減に取り組みます。
<グリーンシステムの場合>
調味料や牛乳などのガラスびんの形状を数種類に統一し、繰り返し回収・再使用しています。リサイクルよりもさらに環境負荷の少ないリユースで、容器包装ごみを削減します。1994年から続くこの取り組みはGarbage Reduction for Ecology and Earth'sNecessity(地球生態系のためのごみ減量)の頭文字から名付けられています。
4原発のない社会をめざし、再生可能エネルギーの生産と普及に取り組みます。
再生可能エネルギーによる電力をつくり、連帯と共同購入によって選択する人や事業者を増やし、原発が必要ない社会をつくります。
<生活クラブでんきの場合>
「電気も作り方が明らかなものを」と、全国の再生可能エネルギーの発電所と提携して共同購入しています。子どもたちに原発のない社会を手渡すため、気候変動対策に貢献するため、そしてエネルギーの自給のための取り組みです。原発や化石燃料に頼らず、再生可能エネルギー100%の未来を志しています。
5誰もがその人らしく、安心して生活を営める地域と社会をつくります。
生まれてから生涯を終えるまで安心して生活を営むため、地域に必要な福祉事業および市民活動の環境整備と資源創出をすすめます。
<居場所づくりの場合>
福祉・たすけあいの土台は人と人との関係性です。居心地の良い関係性や場所に触れながら暮らすことは、安心できる生涯の支えとなります。「自分がありのままでいられる」「自分が役に立っていると感じられる」・・・。そのような関係性や場所を地域に広げていくことをめざします。
6貧困と孤立を見過ごさず、自立に向けて寄り添い、支えあい、多様な居場所と働き方をつくります。
現代社会が生み出す貧困に目を向け、広がる格差と社会的弱者を孤立させる社会構造の変革をめざして、緊密なセーフティーネットを構築します。地域の連携を強化し、誰もが役割のある、お互いが助け合える社会をめざします。
<フードバンクの場合>
まだ食べられるのに様々な理由で廃棄されてしまう食品を活用して、2019年に始めた生活クラブフードバンク。子ども食堂などの団体に提供しています。今後も組合員への呼びかけや提携生産者、地域社会と協力しながら、他のフードバンクとも連携し、責任ある消費と社会問題の解決に向け、活動を進めていきます。
7非戦*2と共生の立場を貫き、平和で公正な社会をめざします。
戦争のない世界をめざし、海外の市民との多様な交流をすすめながら、社会的・経済的な発言力を発揮します。
*2非戦:戦争や武力による威嚇や武力の行使を否認し、戦争ではない手段・方法によって問題解決すること。
<コーヒー 民衆交易の場合>
組合員の産地訪問や生産者の日本への招待などを通じ、海外生産者とも「顔の見える提携」をしています。
パプアニューギニア産「エリンバリコーヒー」では、厳しい基準を達成したコーヒー豆を農家から一般より高い値段で買い上げ、収益の一部を学校の建設などに活用している生産者と提携。公正な貿易でともに豊かになることをめざしています。
8情報開示と自主管理を基本とし、自ら考え、決め、実行します。
組合員主権に基づく組織運営を基軸として女性のエンパワーメントを強め、SDGs達成に主体的に取り組みます。SDGsを超える取組方針についても、自主的な目標を定め、実行していきます。
<消費材Step Up点検の場合>
組合員と生産者が話し合い、消費材をつくるための自主基準を定め、基準項目を満たしているかどうかを生産者自らが点検しています。その品質をより高めるために組合員が生産現場を訪れ、製造環境や工程が自主基準を達成しているかおおぜいの目で確認します。生産者と直接対話する点検を積み重ねることで、双方の理解が深まり、品質のさらなる向上につながります。
<参考>
生活クラブでは、2020年4月より「サステイナブル フェス!」と題して、SNSを活用した取り組みを実施しています。サスティナブルな生活に関する情報の提供や、組合員やその他の皆さまのサステイナブルな生活の様子を紹介しています。
「サステイナブル フェス!」特設サイト https://seikatsuclub.coop/sustainablefes/
<主な企画>
・Instagramを起用した「サステイナブルな暮らし」を投稿するキャンペーンの実施
・「サステイナブルな暮らし」を紹介する動画作成
・「サステイナブルな暮らし」のヒントを紹介するコンテンツのライブ配信 など
■生活クラブについて
生活クラブは生協の中のひとつです。 今から約50年前、 「まとめ買いして安く分け合おう」と、 200人あまりのお母さんたちが集まって牛乳の共同購入を始めたことからスタートしました。 今日の生活クラブでも、 既存の商品を購入するのではなく、 自分達の生活に必要な品物を、 自分たちが開発過程にかかわりながら生産者とともに、 納得いくものをつくるという、 徹底したものづくりの姿勢でとりくんでいます。
生活することは、 消費することです。 ”なにを””どのように”消費するか、 という選択は、 そのまま、 「どんな未来にしたいか」「次の世代へ何を手渡したいか」へとつながっていきます。
私たちは、 自然と共生し、 食べ物(Food)、 エネルギー(Energy)、 福祉(Care)をできるかぎり自給・循環させる「サステイナブル(持続可能)な生き方」を選びます。 いま生きるいのちと次世代のいのちを、 おなじように大切に考えて、 すべての活動を行います。
URL: https://seikatsuclub.coop/
生活クラブ申し込みURL: https://welcome-seikatsuclub.coop/
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