パーソル総合研究所、テレワークによる組織の求心力への影響に関する調査結果を発表 テレワーカーが抱く組織への愛着は出社者の約1.3倍であることが明らかに

はたらく場所がどこであれ、企業の対応次第で組織の求心力を保つことができる

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渋谷和久)は、「テレワークによる組織の求心力への影響に関する調査結果」を発表いたします。本調査は、テレワークによる組織の求心力や生産性の低下が懸念されるなか、企業経営や人事に資する定量的なデータを提供することを目的に実施しました。

 本調査では、テレワーカーが抱く組織への愛着(組織コミットメント)は出社者の約1.3倍という意外な結果となりました。なお、本調査における「テレワーカー」の定義は週3日以上終日テレワークしている人、出社者の定義は直近1か月でテレワークしていない人となります。
  • 調査結果概要
① テレワーカーの組織への愛着

 「会社に愛着を感じている」割合は、テレワーカーで34.4%、出社者で27.1%。「会社に対して感謝の気持ちを持っている」割合は、テレワーカーで43.4%、出社者で32.8%。「会社の一員として仕事をすることに誇りを持っている」割合は、テレワーカーで36.4%、出社者で28.2%だった。
 いずれの項目もテレワーカーの方が出社者に比べて、組織コミットメント(組織との情緒的な結びつき)が約1.3倍(※1)強いという結果となった。
※1「愛着」で約1.27倍、「感謝」で約1.32倍、「誇り」で約1.29倍。

                   図表1.組織コミットメント

② テレワーカーの仕事の成果認識

 「私は、上司からの期待を超えるパフォーマンスを発揮している」との回答割合は、テレワーカーで30.4%、出社者で22.1%と、約1.4倍の差がついた。
 また、「私は、担当業務の責任を果たしている」との回答割合は、テレワーカーで54.5%、出社者で46.4%。「私は、職場で任されたレベル以上の役割を果たしている」との回答割合は、テレワーカーで34.3%、出社者で27.8%となり、どちらも約1.2倍の差がついた。

                    図表2.仕事の成果認識


・統制変数に関して:様々な要因を統制しても、テレワーク実施は組織コミットメントに有意な正の影響を与えていることが確認できている。

 
 また、テレワーカーと回答した人が属する企業では同僚の約7割がテレワークを実施しており、出社者と回答した人が属する企業では同僚の約1割がテレワークを実施しており、実施率に大きな差がある。そのため、本調査結果では、テレワークに積極的な企業と消極的な企業に見られる特徴が表れていると考えられる。
  • 分析コメント~はたらく場所がどこであれ、企業の対応次第で組織の求心力を保つことができる~(研究員 青山 茜)

 本調査では、所属組織に対する愛着などを意味する組織コミットメント(組織との情緒的な結びつき)や仕事の成果認識について、テレワーカーの方が出社者よりも高いことが明らかとなった。テレワークによる組織の求心力や生産性の低下などが懸念されるなか、意外な結果と言えるのではないだろうか。

 しかし、なぜテレワーカーの方が高かったのか。まず考えられるのは、企業のテレワーク推進に伴う「従業員の健康への配慮」「企業方針や対応についての十分な説明や情報提供」などが、組織コミットメントを高めたということだ。実際、これらを実施している企業では、実施していない企業に比べて組織コミットメントが高い(図表3)。これら以外にも、重回帰分析により、新型コロナに対応した企業の姿勢や施策は組織コミットメントに有意に影響していることもわかっている。

 新型コロナ感染拡大が見られ、再びテレワーク実施を検討している企業もいると思うが、従業員の健康を第一に考え、不必要に出社しなくてよいという企業側の姿勢を明示すべきだ。曖昧な経営姿勢や現場に判断を委ねるような対応だと、実際にテレワークを行う割合も組織コミットメントも上がらない。はたらく場所がどこであれ、企業の対応次第で組織の求心力を保つことができることを念頭に、不要な出社を避け、テレワークを推進すべきだろう。

         図表3.企業の新型コロナへの対応と組織コミットメントとの関係性

※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所「テレワークによる組織の求心力への影響に関する定量調査」
 
  • 調査概要


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