【組織の1on1に関する調査レポート】1on1ミーティングは「上司任せ」? 大事な機会に明確な効果を見出だせないのは、企業のサポート不足も一因か

Visional

 Visionalグループの株式会社ビズヒント(所在地:東京都渋谷区/代表取締役社長:関 哲)が運営する、生産性向上・組織強化・DXなどをテーマに決裁者向けのBtoBマーケティングを支援するプラットフォーム「BizHint(ビズヒント)」は、主な読者である中小企業決裁者に『自組織の1on1ミーティング(以下、1on1)』に関するインターネット調査を実施しました。この調査から見えた、組織における1on1の実情、1on1の効果や悩み、上司に求められる能力などをお知らせします。

【調査概要】
・調査時期:2022年10月28日~11月18日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:BizHintの読者、かつ部下を持つ者(主任・係長レベルより上の役職者)
・回答者数:204名

【サマリー】
・1on1を実施している組織は約半数。ただし実施頻度は高くない
・1on1の目的は「働きやすい環境を作ること」が重視されている
・企業は1on1を「上司任せ」にしている状態が多く、それ故に適切なやり方がわからず、効果に疑問を抱く人もいる
・企業は組織全体に「1on1の目的」を浸透させること、さらに「1on1の結果を可視化させる仕組み」を作ることも肝要

【調査詳細】
①組織における1on1の浸透具合 ―約半分の会社(組織)が実施しているが、積極的な取り組みとまではいかない現状―
「あなたの会社(組織)は1on1を実施しているか」の問いに対し、「実施している」と回答したのは47.5%(97名)と、半数近い企業が1on1を取り入れています。しかし「実施している」と回答した97名にその頻度を聞いてみると、「不定期」が32.0%(31名)、「2〜3ヶ月に1回程度」が23.7%(23名)と、あまり1on1を積極的に取り入れているとは言う難い状況が見えてきました。
1on1の目的は「業務内外における困りごと・悩み相談の場」が63.9%(62名)、「ざっくばらんなコミュニケーションの場」が55.7%(54名)、実感できた効果も「部下との関係性が向上した」が56.7%(55名)、「部下の考えや思いが深く理解できた」が52.6%(51名)と上位になりました。
現状の組織の1on1においては、業務効率化や部下の成長を促すよりは、良好な人間関係を築いて心理的安全性を保ち、働きやすい環境を作ることが重視されているようです。

②上司の抱える1on1の悩み ―組織としての効果が不透明であり、そのサポートも不足している―
「実施している」と回答した方に、「1on1に関しての悩みがあるか」を聞いてみると、69名があると答えました。具体的には「1on1の効果があるのかがわかりづらい」が34.8%(24名)、「議題やフィードバックのツールなどを使っていない、使いこなせていない」が24.6%(17名)という意見が多く挙げられました。組織として1on1に対して明確な指針が示されておらず、結果「上司任せ」の面が強くなり、具体的なアウトプットが出しづらいという問題点が浮き彫りとなりました。
この点については、「1on1を行うにあたり、外部講習などのレクチャーを受けたか」という質問に71.1%(69名)が「受けていない」と回答、「会社に1on1をサポートする仕組み(人事への相談、定期的な研修など)はあったか」という質問に73.2%(71名)が「ない」と回答していることからも同様の傾向が見受けられます。
企業として、組織のエンゲージメント向上や成果を得たいのであれば、1on1に対する明確な方針や具体的なノウハウ・ツールを提供し、適切なアシストを行う必要があると言えるでしょう。

③上司が1on1について知りたいこと ―明確な効果を得たいのであれば、企業は「上司任せ」にしてはいけない―
「1on1について知りたいこと」を自由回答で聞いたところ、まだ1on1を導入していない組織の方からは、「どのくらいの頻度で、どのような内容の話を聞くべきなのか」「必要な心構えは何か」「1on1の場でやってはいけないことがあるのか」「フォローアップの方法」「どう効果を可視化するのか」という声が挙がりました。1on1の導入については前向きな姿勢が伺えると同時に、「やるにあたって、何から手をつけていいのか」という戸惑いの心理も同時に見て取れます。
一方、1on1を導入している組織の方からは、「部下の思いや話を引き出すにはどうすればよいか」「それぞれに合ったやり方を見つけるのが難しい」「話すことが不得手な部下への接し方」というコミュニケーション方法、さらに「部下の成長のためには人となりも知りたいが、個人情報のため立ち入った質問ができず、どうするべきか」「個人(プライベート)に入りこむことはどうかと感じているが、どうなのか」という、人間関係構築と踏み込むべき範囲の線引きの難しさが挙がりました。1on1のおかげで、お互いの人間性の尊重ができてきたと同時に、相互理解への距離感の取り方の難しさも浮き彫りとなったと言えるでしょう。
先述の通り、企業は上司任せにするのではなく、1on1について正しいレクチャーや積極的なサポートを行うことが肝要と考えられます。さらに、組織全体に「1on1の目的」を浸透させ、「1on1の結果を可視化させる仕組み」を作ることも同時に行わなければならないでしょう。

【1on1について知りたいこと】
  • 導入にあたっての不安(1on1を導入していない組織)
    • 始めてみたいが何を用意すればよいのか
    • どのくらいの頻度で、どのような内容の話を聞くべきか
    • 質問のテンプレートはあるか
    • 席上でやってはいけないことは何か
  • コミュニケーションについて(1on1を導入している組織)
    • 部下の本音を引き出す話し方はあるか
    • 話すことが不得意な部下への接し方
    • 個人に入りこむことはお互いにどうかと感じるが、ここからのブレイクスルーをどうすればよいか
  • 課題への向き合い方(1on1を導入している組織)
    • 部下のフォローアップの方法
    • 成長の実感があまり感じられないときの改善方法
  • 効果について(共通)
    • データ化を考えているは、どういう効果測定が有効か
    • 費やした時間に対して、どれほどの効果が得られるのか

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BtoBソリューション提供企業のマーケティング活動のパートナーとして、互いの持続的な成長を目指しながら伴走し、社会に新たな価値を生む中小企業向けBtoBマーケティングのリーディングカンパニーを目指します。
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【Visionalについて】
「新しい可能性を、次々と。」をグループミッションとし、HR Tech領域を中心に、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するさまざまな事業を展開。「ビズリーチ」をはじめとした採用プラットフォームや、人財活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズを中心に、企業の人材活用・人材戦略(HCM)エコシステムの構築を目指す。また、M&A、物流Tech、サイバーセキュリティ、Sales Techの領域においても、新規事業を次々に立ち上げている。

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