土鍋の保温力を徹底調査!余熱を使って料理上手に
東京ガス都市生活研究所は、毎日の暮らしをより良くするためのヒントをお届けする情報ウェブサイト【都市生活レター】の「Vol.5 土鍋の余熱を使って料理上手に!~野菜の煮物~」において、2020年9月に実施した「土鍋の保温力」に関する実験結果を公表しました。https://www.toshiken.com/letter/mental/002/
寒さも本格的になり、温かい食事が恋しい季節になってきました。
コロナ禍で外食することが難しい今だからこそ、自宅で温かい鍋を囲んで食事を楽しみたいですよね。
お鍋やご飯を炊くこと以外で土鍋を使うことはありますか?実は土鍋はとても優れた調理器具なのです。
そこで、今回は土鍋のすごい力をご紹介します!
- 実はすごい!土鍋の保温力!
ゆきひら鍋よりも土鍋の方が、火を消した後の温度低下にかかる時間が長く、70℃以上を保っている時間は、ゆきひら鍋よりも約17分も長くなりました。土鍋の方が保温性が高いことが分かります。
- 土鍋の保温力を調理に活用するポイント
土鍋とゆきひら鍋それぞれに、2Lの水とダイコン(厚さ3㎝×径6㎝の輪切り6切れ)を入れ、ふたをしてガスコンロで加熱しました(写真2)。沸とうしたら火を消し、水温が70℃になるまで放置した後でダイコンを取り出し、硬さを比較しました。
ダイコンなどの根菜を加熱して軟らかくなる温度は80℃以上とされています。火を消した後のダイコンの中心温度を調べてみると、80℃以上を保っている時間は、ゆきひら鍋では約14分、土鍋では約34分と、土鍋はゆきひら鍋より約20分も長くなりました。
ダイコンの硬さを比較したところ、土鍋の方がゆきひら鍋で加熱したものよりも軟らかいという結果になりました(図2)。実際に食べてみても、土鍋のダイコンはしっかり加熱されて軟らかいですが、ゆきひら鍋のダイコンは硬く、煮物として食べられる硬さではありませんでした。
つまり、土鍋は消火後に80℃以上を保持する時間が長く、余熱だけで根菜を軟らかくすることができるのです。
ポイント2.余熱を使って煮くずれなし!
土鍋とゆきひら鍋それぞれに、2Lの水と4等分したジャガイモ20個を入れ、ふたをしてガスコンロで加熱しました。土鍋は沸とう後に火を消し20分間放置して火を通しました。一方、ゆきひら鍋は余熱だけでは火が通らなかったため、沸とう後20分間加熱継続して火を通してからジャガイモを取り出しました。
加熱後のジャガイモの様子(写真3)を見てみると、ゆきひら鍋で調理したジャガイモは、エッジや表面に「くずれ」が見られますが、土鍋ではほとんど見られませんでした。
さらに、調理前後を比べると、ゆきひら鍋で調理したジャガイモの方が土鍋より重量が少なくなりました(図3)。土鍋では余熱調理によって水の対流が起こらないことで、ジャガイモ同士の接触が少なく、煮くずれを抑えられたと考えられます。
つまり、土鍋の余熱を利用すると煮くずれしにくく、きれいな形を保つことができるのです。
- おわりに
鍋料理以外にも活用の幅が広がりそうですね。
みなさんもご自宅の土鍋を使って、お手軽なのにプロ並みに見える料理を作ってみませんか?
東京ガス都市生活レターHPでは、土鍋の余熱を使ったレシピを2種類紹介しています。
https://www.toshiken.com/letter/mental/002/
とても簡単ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
- 東京ガス都市⽣活研究所のご紹介
東京ガス都市⽣活研究所は、1986年7⽉に設⽴されました。
社会の変化や都市に暮らす⽣活者についての多⾯的な調査・分析をもとに、将来のライフスタイルやニーズを予測し、⽣活者が豊かな暮らしを創造するための情報を提供すると共に様々な提⾔を⾏っています。
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