米国ホリデーショッピングシーズンのオンライン売上が前年比8.7%増、過去最高の2,414億ドルを記録

アドビ株式会社

  • 史上最もモバイル利用が進んだ2024年のホリデーシーズンでは、オンライン購入の54.5%、後払い決済購入の79.1%がスマートフォンを経由

  • お得な商品を見つけたり探したりするショッピングアシスタントとして、生成AIを搭載したチャットボットが消費者に受け入れられ、小売サイトへのトラフィックは1,300%増加

  • 今シーズンの激しい値引き競争は消費者に「ワンランク上」の高額商品の購入を促し、電子機器、家電製品、スポーツ用品において最高価格帯の販売シェアが上昇

※当資料は、2025年1月7日(米国時間)に米国本社から発表されたプレスリリースの抄訳版です。

【2025年1月16日】

アドビ(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ)は本日、2024年のホリデーシーズン(2024年11月1日〜12月31日)のオンラインショッピングデータ(英語)を公開しました。これはアドビのアクセス解析ソリューションAdobe Analyticsを通じて得られたオンラインでの商取引データからEコマースの状況を示す最も包括的な分析で、米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいています。Adobe AnalyticsはAdobe Experience Cloudの一部であり、米国のインターネット小売業者上位100社*の多くがオンラインでのショッピング体験の提供、測定、パーソナライズを行うためにこのソリューションを利用しています。

今回のホリデーシーズンのオンライン販売をモバイルショッピングが牽引し、過去最高売上高を記録

11月1日から12月31日までのオンライン売上高は、前年同期比で8.7%増の2,414億ドルに達し、Eコマースの記録を更新しました。この間、1日の売上高が40億ドルを超えた日が15日ありました(2023年の11日から増加)。また、モバイルショッピングが新たな節目を迎え、今シーズンではオンライン購入の過半数(54.5%)がスマートフォン経由で行われました(2023年の51.1%から増加)。モバイルショッピングはクリスマス(12月25日)に最も活況を呈し、オンライン販売の65%を占めました(2023年は63%)。

今回のホリデーシーズンにオンラインで消費された2,414億ドルのうち、半分以上(54%)は、電子機器(553億ドル、前年比8.8%増)、アパレル(456億ドル、前年比9.9%増)、家具・家庭用品(292億ドル、前年比6.8%増)の3つのカテゴリーだけで占められました。最も高い成長率を示したのは食料品(215億ドル、前年比12.9%増)と化粧品(77億ドル、前年比12.2%増)のカテゴリーで、消費者がこれらの商品をオンラインで購入することにますます慣れてきたことが要因です。その他の目立った成長を見せたカテゴリーには、スポーツ用品(78億ドル、前年比7.4%増)と玩具(82億ドル、前年比7.8%増)が含まれます。

激しい値引き競争が牽引した消費者需要

今回のシーズンでは大幅な値引きが実施され、価格に敏感になっている多くの消費者を惹きつけました。値引き率が最大で定価の30.1%オフに達した電子機器(2023年は31%)を筆頭に、玩具では28%オフ(同28%)、アパレルでは23.2%オフ(同24%)、コンピューターでは22.8%オフ(同24%)、家具・家庭用品では19%オフ(同21%)が買い物客に提示されました。また、テレビ(24.2%、前年は23%)、家電(19.2%、前年は18%)、スポーツ用品(19.5%、前年は18%)では値引き率が過去最高を記録しました。

今シーズンのアドビのデータでは、価格が1%下がるごとに、2023年シーズンと比較して需要が1.029%ずつ増加することが分かっています。これにより消費額22.5億ドルが追加され、オンライン総売上高2,414億ドルに貢献しました。このことは、価格に敏感な消費者がより強く値引きに反応したことを示しています。

こうした大幅な値引きは消費者が電子機器や家電製品、スポーツ用品などのカテゴリーで高額商品を購入するきっかけにもなり、結果としてEコマースの成長を後押ししました。今シーズンでは、最高価格帯の商品の販売数シェアが全体で21%増加していますカテゴリー別では、スポーツ用品で54%、電子機器で48%、家電製品で35%、パーソナルケア製品で32%、アパレルで10%と、それぞれ増加しました。

生成AIがショッピングアシスタントとして受け入れられる

今シーズン、生成AIを搭載したチャットボット経由の小売サイトへのトラフィック(消費者が小売サイトへのリンクをクリックした数)は、前年と比較して1,300%増加しました。とくにサイバーマンデー(12月2日)では、チャットボットの使用が前年比で1,950%増加し、最大の伸びを示しました。ユーザー数はまだ少ないものの、この増加傾向はチャットボットがショッピングアシスタントとして果たす役割の大きさを示しています。アドビが米国の消費者5,000人を対象に行った調査**では、ショッピングに生成AIを使用したことのある回答者の70%が、体験が向上したと回答しています。さらに、回答者の20%は、最もお得な情報を見つけるために生成AIを利用しており、次いで、オンラインで特定の商品を素早く見つけるため(19%)、おすすめのブランドを教えてもらうため(15%)となっています。

Adobe Digital Insights担当の主席アナリスト、ヴィヴェク パンドゥヤ(Vivek Pandya)は、次のように述べています。「2024年のホリデーシーズンでは、小さな画面でのショッピングを好むようになった消費者が、生成AI搭載のサービスを利用してより効率的な買い物をするというかたちでEコマースを変容させつつあることが示されました。消費者の多くがさまざまな方法でオンラインショッピングを行うようになった今、これは小売業者にとって彼らの関心を引く新しいサービスや体験を提供できるチャンスでもあります。」

後払い決済の利用は引き続き増加

消費者がオンラインでの記録的な消費を牽引する一方で、かれらの多くが予算の使い方に柔軟性を持たせています。今シーズン、後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)の利用は過去最高を記録し、オンライン売上高は182億ドルに達しました。これは前年同期比で9.6%増、前シーズンより16億ドル多い額です。この柔軟な支払い方法を利用する消費者の大半(79.1%)がスマートフォンの利用を選好し、今シーズンにおける後払い決済(BNPL)購入の大部分を占めました。さらに、サイバーマンデーは後払い決済(BNPL)の利用が最も多かった1日となり、9億9,120万ドル(前年比5.5%増)の売り上げを記録しました。アドビの調査によると、消費者は電子機器(回答者の57%)、アパレル(51%)、ビデオゲーム(36%)、食料品(33%)、玩具(30%)、ヘルスケア/ビューティー(28%)、ホーム/ガーデン(19%)商品の購入に 後払い決済(BNPL) を活用する傾向があります。

その他のAdobe Analyticsによるインサイト

  • 売れ筋商品:電子機器のカテゴリーでは、テレビ、Bluetooth対応ヘッドフォン/スピーカー、スマートウォッチ、フィットネストラッカーが売れ筋商品となりました。アパレルでは、ダウン/フリースジャケット、ブーツ、財布/斜め掛けバッグ、靴下が売れ筋商品となりました。家具/ホームカテゴリーでは、ホリデー用装飾品、寝具/リネンセット、収納ソリューション、アクセントチェア、クッション/毛布が人気でした。今シーズンの人気玩具には、レゴセット、カード/ボードゲーム、Tonies Audio Playフィギュア(フィギュアで起動する子供向けオーディオプレーヤー)、X Shot Insanity(ソフトダーツを発射するシューティング玩具)、ぬいぐるみ/人形、ふわもちWow!パンビーナ(パン焼きごっこ遊びができるオーブン)、ハリー・ポッター関連の玩具/フィギュアなどがあります。

  • その他の人気商品:ビデオゲームでは、マリオのゲーム(『スーパーマリオ オデッセイ』/『マリオカート8 デラックス』)、『Marvel's Spider-Man 2』、ゼルダのゲーム各種、『あつまれどうぶつの森』、『Madden NFL 25』が人気商品となり、ゲーム機ではXbox Series X、Nintendo Switch(有機ELモデル)、PlayStation 5、Meta Questが最も売れました。他に売れたものとしては、Dyson Airwrap(ヘアドライヤー)、メイクアップ/スキンケアセット、エスプレッソマシン、ギフトカード、ジュエリー、電動スクーター/バイク、香水/フレグランスなどがあります。

  • インフルエンサーの影響:主要なマーケティングチャネル全体を見ると、このホリデーシーズンにおいても小売販売の最大の推進力はペイドサーチであり、その収益シェアは29.7%(前年比1%増)でした。アフィリエイト/パートナー経由(SNSインフルエンサーを含む)の収益シェアは17.6%にとどまったものの、前年比6%増と顕著な成長が見られます。この成長率は、SNSからの小売トラフィック(収益シェアは約5%で前年比5.4%の増加)を上回るものです。インフルエンサーは、SNS全体と比較して9倍多く買い物客のコンバージョン(インフルエンサーのコンテンツを見て購入する個人)をもたらしています。アドビの調査では、Z世代の回答者の37%がインフルエンサーの推奨に基づいて何かを購入した経験があると回答しています。

  • 商品の駐車場受け取りサービス:このサービスを提供している小売業者では、オンライン注文の17.5%でこのフルフィルメント方式が利用されました(2023年の18.4%から減少)。このシーズンでは利用が減少したものの、依然として多くの買い物客が、迅速かつ便利なこのサービスに価値を見出しています。今シーズンでは、12月23日(クリスマスイブの前日)に駐車場受け取りサービスの利用がピークに達し、オンライン注文の37.8%を占めました。ギフトの配送の遅れを心配した買い物客が、確実に受け取れるこのサービスを利用したためです。

  • サイバーウィークのまとめ:今シーズンは、前年比8.2%増の411億ドルを売り上げた好調なサイバーウィーク(感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間)に後押しされました。また、12月2日のサイバーマンデーは、今シーズンだけでなく年間を通じた最大のオンラインショッピングの日であり、前年比7.3%増の133億ドルの売上を記録しました。しかし、早期の値引きで購入に至った消費者により、11月28日の感謝祭(61億ドル、前年比8.8%増)と11月29日のブラックフライデー(108億ドル、前年比10.2%増)ではより高い成長を示しています。

インフレの影響

オンライン消費の好調は、商品価格の上昇ではなく、新規の需要増加がもたらしたものです。アドビデジタル物価指数によると、Eコマース価格は27か月連続で下落しています(2024年11月は前年同月比2.6%減)。アドビの数字はインフレ調整されていませんが、もしオンラインデフレが考慮されていれば、消費者支出総額はさらに高い伸びを示すでしょう。

*デジタルコマース360トップ500レポート(2024年)より

**調査期間:2024年9月2日~9月9日

■「アドビ」について

アドビはデジタル体験を通じて世界に変革をもたらします。

アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html)をご覧ください。

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
大崎1-11-2 ゲートシティ大崎 イーストタワー19F
電話番号
03-5740-2622
代表者名
中井陽子
上場
海外市場
資本金
1億8000万円
設立
1992年03月