三菱造船、萩海運向け旅客船兼自動車渡船の命名・進水式を下関で実施
山口県萩市と同市内の離島を結ぶ「あいしま」
◆ 130人の旅客に加え、コンテナ10個または車両2台を積載可能、萩~相島航路の旅客・貨物・車両運送を担う
三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は29日、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構ならびに萩海運有限会社(本社:山口県萩市、以下、萩海運)から受注して建造中である旅客船兼自動車渡船の命名・進水式を、山口県下関市の三菱重工業下関造船所江浦工場で行いました。
山口県萩市と同市内の離島・相島を結ぶ萩~相島航路に就航予定の本船は「あいしま」と名付けられ、式典では、萩海運の田中 文夫代表取締役による命名と支綱切断が執り行われました。本船は今後、艤装工事、試運転などを経て2023年7月に萩海運へ引き渡された後、1990年から現在まで活躍する三菱重工業下関造船所製の現行船「つばき2」の代替船として就航する予定です。
全長約37.7m、幅8.3m、総トン数約199トン、旅客定員数130人の本船は、コンテナ10個または車両2台(2トントラック1台と普通小型乗用車1台)を積載可能です。船尾端には港内可動橋との取り合い設備を設けることで、車両を直接乗り入れて作業ができるロールオン・ロールオフ方式荷役を可能としています。また、車いすによる乗下船が可能なバリアフリー通路も確保しており、荷役時間の短縮と利便性の向上を図っています。
さらに、エンジン2機、プロペラ2基、舵2枚の2機2軸2舵方式により、万一の故障時にも片方のエンジンで航行可能としているほか、新船型(垂直船首)を採用して推進性能の向上を図っています。他にも、横方向の推進力を得る動力装置(プロペラ)のバウスラスタおよび旋回能力に優れた特殊舵(可動フラップ付)2枚の装備により、良好な港内操船能力を有しています。加えて、横揺れを低減するフィンスタビライザーを装備して乗り心地を改善しています。室内旅客スペースには、リクライニング仕様の椅子席とクッション付き背もたれがあるフロアー席があり、専用トイレを含むバリアフリー対応設備を設けています。
三菱造船は今後も、燃費性能や居住性に優れ、離島の生活に欠かすことのできない海上交通の重要手段である旅客船兼自動車渡船の建造を通じて、より快適かつ利便性の高い社会の実現に貢献していきます。
■新船と現行船の比較
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