フィリピン マニラMRT 3号線のメンテナンス事業継続について
~信頼性の高いメンテナンスサービスを通じてフィリピンの社会課題の解決に貢献~
三菱重工業株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長CEO:泉澤 清次、以下「三菱重工」)、三菱重工グループのTES Philippines Inc.(以下「TESP」、2社を合わせて以下「三菱重工グループ」)および住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:兵頭 誠之、以下「住友商事」)は、フィリピン共和国運輸省(以下「DOTr」)との契約のもと、フィリピン共和国マニラ都市圏における都市鉄道Manila Metro Rail Transit System 3(以下「MRT 3号線」)のメンテナンス事業を行っています。今般、三菱重工グループと住友商事は、2023年6月から2025年7月までの26ヵ月間、メンテナンス事業を延長することでDOTrと合意し、契約(以下「本契約」)締結に至りました。
本契約では、本線メンテナンスに加え、他路線の乗り入れもある共通駅への軌道延伸・信号機器の設置、1編成当たりの車両数増(3両編成から4両編成)に必要な待避線の拡張といった工事を含んでおり、契約範囲を拡大しています。
三菱重工グループと住友商事は、日本政府が目指す「質の高いインフラ輸出拡大」に合致した本案件の推進を通じて、今後も日本の技術力を結集したマニラの交通ネットワーク強化に取り組みます。
■MRT3号線について
MRT3号線は、マニラの主要幹線道路であるエドサ通り沿いを走る都市鉄道です。日本企業による初の海外都市鉄道建設プロジェクトとして、三菱重工グループと住友商事が、高架構造物、駅、軌道、信号、通信、変電設備、架線、車両基地、電車を含む全長17キロメートル、総駅数13駅の都市交通システム一式を建設しました。2000年の全線開業後、MRT3号線は20年以上にわたりマニラ市民の移動手段として活用されています。
■MRT3号線のメンテナンス事業
全線が開業した2000年からTESPと住友商事がメンテナンス契約を請け負っていましたが、契約が終了した2012年以降は、システムの老朽化や予備品調達の停滞などの事由により運行編成数が減少し、システムの稼働率が著しく低下していました。DOTrからの要請を受け、2019年に再び、三菱重工グループと住友商事が改修およびメンテナンス事業を受注し、日本政府による円借款供与のサポートも得て、稼働率が低下した車両や都市交通設備一式を通常運行を妨げることなく大規模改修しました。2023年2月までに全72両の解体検査を完了し、運行速度は時速30キロメートルから時速60キロメートルに、営業投入編成数は10~15編成から18~20編成に改善、同路線の稼働率向上と安全かつ安定した運行が可能な路線への復旧を実現しました。また、改修完了後も高い稼働率を維持するためのメンテナンスを継続的に行っています。
■三菱重工グループおよび住友商事の取り組み意義
三菱重工グループは、CO2を排出しないクリーンな輸送手段である交通システムの納入を通じ、マニラを始めとした世界各地の経済発展、交通利便性向上といった地域課題への対応と解決策の提供ならびにカーボンニュートラル社会の実現を目指していきます。また、TESPを通じてアフターサービスとローカライゼーションを強化し、顧客ニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供するとともに、世界各国の既存サービス拠点と連携し、設備更新工事やデジタル・AI技術を取り入れた先進的で質の高い新サービスを提案していきます。
住友商事は、これまでにアジア、北米を中心に多くの鉄道建設、車両輸出を手掛けてきました。特にマニラ都市圏では、本案件の他、複数の既存路線(LRT1号線、LRT2号線)でも受注・履行実績があり、LRT1号線の運営にも参画しています。これらの取り組みは、人口集中による深刻な交通渋滞が1日約35億ペソ(日本円にして約80億円)もの経済的損失を生むともいわれるマニラの大気汚染改善と経済的損失削減を実現するものであり、引き続き、同国の持続的成長や脱炭素社会の実現に貢献していきます。
三菱重工グループと住友商事は本案件を通じて、フィリピンの市民に向けて、安心・安全で安価な利便性の高い移動手段を提供することで、同国が抱える社会課題を解決するとともに、生活する人々の暮らしの豊かさと、同国のさらなる発展に貢献していきます。
■三菱重工業株式会社
ウェブサイト:https://www.mhi.com/jp/
オンラインマガジン「SPECTRA」(日本語):https://spectra.mhi.com/jp
公式Twitter:@MHI_GroupJP
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