刊行前に重版決定!!『ぼけますから、よろしくお願いします』の待望の続編が3月16日に発売!
ひとり娘が認知症の母と老老介護の父の絆を記録した前作から3年。両親のその後を描いた続編『ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえりお母さん』が刊行前に重版決定しました。
ドキュメンタリー映像作家の著者が記録し続けた両親の映像から生まれた映画は、「ほろっとしてほっこり」と大反響!コロナ禍にもかかわらず、ドキュメンタリーとしては異例の20万人を動員しました。映像に映らなかった一人娘の胸中をありのままに綴った前著から3年、脳梗塞で倒れた母と変わらぬ愛で支え続ける父のその後を書き下ろした『ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえりお母さん』を3月16日、新潮社より刊行いたします。情報が解禁されるや、書店や図書館からの注文が相次ぎ、このたび異例の事前重版が決定いたしました。
「ぼけますから、よろしくお願いします」
――これは、認知症を患う母・文子さんが、元旦に新年のあいさつとして著者に言った言葉です。言葉の通り、ユーモアにあふれ、また絵に描いたような良妻賢母だった文子さんが認知症診断を受けたのは85歳の時。以来、それまで一切家事に手を出さなかった父・良則さん93歳が妻に代わってすべてを取り仕切るようになりました。ただでさえ耳の遠い高齢の父に、映像作家として東京で暮らす一人娘の著者は、自分が帰って一緒に母を看たほうがいいかと尋ねます。
「おっ母のことはわしが看る。あんたはあんたの仕事をしたほうがええわい」
気丈な返事に、時間が許す限り帰省する遠距離介護を決心した著者でした。
実は、20年以上にわたって帰省の度に両親の様子をハンディカメラで記録し続けている著者の手元には、20歳若い頃からの二人の様子も映像で残っています。やがて老いが忍び寄り、認知症になった母には徐々に異変や不穏な言動が増えていきます。それを見守りながらも、妻の異常も特別なことではなく「年を取ったんだから仕方ない」と深い愛情で受け入れる父のかいがいしい介護生活も克明に記録されました。
この映像が仕事先のフジテレビADの目に留まり、認知症になる前と後の映像が残っているのはすごいと「Mr.サンデー」で放映されたところ大反響。2018年に冒頭の文子さんの言葉をそのままタイトルにして映画化されました。
単館から始まった映画の観客動員数は20万人超え。
どの会場でも泣き笑いの静かな波が巻き起こり、口コミで話題になり全国に広まりました。
著者は監督であると共に、この映画ではナレーターも務めます。淡々とした言葉で、あまり多くは語っていません。そのわけは「ナレーションは控えめに。見た人が、場面場面をそのまま感じ、それぞれの思いを馳せてほしい」と考えたからだそうです。
文子さんが「お母さん、おかしいよね? おかしくなったよね」「どうしてわからなくなるのかね」とうつろな瞳でつぶやく様子。そして、かつては完璧な家事を心掛けていたはずが溜めに溜めた洗濯物の山に突っ伏して寝てしまう姿、さらにその妻をひょいっとまたいでトイレに急ぐ良則さん。腰の曲がった良則さんが買い物をしすぎて難儀そうに家に向かう帰り道……。認知症になった人とその連れ合いの日常が、娘ならではのあたたかい視点で映画に映し出されました。
一方、その映像を撮っている時、「認知症の人は何もわからなくなるんじゃない。『どうしてわからないんだろう』と本人が一番苦しんでいる」、「母の情けない姿もすでに父には当たり前であり、『なんてことはない』とひょいっと受け流しちゃうんだ」「重い荷物を持った年寄りを、手伝いもせずカメラで撮ってるなんて、人が見たらなんて娘だと思われるに違いない」……と著者が感じていた心情を赤裸々に書き綴ったのが、映画と同名の単行本『ぼけますから、よろしくお願いします。』(新潮社刊)でした。
実は、前作の映画上映開始を待たずに、母・文子さんは自宅で倒れ、救急搬送。脳梗塞と診断されてそのまま入院し、リハビリができるまで回復するも、再度の脳梗塞で寝たきりとなってしまいました。文子さんの帰宅を信じて毎日面会に通い、「おっ母、はよ帰って来いよ」と励まし続けた父・良則さんと、著者。そして、そんな状況にコロナ禍が追い打ちをかけます。面会禁止が続く中、2020月6月に感染が小康状態になり、短時間面会が可能になった時期を待っていたように、文子さんが危篤に。そこから2週間ほど持ちこたえたものの6月14日早朝、惜しまれて永眠、91歳でした。短い時間ではありましたが、面会が叶っていたことで、良則さんと著者は存分に文子さんとお別れができたと言います。
小さくなって自宅に戻ってきた文子さんの仏壇の前に座ったとき、涙より「おかえり、お母さん。えかったね、またお父さんと暮らせて」という言葉が、著者の口を突いて出たそうです。
文子さんの入院後、著者は2020年4月から地元紙・中国新聞で連載コラム執筆を開始しました。当初、週1回2か月ほどだった連載は大人気となり、終了まで66回続きました。母の認知症発症から看取りまでを、今一度、噛みしめるように書いた介護ノンフィクションとして、大幅に加筆された見事に老老介護を成し遂げた父に関する章と併せて単行本化したのが『ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえりお母さん』です。3月16日発売を待たずに事前重版がかかる待望の続編となっています。
続篇の映画も、3月25日より上映されます。こちらのタイトルも「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」。
「映画で語れなかったことが書籍で語れ、書籍を読んだ人が映画も見てくれた」
とは著者の感想です。カメラを覗いていた著者の「その時」の胸中を、ぜひ続編で感じてください。
2021年9月の時点で、日本の高齢者(65歳以上のひと)は3640万人(全人口の29.1%)です。2012年には460万人(高齢者の15%)だった認知症患者の数は、2020年に602万人(16.7%)、高齢者の6人にひとりが発症するようになり、2050年には5人に1人まで増えるとみられています。そのような時代に、本作は、誰もが他人事ではいられない「高齢化」のリアルを具体的に、かつあたたかく描き出す感動作です。
■一言で内容を紹介
認知症になったあと脳梗塞で入院した母に、変わらぬ愛を注ぐ98歳の父。遠距離介護を続ける娘が書きとめた夫婦の絆、待望の続編。
■著者紹介
1961年広島県呉市生まれ。東京大学文学部卒。森永製菓入社後、「グリコ森永事件」当時に広告部社員として取材を受けたことがきっかけで、映像制作に興味を持ち転職。制作プロダクションを経て2019年10月現在はフリー。主にフジテレビでドキュメンタリー番組を手がける。「仕事が恋人」を公言し独身。2005年子宮筋腫により子宮摘出手術、2006年インド旅行中に列車事故で重傷、2007年乳がんを発症など波乱の人生。乳がんの経験はセルフドキュメント「おっぱいと東京タワー〜私の乳がん日記」(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)として放映。
■書籍データ
【タイトル】『ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえりお母さん』
【著者名】信友直子
【発売日】2022年3月15日
【造本】四六版ソフトカバー
【本体定価】1450円(税込)
【ISBN】978-4-10-352942-2
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/352942/
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