訪日外国人旅行者が訪れる桜の名所を分析

インバウンド客の滞在データから、桜の名所ランキング 地域別TOP3を発表

株式会社ナビタイムジャパン

株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西 啓介、本社:東京都港区)のNAVITIMEデータ分析チームは、訪日外国人旅行者向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況から、訪日外国人旅行者が訪れる桜の名所の分析結果を発表いたします。

春の桜シーズンは訪日需要が最も高まる時期の一つで、JNTOの発表によると2025年4月には訪日外客数が単月過去最高の390万人を突破しました。訪日外国人旅行者に人気の桜の名所や、全国各地でどのように桜を楽しんでいるのか、ナビタイムジャパンの訪日外国人旅行者向けのナビゲーションアプリのデータをもとに、その実態を分析しました。

<分析内容>
・訪日外国人旅行者の桜の名所訪問者数 地域別TOP3
・桜の名所別の周遊状況の分析
 - 北海道/東北エリア:盛岡城跡公園【岩手公園】(岩手県盛岡市)
 - 北陸エリア:松川べりの桜並木(富山県富山市)
 - 四国エリア:栗林公園(香川県高松市)
 - 九州/沖縄エリア:水前寺成趣園(熊本県熊本市)

集計期間:2025年3月1日~2025年5月31日

分析対象:ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人旅行者観光客向けナビゲーションアプリ(『Japan Travel by NAVITIME』)から同意を得て取得したインバウンドGPSデータと属性アンケートを用いて集計しています。

※本分析が指す「桜の名所」は、ナビタイムジャパンが収集・整備しているスポットデータのうち、カテゴリに「桜の名所」を設定しているものを対象としています。
※桜の名所への「訪問」の定義は、「桜の名所」スポットの代表点から半径250m以内のエリア内に、15分以上連続して測位が確認された状態です。
※本分析における「地域」は、北海道/東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州/沖縄エリアの8つの区分を指します。それぞれについて、以下の都道府県が含まれます。
北海道/東北エリア:北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関東エリア:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
北陸エリア:新潟県、富山県、石川県、福井県
中部エリア:長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿エリア:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国エリア:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国エリア:徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州/沖縄エリア:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
※「滞在」の定義は、30分以上同一1kmメッシュ内で測位が確認された状態です。

■分析結果

訪日外国人旅行者の桜の名所訪問者数 地域別TOP3

まず、2025年3月1日〜5月31日の期間における、訪日外国人旅行者の訪問者数にもとづく桜の名所ランキングを地域別に集計しました。全体として、お城などの歴史的建造物や庭園と桜の組み合わせや、都市部にある桜の名所となる公園が上位を占める傾向が見られました。

各地域で1位となった桜の名所は以下の通りです。

・北海道/東北エリア1位:弘前公園(青森県弘前市)
4月に特に訪問者数の伸びが確認できました。弘前市によると「ハートに見える桜(通称:桜のハート)が口コミで人気を集めており、インバウンドのお客様に『手前にある2本の夫婦の木から桜のハートが見えるんですね』とコメントをいただけるなど、好評を博している」とのことです。

・関東エリア1位:上野恩賜公園(東京都台東区)
桜の季節に限らず、国内外から多くの観光客が訪れるスポットですが、上野公園管理所によると、「通訳ボランティアでの現地案内で、お花見ができる環境整備もされており、実際に約4,500名の外国人旅行者の方が桜の開花時期に通訳を利用された」とのことです。

・北陸エリア1位:兼六園(石川県金沢市)
特別名勝の一つで、四季を通じて様々な風景が楽しめる人気のスポットですが、桜の時期にも多くの旅行者が訪れていることがうかがえます。

・中部エリア1位:中橋(岐阜県高山市)
高山市内の中心部を流れる宮川にかかる赤い橋で、桜とのコントラストが美しく、飛騨・美濃さくら三十三選にも選ばれています。金沢市や白川村といった近隣観光地だけでなく、東京・京都・大阪といったゴールデンルートとあわせて訪れていることが確認できました。

・近畿エリア1位:清水寺(京都府京都市)
年間を通して人気のスポットですが、桜のシーズンにも多くの外国人旅行者の方が訪れていることが確認できました。

・中国エリア1位:平和記念公園(広島県広島市)
特に欧米豪の旅行者を中心に、桜のシーズンにも多くの旅行者に訪問されていることが確認できました。

・四国エリア1位:栗林公園(香川県高松市)
特別名勝の一つで、桜の満開時期には夜のライトアップも行われています。香川県観光協会によると、「栗林公園のある高松市の高松空港では、特に台湾や韓国、中国などアジア各国との直行便が多いという点も、インバウンドの増加の要因と思われる」とのことです。

・九州/沖縄エリア1位:勝山公園(小倉城)(福岡県北九州市)
小倉城と桜の組み合わせが楽しめることで外国人旅行者にも人気を集めていることが、滞在データから確認できます。

桜の名所別の周遊状況の分析

訪日外国人旅行者の桜の名所訪問者数 地域別TOP3のランキングから、滞在傾向に特長が見られた、以下4つの桜の名所について、来訪者が他にどこへ訪れているかを分析しました。

北海道/東北エリア3位:盛岡城跡公園【岩手公園】(岩手県盛岡市)
盛岡城跡公園【岩手公園】周辺の滞在地を確認すると、盛岡城跡公園と合わせて桜の名所である石割桜への滞在がうかがえます。

盛岡城跡公園【岩手公園】へ訪問した外国人旅行者があわせて滞在した東北エリアの市区町村を確認すると、青森市、弘前市、山形市、仙台市といった新幹線駅のある市区町村と、仙北市での滞在が見られます。

弘前市について滞在地を確認したところ、弘前公園(北海道/東北エリア1位)への滞在が見られました。

写真:弘前公園「桜のハート」(青森県弘前市)

仙北市の滞在地を確認したところ、同じく桜の名所である角館武家屋敷通りや桧木内川堤での滞在が見られ、盛岡城跡公園【岩手公園】を訪れた人が、東北エリアの他の桜の名所もあわせて訪問している様子がうかがえます。

北陸エリア2位: 松川べりの桜並木(富山県富山市)
富山県の松川べりの桜並木の訪問者の動向を確認すると、同じく桜の名所である富山城址公園にも滞在が見られます。

松川べりの桜並木について月別の訪問者数の推移を確認すると、4月が突出して多く、平常時のおよそ4倍の訪問が見られました。また、松川べりの桜並木を訪れた訪日外国人旅行者をアジア/欧米豪の市場別に確認したところ、アジアからの旅行者が多く訪れていることがうかがえます。

次に、松川べりの桜並木へ訪問した外国人旅行者があわせて滞在した北陸エリアの市区町村を確認すると、金沢市や高山市、高岡市といった近隣の各市もあわせて訪れている様子が見られます。

金沢市での滞在地を確認すると、金沢駅前や近江町市場に加え、兼六園(北陸エリア1位)への滞在が見られました。

高山市での滞在地を確認すると、中橋(中部エリア1位)や、飛騨高山の古い町並への滞在が確認できます。

高岡市での滞在地を見てみると、高岡大仏への滞在が確認されました。松川べりの桜並木は、北陸エリアの観光地や、他の桜の名所とあわせて訪れられていることが推察されます。

四国エリア1位:栗林公園(香川県高松市)

写真:栗林公園(香川県高松市)

栗林公園を訪れた外国人旅行者の滞在市区町村をアジア/欧米豪の市場別に確認したところ、アジアからの旅行者は、倉敷市、小豆島町、松山市といった瀬戸内近隣を周遊する傾向がある一方で、欧米豪からの旅行者は、東京23区、大阪市、京都市、広島市といったゴールデンルートとあわせて滞在する傾向が見られました。

アジア・欧米豪ともに滞在が確認できた岡山市について詳細な滞在地を確認したところ、岡山後楽園(中国エリア3位)への滞在が見られました。

九州/沖縄エリア2位:水前寺成趣園(熊本県熊本市)
水前寺成趣園を訪れた外国人旅行者の付近の滞在地を見ると、熊本城周辺への滞在が確認できました。

水前寺成趣園の滞在者が他に訪れた市区町村を見てみると、熊本県外へも足を延ばしており、福岡市や阿蘇市、別府市などの九州の各市とあわせて滞在が確認できます。

福岡市での滞在地を確認すると、舞鶴公園(九州/沖縄エリア3位)への滞在が見られました。
福岡市経済観光文化局によると、「舞鶴公園のエリア内にある市営観光案内施設の桜の開花期間中の来館者数は、前月までと比較して日本人来場者はもちろん、訪日外国人観光客も増加していた」とのことです。

また、阿蘇市・南阿蘇村での滞在地を確認すると、草千里ヶ浜や中岳付近での滞在が見られます。

別府市での滞在地を確認すると、地獄めぐりで知られる鉄輪・亀川にある地獄地帯や別府駅前での滞在が見られます。水前寺成趣園を起点に、多様な九州の魅力を楽しんでいる様子がうかがえます。

ナビタイムジャパンのNAVITIMEデータ分析チームでは、訪日外国人旅行者の動態を明らかにする行動データ分析を通じて、日本各地の様々な魅力の発掘や地域の活性化に貢献できればと考えています。

●NAVITIMEデータ分析チームについて

ナビタイムジャパンの移動データ事業部データ分析チームでは、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析を行っています。

(HP:https://data.navitime.co.jp/

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●「インバウンドGPS」データについて

「インバウンドGPS」データとは、ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』にてユーザーの同意を得て取得された、訪日外国人観光客の移動に関するデータです。

●画像提供(敬称略)

・弘前公園「桜のハート」:弘前市

・中橋:(一社)飛騨・高山観光コンベンション協会

・清水寺:清水寺寺務所

・平和記念公園:広島市

・栗林公園:(公社)香川県観光協会

「NAVITIME」「インバウンドGPS」は、株式会社ナビタイムジャパンの商標または登録商標です。

その他、記載されている会社名や商品名等は、各社の商標又は登録商標です。

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上場
未上場
資本金
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設立
2000年03月