食品ロス削減に寄与する損害防止サービス開発に向けた実証実験の開始

損害保険ジャパン株式会社

2025年3月26日 16時00分

　損害保険ジャパン株式会社（代表取締役社長：石川耕治、以下「損保ジャパン」）およびＳＯＭＰＯリスクマネジメント株式会社（代表取締役社長：中嶋陽二、以下「ＳＯＭＰＯリスク」は、食品ロス削減に寄与する損害防止サービスの開発に向けた実証実験を開始しました。

１．背景

　日本では年間約４７２万トンの食品が廃棄されており、食品業界が抱える大きな課題となっています。

　また、世界的にも食品ロスは解消すべき課題であり、SDGｓ１２－３において、２０３０年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品ロスを半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させることが定められています。

　損保ジャパンは２０１９年度に「食品ロス削減に寄与する費用保険※１」の販売を開始し、食品輸送中の事故により市場価値がなくなったと判断された食品の寄贈にかかる費用を補償する等、食品ロスの課題に対して取り組んできました。

　このたび、本取組みをさらに加速すべく、食品ロス削減に寄与する損害防止サービスを開発するため、物流業務を支援するアプリ「CargoNote※２」を提供するSYMPHONY CREATIVE SOLUTIONS PTE. LTD.（Managing Director：北裕次、以下「SYMPHONY」）と実証実験を開始しました。

　SYMPHONYの強みである物流業務の標準化・可視化と損保ジャパンとＳＯＭＰＯリスクの強みである物流リスクの分析・軽減に向けた取組みの発揮により、さらなる食品ロス削減の達成に貢献します。

　※１　【業界初】食品ロス削減に寄与する費用保険の販売開始

　　　　https://www.sompo-japan.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2019/20191118_1.pdf

　※２　物流現場におけるワークフロー管理や点検、レポーティングをスマートフォンを使って支援するアプリ

https://cargonote.app/ja

２．概要

　大規模な食品ロスにつながる保険事故の一例として、コンテナの穴あきによる水濡れ損害や、リーファーコンテナへの過剰な積載による解凍損害などがあげられます。

　これらの事故は、コンテナの外観チェックや積込チェックを実施することで未然に防ぐことができます。一方で、多くのメーカーは仕入国やサプライヤーも多岐に渡ることから、標準的なチェックポイントを持ち合わせず、またチェックが徹底できていない実態があります。

　本実証実験では、SYMPHONYはスマホアプリであるCargoNoteをメーカーなどの荷主や運送人に提供し、物流現場での輸入貨物のコンテナへの積み込みやコンテナからの取り出し時の各種業務に応じたワークフローを設定することで現場業務の標準化を支援します。ＳＯＭＰＯリスクは過去の保険金支払データを活用し、事故削減につながるワークフロー設定をサポートします。損保ジャパンは事故の削減状況を適宜共有し、標準化した業務の定着状況も踏まえた改善を助言します。

　各メーカーは、CargoNote上の写真レポートの活用により、運送人の責任の明確化や再発防止に向けた協議を通じて、食品ロスにつながる保険事故の削減を目指します。

＜CargoNote活用のイメージ＞