新型コロナウイルス感染拡大の影響で続く、「患者数の減少」「処方日数の増加」 10歳未満の受診は45%減、シニア層は微減にとどまる

~JMIRI処方情報データベースにおける調査より~

インテージグループで医療情報サービスを手がける株式会社医療情報総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:時田悟、以下JMIRI)は、独自に運用する「JMIRI処方情報データベース」の2020年4月データを基に、新型コロナウイルスの感染拡大が処方箋データに与えた影響を調査・分析しました。「第3報」として発表します。


1.強まる長期処方の傾向。患者数は大幅減

処方データを分析すると、4月の一回あたりの処方日数は前年比18%増(118%)、患者数は16%減(84%)となりました。政府が4月7日に「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」(以下 緊急事態宣言)を行ったことに伴い、長期処方、医療機関への受診を控える傾向は、3月に引き続き強まっているようです。
 



2.耳鼻咽喉科・小児科は患者数が約40%

患者数を診療科別に見てみると、前年同月に比べて耳鼻咽喉科と小児科が大きく減少しました。特に、耳鼻咽喉科では外出自粛の継続や花粉の飛散量の減少などが、患者数の減少に影響していると考えられます。一方、精神科、循環器科、糖尿病内科など、定期的な通院が必要な患者が多いと考えられる科は、あまり変化が見られませんでした。
 



3.10歳未満の受診45減の一方、シニア層微減にとどまる

さらに、患者数の前年同月比を年代別に見てみると、10歳未満~10歳代は減少が顕著でした。このことから、子の受診を控えるなど、医療機関での二次感染の防止を意識した人が多かったことが考えられます。一方で、70~80歳以上では、患者数があまり減少していません。慢性疾患の罹患(りかん)率が上がる年代では、受診を控える患者が少ないことが特徴であると言えます。
 



「緊急事態宣言」は4月16日に対象地域を全国に拡大し、5月4日には一律で31日までの延長が決定されました。しかしその後、14日には39県で解除されるなど、状況は刻々と変化しています。そのため、今後の対応によって5月の処方動向が変わることが想定され、引き続き患者の動きを注視していく必要があると考えられます。

JMIRIは国内で初めて「処方箋データベース」の運用を開始し、14年間のデータを用いて迅速な解析データの提供を行っています。今後も、新型コロナウイルス感染症に関連する患者動向を発信していきます。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社医療情報総合研究所

データソリューション統括部 梅田、鹿島田(かしまだ)
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株式会社医療情報総合研究所 会社概要
会社名:株式会社医療情報総合研究所(略称:JMIRI/ジェイミリ)
所在地:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ13階
代表者:代表取締役社長 時田 悟
設立日:2005年7月14日
資本金:1億8,825万円(株式会社インテージヘルスケア100%出資)
事業内容:
当社は2005年に設立以来、「患者中心の医療・健康情報ネットワークに基づく患者指向のマーケティング支援」をコンセプトに、医療情報(処方情報、患者情報、医師・薬剤師の声)の収集、解析、および提供・販売を行っております。
「処方情報分析サービス」、「患者・薬剤師・医師調査サービス」、「調剤薬局などでの疾患啓発サービス」を主力サービスとして提供いたします。
基盤サービス商品である「処方情報分析サービス」は、複数の調剤薬局企業から定期的に取得した処方データを処方情報データベースとして整備し、当社が独自に分析・加工した上で、顧客企業に対して迅速かつ継続的に薬剤の処方動向について情報提供を行うサービスであり、国内屈指のサービス提供者として、数多くの製薬企業にご利用いただいております。
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東証1部
資本金
16億8140万円
設立
1960年03月