アストラゼネカの切除不能局所進行非小細胞肺がん患者調査 62名のうち8割以上の患者さんが根治的化学放射線療法の直後であっても再発に対する不安を感じていた

再発に不安を感じていた人のうち、4人に1人は時間が経過しても再発に対する不安が和らぐことはなかったと回答

アストラゼネカ株式会社

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、診断から5年未満かつ手術を受けていないステージIIIの肺がん患者さんのうち、初回治療で化学放射線療法を受けた、あるいは受けていないが検討したことがある62名を対象に、治療前後に抱く不安や心情について調べるインターネット調査(以下、本調査)を実施しました。本調査から、化学放射線療法を受けた後でも、再発に対する不安を感じる患者さんが8割を超え、このうち4人に1人の方は時間が経過しても再発に対する不安が残り続けることが示されました。

肺がんは日本人の部位別のがん死亡数がもっとも多いがんであり、ステージIIIの5年生存率は28.6%です(1,2)。ステージIIIの肺がんは根治を目指した治療となり、一部(ステージIIIA)は切除手術が行われますが、切除手術ができない場合は化学放射線療法が標準治療となります(3)。

≪調査結果サマリー≫

  1. 化学放射線療法を受けるかどうかを決める際に参考とした情報源は「医師からの説明」が96.8%と大半を占めた。

  2. 化学放射線療法を受けると決めた理由は多岐にわたり、「医師の勧め」のほか、「治療効果への期待」「手術の難しさ」「選択肢の制約」などの理由が挙げられた。

  3. 化学放射線療法を受けた患者さんの41%はつらい治療であると感じた一方で、治療選択したことを後悔していないと回答した患者さんは94.8%に上った。

  4. 根治目的の化学放射線療法後、再発に対して不安を感じている患者さんは84.6%であり、治療直後に不安を感じていた患者さんの24.2%が、再発に対する不安を変わらずに持ち続けていた。

調査概要:初回治療として化学放射線療法を受けた、あるいは受けていないが検討したことがある

肺がん患者さんの治療前後に抱く不安や心情を把握するためのインターネット調査

調査期間:2024年12月11日(水)~2024年12月31日(火)

調査対象:診断から5年未満かつ手術を受けていないステージIIIの肺がん患者さん 62名

初回治療で化学放射線療法を受けた方 39名

受けていないが検討したことがある肺がん患者さん 23名

調査方法:インターネット調査(調査委託先:株式会社メディリード)

調査監修:加藤 晃史先生(神奈川県立がんセンター 呼吸器内科)

     原田 英幸先生(静岡県立静岡がんセンター 放射線治療科部長)

     長谷川 一男さん(NPO法人肺がん患者の会ワンステップ 理事長)

調査結果の詳細は、こちらのURLよりご確認ください

https://www.astrazeneca.co.jp/content/dam/az-jp/press-releases/pdf/202503_nsclc.pdf

化学放射線療法を受けるかどうかを決める際に参考とした情報源は「医師からの説明」が96.8%と大半を占めた。

化学放射線療法を組み合わせた治療を受けるかどうかを決める際、参考とした情報源について伺ったところ、「医師からの説明」と回答した患者さんが96.8%と大半を占め、次いで「自身の収集した情報(書籍、インターネットなど)」(11.3%)でした。

本調査の監修医師である加藤 晃史先生(神奈川県立がんセンター 呼吸器内科)は次のように述べています。「インターネットからの情報収集が一般化し、医療者の多職種連携やShared Decision Makingが浸透しつつある現在においても、依然、医師からの情報提供が患者さんの治療方針決定に強く影響を与えている可能性が示唆されました」。

化学放射線療法を受けると決めた理由は多岐にわたり、「医師の勧め」のほか、「治療効果への期待」「手術の難しさ」「選択肢の制約」などの理由が挙げられた。

化学放射線療法を受けた患者さんに、化学放射線療法を組み合わせた治療を選択する際の決め手となった理由を聞いたところ、「担当医師の勧めで」や「根治できる」など治療効果への期待が挙げられました。

化学放射線療法を受けた患者さんの41%はつらい治療であると感じた一方で、治療選択したことを後悔していないと回答した患者さんは94.8%に上った。

化学放射線療法を受けた感想では、つらく感じたと回答した患者さんが41%(「ややつらく感じた」25.6%/「つらく感じた」15.4%の合計)でした。一方で、治療後の心境については「受けるべき治療だと思っており、治療を受けた後も後悔をすることはなかった」という回答が89.7%に上りました。この結果を受けて、本調査の監修医師である原田 英幸先生(静岡県立静岡がんセンター 放射線治療科部長)は「患者さんが治療前に、副作用を含めた治療の内容や治療の必要性を理解することが、後悔のない治療の選択につながることが示唆されました」とコメントしました。同じく本調査の監修者である長谷川 一男さん(NPO法人肺がん患者の会ワンステップ 理事長)は「患者さんが根治を目指して、継続的に積極的な治療を受ける、やれることは悔いなくやりたいと感じていることが示唆されました」と述べました。

根治目的の化学放射線療法後、再発に対して不安を感じている患者さんは84.6%であり、治療直後に不安を感じていた患者さんの24.2%が、再発に対する不安を変わらずに持ち続けていた。

化学放射線療法による治療を受けた後の気持ちについて質問したところ、84.6%の患者さんが不安を感じていたことが示されました(「治療直後は再発に対する不安を感じていたが、時間の経過とともに不安は和らいだ」64.1%/「治療直後から再発に対する不安を感じており、時間とともに和らぐことはなかった」20.5%の合計)。また、治療直後に不安を感じていた患者さんの24.2%が「治療直後から再発に対する不安を感じており、時間とともに和らぐことはなかった」と回答し、再発に対する不安を感じた患者さんの4人に1人は、化学放射線療法での治療後も不安を変わらずに持ち続けていたことが分かりました。この結果について、加藤先生は「化学放射線療法は根治を目指す治療ですが、中には根治に至らない患者さんもおられます。化学放射線療法による治療後も多くの患者さんが再発に対して不安を抱いていること、中にはその不安が継続し続ける方もいることを医療者が理解し、患者さんに寄り添って治療方針を決めることが大切だと考えます」と述べました。

以上

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肺がんについて

毎年、世界中で肺がんと診断される患者さんは240万人と推定されています(4)。肺がんは、男女ともに

がんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており(4)、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、80~85%の患者さんは最も一般的な肺がんであるNSCLCと診断されています(5,6)。また、すべてのNSCLC患者さんのうち大多数が進行がんと診断されます(7)。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について

アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界で多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References

1.国立がん研究センター がん情報サービス がん種別統計情報「肺」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/12_lung.html(2025年3月アクセス時)

2.国立がん研究センター がん情報サービス 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 肺がん 2014-2015年5年生存率 https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph#h-title(2025年3月アクセス時)

3.国立がん研究センター がん情報サービス 「肺がん 非小細胞肺がん 治療」 https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_nsclc.html (2025年3月アクセス時)

4.World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Cancer Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/15-trachea-bronchus-and-lung-fact-sheet.pdf. Accessed March 2025.

5.American Cancer Society. What Is Lung Cancer?

Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/lung-cancer/about/what-is.html. Accessed March 2025.

6.LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed March 2025.

7.González M, et al. Overall survival for early and locally advanced non-small-cell lung cancer from one institution: 2000–2017. Clin Transl Oncol. 2021;23(7):1325-1333.

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会社概要

アストラゼネカ株式会社

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業種
医療・福祉
本社所在地
大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB
電話番号
06-4802-3600
代表者名
堀井 貴史
上場
未上場
資本金
-
設立
1975年04月