日立、ドイツのデータ・AIサービス企業synvertの獲得に合意し、Agentic AIからPhysical AIまで開発を加速、HMAXのグローバル事業拡大

GlobalLogicのデータ&コンサルティングのケイパビリティ強化、欧州・中東のフットプリント拡大

株式会社 日立製作所

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に向け、真のOne Hitachiとして社会インフラを進化させるために、ドメインナレッジで強化されたAIを加速させる事業ポートフォリオの強化を推進しています。今回、日立グループは、日立の米国子会社であるGlobalLogic Inc.(以下、GlobalLogic)の100%子会社として、ドイツ語圏で創業者主導のテクノロジー企業に特化した大手プライベート・エクイティファンドであるMaxburgから、ドイツ連邦共和国(以下、ドイツ)に本社を置くsynvert(シンバート)の買収を決定しました。本買収は、Agentic AIやPhysical AIを通じて、運用の自律化やビジネスモデルの革新を推進し、AI時代におけるお客さまや社会の課題解決をめざす日立のソリューション群であるHMAX の展開強化を目的としています。

 synvertは、データとAI領域における有力なコンサルティングファームです。AIを活用したビジネスデザインやデータのアクセス・ガバナンス、統合、運用などに高度な専門性を持ち、200社以上のお客さまの価値創出やデータドリブンな変革を支援しています。また、DatabricksやSnowflakeといった主要なクラウド・データプラットフォームベンダーに加え、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの大手パブリッククラウドベンダーとも強力なパートナーシップを築いています。

 買収完了後、synvertはGlobalLogicのAIやデジタルエンジニアリング分野における高度なケイパビリティを補完し、企業のデータバリューチェーン全体にわたるEnd to Endの強みを加えることで、Agentic AIおよびPhysical AIの開発をさらに加速させます。また、synvertのドイツおよびスイス、スペイン、ポルトガル、中東における強力なプレゼンスは、Hitachi RailやHitachi Energyとの協創を通じて、HMAXの市場拡大に貢献します。

 なお、本買収は、規制当局の承認を前提に2025年度末までにクロージングする予定です。


デジタルシステム&サービスセクターがけん引する日立のAI戦略

 Lumada 3.0のビジョンのもとで日立のAI戦略をけん引しているデジタルシステム&サービスセクターは、生成AIから、複雑なタスクを自律的に実行するためにツールを調整するAgentic AI、そして現在は、インテリジェントシステムがロボティクスやIoTデバイスを通じて現実世界と相互作用し、制御するPhysical AIへと進化を推進しています。

 日立のAI CoEは、日立グループ全体でミッションクリティカルな領域も含めたさまざまな業務において1,000件以上の生成AIのユースケースを創出し、その成果をお客さまにも提供してきました。また、Agentic AIについては、日立の中で、経営層、バックオフィス、フロントラインワーカー、エンジニアなどレイヤーごとに、経営リスク分析や保守高度化、SI効率化などさまざまな用途で活用を進めており、グローバルで200件以上の運用実績を積み重ねています。

synvert獲得の意義

 synvertの買収により、日立のお客さまは、プラットフォームを中心とした設計や高度に標準化されたMLOps(機械学習の運用管理)をすぐに活用できるようになります。これにより、AIの導入から価値創出までの時間が短縮されるほか、AIの安全性を確保しながら柔軟に拡張できるようになります。また、運用管理サービスを追加することで、システムの強靭性が高まり、総コストも削減できます。

 Agentic AIが進化し、膨大で変化するデータをもとに自律的な意思決定や業務の自動化が進む中、企業向けの先進的なデータ基盤の重要性がますます高まっています。synvertには、データガバナンスやデータプラットフォームの設計、高度な分析に精通した550名以上の専門家が在籍しており、データウェアハウスやデータレイクハウスの構築における豊富な経験を有しています。彼らのケイパビリティにより、自律型エージェントやリアルタイムで意思決定を行うシステムに必要なデータの取り込みや管理、活用がスムーズに行えます。

 さらに、synvertのデータ・AIコンサルティングの強みと、GlobalLogicのVelocityAIプラットフォームやデジタルエンジニアリングのリーダーシップを組み合わせることで、企業のデータ活用の全工程にわたる価値を拡大できます。これにより、日立はさまざまな業界で、拡張性・安全性・実運用に優れたAgentic AIやPhysical AIのソリューションを提供できる体制を整えます。

日立製作所 執行役副社長 兼 デジタルシステム&サービス統括本部長 阿部 淳のコメント

「日立は、喫緊の社会課題である輸送、電力、ガス、鉄道などの現場で働くフロントラインワーカーの人手不足の解消や知識継承などの課題解決に向け、日立自身のAIトランスフォーメーションの推進とその成果のお客さまへの還元を通じて社会イノベーションを加速しています。今回、synvertが日立グループに加入することで、synvertの卓越したデータアナリティクス・コンサルティングのケイパビリティとGlobalLogicの強力なデジタルエンジニアリングの実績を融合し、日立グループ全体のAgentic AI活用による競争力強化、さらにはPhysical AIを体現するHMAXの展開加速に寄与すると確信しています。今後、私たちは、デジタルを通じて生み出す価値をすべての人に届け、安全・安心で持続可能な社会、すなわち『ハーモナイズドソサエティ』の実現をめざしてまいります。」


GlobalLogic 社長兼最高経営責任者(CEO) Srini Shankarのコメント

「synvertをGlobalLogicに統合することは、我々のグローバル戦略において重要な役割を果たすでしょう。データ&コンサルティング能力のさらなる強化に加え、欧州・中東の地域的、小売、金融サービス、保険といった業種へのプレゼンス強化につながります。私たちは、データ駆動型AIサービスのEnd to End開発を通じて、イノベーションを迅速に提供し、Agentic AIやPhysical AIの取り組みも加速できると期待しています。」


synvert CEO兼CSO André Holhozinskyj氏のコメント

「OTやプロダクトにおける強みを有する日立グループに加入することは、synvertの成長ストーリーにおける理想的なステップです。GlobalLogicのケイパビリティや地域戦略はsynvertと親和性が非常に高く、このパートナーシップがさらなる成長を促進すると確信しています。synvertのアイデンティティは、日立グループのパーパス・ドリブンな企業文化と共鳴しており、これから両社が成し遂げる未来を楽しみにしています。」


synvertの概要

名称

synvert

所在地

ドイツ・ミュンスターを本拠とし、欧州・米国・中東にも拠点を展開

事業内容

企業のデータ戦略立案から分析基盤の構築・運用まで、持続可能なデータバリューチェーンを提供。金融、製造、保険、公共、エネルギーなど幅広い業界で3,000件以上のプロジェクト実績を有する。

従業員数

550名以上(2025年6月時点)

設立年

1991年

Webサイト                  

https://synvert.com/en-en/

代表者の役職・氏名

André Holhozinskyj


創業者主導のテクノロジー企業に特化したプライベート・エクイティファンドであるMaxburgは、synvertとの良好な関係を築いたことにより、日立グループとの戦略的取引の締結を迎えることができました。過去5年で、synvertはEMEA地域における主要なデータおよびAIサービス企業の一つへと成長し、規律ある実行力と強力なリーダーシップにより売上と収益性を約8倍に拡大しました。なお、本買収の取引条件は公表していません。

日立製作所について

 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。


GlobalLogicについて

 GlobalLogic(www.globallogic.com)は、世界の先進的な企業に対し、AIを活用した革新的な製品やプラットフォーム、デジタル体験をデザイン・構築するためのデジタルエンジニアリングパートナーです。2000年の創業以来、デジタル変革の最前線で活躍してきた当社は、現在では、エクスペリエンスデザイン、高度なエンジニアリング、AI、データの専門知識を融合することで、お客さまのAI駆動型のビジネスへの移行を加速しています。本社はシリコンバレーにあり、GlobalLogicは日立グループの一員として、株式会社日立製作所の傘下で事業を展開しています。日立は「社会イノベーション事業」を通じて、AIやテクノロジーによるイノベーションを推進し、より豊かで持続可能な社会の実現に貢献しています。


Maxburgについて

 Maxburgはミュンヘンに拠点を置くプライベート・エクイティファンドで、10億ユーロ以上の資本を運用しています。成長企業への投資を行い、優れた創業者が率いるビジネスを支援しています。主にドイツ語圏のテクノロジー・ソフトウェア、ビジネスサービス、消費財(B2B・B2C)分野に注力しており、synvertはMaltego、KGS、Starface、Tenadoに続くテクノロジー分野での5件目の売却事例です。詳しくは https://maxburg.com/en/ をご覧ください。

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会社概要

株式会社 日立製作所

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URL
http://www.hitachi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
德永 俊昭
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月