日立、Physical AIのイノベーションを加速するNVIDIA AI Factoryを発表
日立の深いOT分野の専門知識とNVIDIAの強力なアクセラレーテッドコンピューティングおよびAIソフトウェアスタックを融合
株式会社日立製作所(以下、日立)は、NVIDIA AI Factoryのリファレンスアーキテクチャに基づいた、グローバルな日立のAI Factory(以下、AI Factory)を構築することを発表しました。この集約型インフラは、日立の中核事業分野におけるPhysical AIソリューションの開発・導入を加速するために設計されています。AI Factoryの基盤を支えるのは、NVIDIA Blackwell GPU搭載のNVIDIA HGX B200システムを採用した「Hitachi iQ」、NVIDIA RTX PRO 6000 Server Edition GPUを搭載した「Hitachi iQ M Series」、さらには「NVIDIA Spectrum-X Ethernetネットワーキングプラットフォーム」で構成されています。この戦略的イニシアチブは、現実世界と相互作用するAIを創出し、社会実装するという日立のビジョンを強力に後押しします。
これにより、モビリティ、エネルギー、産業、テクノロジーの幅広い分野における複雑な課題を解決する日立のAI対応ソリューション群であるHMAXをさらに拡大することが可能になります。
この一元化されたAI Factoryは、日立のグローバルチームに対して、NVIDIAの包括的なAIプラットフォーム上で開発されたアプリケーションやAIワークフローを実行するための強力で統合されたAIコンピューティングインフラストラクチャを提供します。これには、本番環境向けのAIのための「NVIDIA AI Enterprise」、シミュレーションや産業規模の物理的に正確なデジタルツインが構築できる「NVIDIA Omniverse」が含まれています。
このインフラストラクチャにより、物理環境で、カメラやセンサーなどから情報を取得・認識、その情報から次の行動を決定するためのステップを推論し、行動できる高度なPhysical AIモデルを迅速に開発・学習することが可能になります。
本発表は、日立製作所 執行役社長兼CEO 德永俊昭が、最近行ったNVIDIAとのパートナーシップに関するコメント*1を具体化するものです。
德永は、「NVIDIA RTX PROサーバーを基盤としたHitachi iQを活用することで、日立のAIイノベーションがさらに加速します。NVIDIA RTX PROサーバーによるAI推論やPhysical AIを高速化する能力によって、デジタルツインの構築や社会インフラを含む物理的アセットの最適化が強化されるとともに、あらゆる事業活動における生産性向上といった新たな可能性を切り拓くことができます。」と述べました。
*1 NVIDIA 2025 年 9 月 03 日ニュースリリース:AI 時代に向け、業界リーダーが NVIDIA RTX PRO サーバーを活用してエンタープライズ データセンターを変革
日立のAI Factoryは、米国、EMEA(欧州、中東、アフリカ)、日本に戦略的に分散配置されており、日立のエンジニアがどこにいてもシームレスに協力し、低遅延で強力なコンピューティングリソースにアクセスできる環境を実現しています。この相互接続されたネットワークは、多様なPhysical AIのソリューションの創出を支え、産業界全体で効率性、生産性、安全性を新たなレベルへと引き上げます。本取り組みは、最先端テクノロジーを活用して社会とビジネスのイノベーションを推進するという日立のコミットメントを強化するものです。
日立の執行役副社長 兼 デジタルシステム&サービス統括本部長の阿部 淳は、「日立とNVIDIAの戦略的協業は、複雑な現実世界の課題を解決し、社会イノベーションを加速する重要なエンジンになっています。これまでにも、両社の協働により、NVIDIAのAIインフラを活用して、鉄道の運用・保守を変革する日立レールのHMAXや、日立ヴァンタラのAIソリューションポートフォリオHitachi iQ、そして日立の生成AI共通基盤を支える液冷方式のAIデータセンターなどを通じて、DXとGXの両立を実現させてきました。今回、グローバルにAI Factoryを構築することで、地域や組織を越えた『真のOne Hitachi』としての運営が可能となり、HMAXに代表されるようなPhysical AIのイノベーションを加速させるシナジーを生み出します。」と述べています。
ビジョン実現に向けて
日立は、今回のAI Factoryの構築を、Lumada 3.0のビジョン実現への重要な一歩と位置付けています。
Lumadaは、企業のデジタル変革を協創し、ビジネスや社会課題の解決を支援する日立独自の事業モデルです。これは日立が持つ豊富なドメインナレッジと技術力を活用し、AIと組み合わせてデータを価値に転換するとともに、運用コストや非効率の削減に貢献します。日立は、Lumada 3.0を構成するエンジニアリングデザイン力、プロダクト、コンサルティングサービスに示されているように、IT、OT、プロダクトの専門知識を融合できる独自の強みを生かすことで、インダストリアルAI分野で革新的なソリューションを提供し、市場をリードしています。
NVIDIA のEnterprise AI Products担当Vice PresidentであるJustin Boitano氏は、「AI Factoryは、新たな産業革命をけん引する力となり、企業のデータを、ソフトウェアと物理世界の両方で自律的に機能するインテリジェンスへと変換します。日立のAI Factoryインフラは、NVIDIAアクセラレーテッド コンピューティングとソフトウェアを活用することで、企業向けAIとPhysical AIの構築および展開において、革新的なプラットフォームを提供するでしょう。」と述べています。
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。
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