「街の豆腐店」大豆高騰でピンチ、赤字4割超えで過去最高水準 豆腐1丁に占める大豆原価、輸入品で1割超える試算に
国内「豆腐店業界」動向調査
帝国データバンクは、豆腐製造業界の現状と今後の見通しについて調査・分析を行った。
<調査結果>
「街の豆腐店」2021年度は赤字割合4割超え 市場は持ち直しも利益で苦戦
他方、損益面では苦戦が続いている。2021年度の損益が判明した豆腐店のうち、赤字の割合は42%に達し、前年度(47%)に続き2年連続で赤字の割合が4割台となった。主原料となる大豆、特に米国・カナダ産大豆の仕入価格が高騰したことで調達コストが大幅に膨らんだ一方で、スーパー向けなどでは販売価格に十分な転嫁ができず、赤字に転落するといった事例も散見された。
豆腐1丁当たりの大豆原価は1割超え 外国産大豆の価格、15年から1.7倍に
この結果、豆腐1丁当たりの販売価格に占める大豆原料価格の割合は、2022年は外国産ベースで推計12%に達した。20年までは6~7%前後で推移していたものの、21~22年にかけて急激な原価上昇がみられた。大豆価格の急激な上昇を販売価格に転嫁できない状況が鮮明となっている。
「このままでは厳しい」との声相次ぐなか、安定供給に向けた今後の動向に注目集まる
原材料高騰を受け、食品業界では値上げ機運が高まっている。上場する食品メーカー105社を対象に実施した調査では、値上げする食品数は年内に累計2万品を超えることが予想されている。一方で、豆腐などの日配品ではもともと安価なところに低価格競争が激化しており、卸先となるスーパーなどの価格交渉はハードルが高いことが長年の課題だった。
こうしたなか、豆腐メーカーなどの業界団体では昨年、スーパーなど小売業界に対し窮状を訴える文書を14年ぶりに連名で打ち出した。原料となる大豆価格に加え、電気代など豆腐を作るためのコストが急激に上昇しているなか、「コストに見合った価格の変更ができなければ、経営が立ち行かなくなる」など、努力や工夫で吸収できる限界を超えているとの指摘もある。日本の食卓に欠かせない豆腐の安定供給を維持する中で、豆腐店の今後の動向が注目される。
- 「街の豆腐店」2021年度は赤字割合4割超え 市場は持ち直しも利益で苦戦
- 豆腐1丁当たりの大豆原価は1割超え 外国産大豆の価格、15年から1.7倍に
- 「このままでは厳しい」との声相次ぐなか、安定供給に向けた今後の動向に注目集まる
「街の豆腐店」2021年度は赤字割合4割超え 市場は持ち直しも利益で苦戦
「街の豆腐店」市場規模推移
「街の豆腐店」損益状況
他方、損益面では苦戦が続いている。2021年度の損益が判明した豆腐店のうち、赤字の割合は42%に達し、前年度(47%)に続き2年連続で赤字の割合が4割台となった。主原料となる大豆、特に米国・カナダ産大豆の仕入価格が高騰したことで調達コストが大幅に膨らんだ一方で、スーパー向けなどでは販売価格に十分な転嫁ができず、赤字に転落するといった事例も散見された。
豆腐1丁当たりの大豆原価は1割超え 外国産大豆の価格、15年から1.7倍に
「豆腐1丁」当たり 価格・原価推移
この結果、豆腐1丁当たりの販売価格に占める大豆原料価格の割合は、2022年は外国産ベースで推計12%に達した。20年までは6~7%前後で推移していたものの、21~22年にかけて急激な原価上昇がみられた。大豆価格の急激な上昇を販売価格に転嫁できない状況が鮮明となっている。
「このままでは厳しい」との声相次ぐなか、安定供給に向けた今後の動向に注目集まる
原材料高騰を受け、食品業界では値上げ機運が高まっている。上場する食品メーカー105社を対象に実施した調査では、値上げする食品数は年内に累計2万品を超えることが予想されている。一方で、豆腐などの日配品ではもともと安価なところに低価格競争が激化しており、卸先となるスーパーなどの価格交渉はハードルが高いことが長年の課題だった。
こうしたなか、豆腐メーカーなどの業界団体では昨年、スーパーなど小売業界に対し窮状を訴える文書を14年ぶりに連名で打ち出した。原料となる大豆価格に加え、電気代など豆腐を作るためのコストが急激に上昇しているなか、「コストに見合った価格の変更ができなければ、経営が立ち行かなくなる」など、努力や工夫で吸収できる限界を超えているとの指摘もある。日本の食卓に欠かせない豆腐の安定供給を維持する中で、豆腐店の今後の動向が注目される。
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