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株式会社NHK出版
会社概要

何が「働くノン・エリート」たちを駆り立てたのか? 日本の資本主義を150年にわたって支えてきた人々の「ある欲求」を初めて描き出す。気鋭による書き下ろし力作が8月25日(木)に発売!

Q.「“教養を身につける”と“研修を受ける”の共通点は何か、2字で答えなさい。」 A.「修養。」 正解! …… この謎解きは大澤絢子著『「修養」の日本近代――自分磨きの150年をたどる』の中で!

株式会社NHK出版

 こんにち教養とか研修とか呼ばれているものの大本(おおもと)には、明治以来の「修養」という大きなムーブメントがありました。このムーブメントは現代にいたるまで、日本社会の中で形を変えながら脈々と続いています。
 そんな壮大な歴史を、明治のベストセラーから、「経営の神様」の思想、オンラインサロンに至るまで、興味深い事例を山ほど盛り込んで描き出した『「修養」の日本近代 ――自分磨きの150年をたどる』が8月25日(木)に発売します!

 

「修養」という硬めの言葉と「自分磨き」という言葉にはギャップもあります。何が書いてある本なのか、どんなところが新しいのかについて、編集担当者からのメッセージをお届けします。


 まずは、本書の構成をご覧ください。

序章 「自分磨き」の志向
1章 語られた修養 ――伝統宗教と〈宗教っぽい〉もの
2章 Self-Helpの波紋 ――立身出世と成功の夢
3章 働く青年と処世術 ――新渡戸稲造と『実業之日本』
4章 「経営の神様」と宗教 ――松下幸之助の実践
5章 修養する企業集団 ――ダスキンの向上心
終章 修養の系譜と近代日本 ――集団のなかで自分を磨く

 なぜ「宗教」が出てくるの? 新渡戸稲造って五千円札の人がなぜここに? そして松下幸之助といえばNationalでしょう、ダスキンといえば清掃用具とミスタードーナツでしょう……もう何が何だか、というぐらい、話題の多様さに戸惑う人もいることでしょう。

 それだけではありません。1章には、華厳の滝で投身自殺したエリート学生や、キリスト教徒として教科書でも有名な内村鑑三、宗教の語を定義したとも言われる井上哲次郎、清沢満之や綱島梁川など(知る人ぞ知る?)なんだかすごい人たちが山のように出てきます。でも何か難しい話を展開しているわけではありません。

 2章はといえば、Self-Helpというのが出てきて、これは当時の日本で50人に1人が買ったことになるベストセラーです。Self-Helpは別名を『西国立志編』とか『自助論』といって、もとはイギリスの著述家が書いたものを、日本で当代最高の儒学者が訳したものでした。

 3章の……と書いていくとキリがなさそうなのでやめておきますが1つだけ。五千円札に載っていたあの新渡戸先生がいかに本当に「先生」と呼びたくなるような人格者だったかが分かるのが『実業之日本』の誌面(下の写真参照)です。そして『実業之日本』はなんと19世紀から21世紀まで、足掛け3世紀にわたって刊行されていたのです! このように、紹介したくなる話が無限にあるのがこの本です。



 こんなに多様な話題が、ある1語でまとめられてしまう。それが「修養」です。cultureの訳語としてこの語を使ったのは当代(明治初期です)最高の儒学者、中村正直。なぜ儒学者が英語を訳すときに“無理やり”作り出した言葉が、広く受け入れられたのか? そして、なぜ修養はその後の日本に深く根を張り、松下電器をつくり、ダスキンを育て上げ、さらに現代の自己啓発やビジネス書の隆盛へとつながっていったのか? これを追いかけるのが本書『「修養」の日本近代 ――自分磨きの150年をたどる』(写真)なのです。
 


 ご覧のとおり、表紙には懐かしの二宮金次郎。伊藤幾久造画伯が1938(昭和13)年に描いて、のちに『講談社の絵本』シリーズに掲載された美麗な挿絵です。講談社には『キング』という国民的雑誌がかつてあり、『キング』も修養を広めた重要な存在です(紙面も引用されています)。二宮金次郎は二宮尊徳ともいい、彼の「報徳思想」は、修養の精神とも密接な関係を持っていました。中村正直が作った「修養」の語が指すものは、実はもともと日本に似たものがあったのです。だからこそ150年も続いているとも言えます。​

   

 さて本書の著者は大澤絢子さん。東京工業大学の学術博士号を持つ、日本学術振興会特別研究員で、東北大学大学院の研究員でもあります。専門は社会学と並んで宗教学、仏教文化史。本書『「修養」の日本近代』は、人々の150年続く「自分磨き」への欲求を描き出すものですが、それは伝統的な宗教や、「宗教のようだが伝統宗教ではない、いわば〈宗教っぽいもの〉」が関わらなければ存在しなかったものでした。社会学と宗教学に軸足を置いて研究してきた大澤さんは、社会学と宗教学の“はざま”に取り落とされてしまっているものに興味を持ちました。

 社会学はなんでも扱える奥深い学問ですが、日本の現代社会を対象に、宗教的なものを扱うことが少ない。宗教と言えば宗教学の領域ですが、宗教学ではまずキリスト教だとかイスラム教だとか、仏教であれば浄土真宗とか禅宗だとか、それぞれの専門家はいて、それぞれにハイレベルな研究があります。でも、宗派や宗教間をまたいで自在に〈宗教っぽい〉ことを語って、世の関心を集めていく人々に対しては、扱うことが避けられている面もあります。理由は、「それが宗教ではないから」かもしれません。

 修養という得体のしれないものには宗教が深く関わります。しかし、どの宗教なのかよくわからない。まさに新渡戸稲造や松下幸之助という、日本の近現代を作った人々が、そんな“あらゆる宗教的なことを自在に語って聞かせる”活動をしていました。新渡戸は人気雑誌で、松下幸之助は朝礼で、そして戦後にはNHKラジオで……。

 宗教の違いを越えるというと何か高尚な気がしますが、彼らの言葉を読んでみると実に分かりやすく、ためになり、親しみやすい。そして、「小さなことでもいいからまず頑張ってみよう」というポジティブな気持ちになります。このことが、この150年間、どれだけ大事だったか。それ以前、江戸時代に広まっていた二宮金次郎(尊徳)の思想と、うまく接続されていく様子が想像できるかもしれません。

 ともあれ、大澤さんは自分の素朴な関心に基づいて、だれも描いたことのない、“修養の近代史”を書き下ろすことになりました。大澤さんの言葉を借りれば修養の潮流は「大河」です。まずはその河の流れを、のぞいてみませんか。きっと、あなたのすぐそばにも流れていることに、気が付くはずです。


◆著者である大澤絢子さんのインタビューを「本がひらく」サイトで公開中!
https://nhkbook-hiraku.com/n/n9c5168d62532

 
  • 商品情報

NHKブックス『「修養」の日本近代 ――自分磨きの150年をたどる』
出版社:NHK出版
発売日:2022年8月25日
定価:1,760円(税込)
判型:B6判並製
ページ数:288ページ
ISBN:978-4-14-091274-4
URL:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000912742022.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/414091274X

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本社所在地
東京都渋谷区宇田川町10-3
電話番号
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代表者名
江口貴之
上場
未上場
資本金
6480万円
設立
1931年04月
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