好調なライフスタイルホテルがアジア太平洋地域のホスピタリティ市場を再構築
ライフスタイルホテルの客室供給は2027年までに34%成長し、2024年の水準を上回る予測
(以下は、2025年7月22日にシンガポールから発表されたリリースの抄訳版です)
東京 2025年10月2日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社: 米国シカゴ、CEO & プレジデント: クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL)がまとめた調査「アジア太平洋地域におけるライフスタイルホテル2025」によると、アジア太平洋地域におけるライフスタイルホテルの客室数は2014年から4倍に増加し、地域全体で約65,000室の新規客室が供給されました。
本調査では、アジア太平洋地域におけるライフスタイルホテル市場の継続的な成長要因として、消費者ニーズの多様化、販売単価のプレミアム、投資家からの関心の高まりを挙げ、今後ライフスタイルホテルは客室新規供給全体の6-9%を占めると予測しています。
JLLホテルズ&ホスピタリティグループ アジアパシフィック アドヴァイザリー&アセットマネジメントヘッド、シニアマネージングディレクター ザンダー・ナイネンスは次のように述べています。
「アジア太平洋地域におけるライフスタイルホテルの堅固な業績と今後の成長可能性に、投資家は高い関心を寄せています。効率的な運営体制と差別化されたサービスにより、その高い収益率と長期的な価値創出の可能性が評価され、ライフスタイルホテルは投資家にとってさらに魅力的な存在となっています。大手ホテルチェーンはポートフォリオを拡大し、小規模チェーンは大手のリソースや流通ネットワークを活用しようとしており、業界内でのM&Aは今後も続くと予測されます。この動きは、市場の競争環境を再編し、今後数年にわたってイノベーションを促進するでしょう」
現在、東南アジアのライフスタイルホテルの総客室数は、オーストラリア、ニュージーランド、南アジアの3倍に相当します。一方、最も急速な成長を遂げているのはオーストラリアとニュージーランドであり、堅固な国内需要とユニークな体験型旅行への需要増がその成長を後押ししています。
アジア太平洋地域のライフスタイルホテルは、従来型のホテルと比較して10-11%高い客室単価を維持し、特別な体験や顧客ごとにパーソナライズされたサービスに対価を払う目の肥えた旅行者を惹きつけています。厳選された食事体験や魅力的な付帯施設は宿泊客の獲得やリピートの促進に不可欠で、実際ライフスタイルホテルの成功において飲食サービスは重要な役割を果たしており、従来型ホテルと比較して販売客室あたりのF&B(料飲)部門の収益率(平均約30%)が高くなっています。
アジア太平洋地域では2027年までに新たに10のライフスタイルブランドが参入予定で、さらなる競争の激化が見込まれますが、旅行者にとっては選択肢が拡大します。現在、大手外資系ブランドが供給の80%を占め、世界的な認知度と構築された流通ネットワークを活用して優位性を維持しています。しかしながら、国内のライフスタイルブランドも地域文化や嗜好に対する深い理解を活用した本格的かつ魅力的な宿泊体験を提供し、成長余地を示しています。
アジア太平洋地域の既存客室供給では、マリオット・インターナショナルがトップの地位を占めており、今後も市場をけん引する見込みです。ハイアットは2025年から2027年にかけて第2位に浮上すると予測されています。投資家と宿泊客の関心を背景に、ライフスタイルホテルは今後も成長し、特にNoMad、CitizenM、The Standard、Rubyなど最近買収された国際的なライフスタイルブランドや、欧米発のライフスタイルホテルチェーンで顕著になる見込みです。
JLLのアジアパシフィック ホテルリサーチ ヘッド、ヴァイスプレジデントのマリーナ・ブラッキアーニは次のように述べています。「ライフスタイルホテルはこれまで、ラグジュアリーおよびアップスケールセグメントで優位性を発揮してきました。この傾向は今後アジア太平洋地域に参入する新たなブランドにおいても継続されますが、アッパーミッドスケールやそれ以下のカテゴリーでも大きな成長がみられます。当初はプレミアム層向けだったライフスタイルホテルのコンセプトは、三つ星、さらにはエントリーレベルの四つ星ホテルカテゴリーにも拡大し、より大規模な国内旅行市場への拡大が見込まれています」
欧州・中東地域ブランドの新規参入は、アジア太平洋地域のライフスタイルホテル市場の競争をさらに激化させます。運営側が優位性を確保するために、常に革新的なサービスを提供し、改善を続けることが求められます。従来型のホテルブランドが急速に進化する市場でより幅広い旅行者に訴求し競争力を維持するためには、ライフスタイルホテルの要素を取り入れることが必要で、カテゴリー間の境界がさらに曖昧になっていくと考えられます。
JLL日本 ホテルズ&ホスピタリティ事業部 エクゼクティブ ヴァイス プレジデント ヘッド オブ アドヴァイザリー 大橋 蔵人は次にように述べています。
「日本のライフスタイルホテル市場は、アジア太平洋地域の他国と比較して発展の初期段階にあり、今後の成長余地は極めて大きいと考えられます。大手外資系ブランドの積極的な市場参入に呼応するように、国内のライフスタイルホテルブランドや主要デベロッパーによる独自ブランドの戦略的な展開が加速しており、引き続き投資、開発対象として高い関心を集めることが見込まれます」
レポート詳細は下記をご覧ください。
JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。オフィス、リテール、インダストリアル、ホテル、レジデンシャルなど様々な不動産の賃貸借、売買、投資、建設、管理などのサービスを提供しています。
フォーチュン500®に選出されているJLLは、世界80ヵ国で展開、従業員約112,000名を擁し、2024年の売上高は234億米ドルです。企業目標(Purpose)「Shape the future of real estate for a better world(不動産の未来を拓き、より良い世界へ)」のもと、お客様、従業員、地域社会、そして世界を「明るい未来へ」導くことがJLLの使命です。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。https://jll.com
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