「職場でジェンダーギャップを感じる」女性は約7割、男性は約5割。ジェンダーギャップが理由で転職したい人は男女ともに前年越え。/『女の転職type』が働く女性にアンケート【第84回】
正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』は、女性のリアルな仕事観を調査する【データで知る「女性と仕事」】を定期的に行い、女性の働く環境の実態を公開しています。
▼詳しくはこちらからご覧ください。
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-84/
■調査結果抜粋
★職場でジェンダーギャップを感じている人は女性約7割、男性約5割
★女性が感じるジェンダーギャップは「給与が低い」「給与が上がりにくい」
★ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがある女性は、男性の約2倍。女性は前年より4.5%、男性は5.9%上昇。
★転職活動で感じたジェンダーギャップ1位は、女性「面接官は男性が多い」、男性「とくにない」
★ジェンダーギャップ解消のために必要なことは「社長(経営層)の意識が変わること」、「男性の意識が変わること」
【Q.1 今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)はある?】
※女性のみ
※離職中の人は、直近の職場で回答
『女の転職type』会員に今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)があるか尋ねたところ、26.1%の人が「非常にあると思う」と回答し、「ややあると思う」の43.0%と合わせると69.1%の人が「ある」と感じていることがわかりました。
年代別に見てみると20代では「ある」が58.6%であるのに対し、30代70.4%、40代74.2%と、年代が上がるにつれジェンダーギャップを感じる人が多いという結果になりました。とくに40代は約3人に1人が「非常にある」と回答しており、格差を強く感じていることがわかります。
※男性のみ
※離職中の人は、直近の職場で回答
男性にも聞いたところ、職場でのジェンダーギャップが「非常にあると思う」と回答した人は17.8%、「ややあると思う」と回答した人は34.6%で、合わせると52.4%の人が「ある」と感じているという結果になりました。
「ある」と感じている男性は女性と比較すると16.7%低く、とくに30代では女性よりも男性の方が22.7%も低い結果です。男女間で認識に大きな差があることがわかりました。
※女性のみ
※離職中の人は、直近の職場で回答
女性の未婚・既婚別で見てみると、既婚の人では72.7%の人がジェンダーギャップが「ある」と回答し、未婚の人の66.3%を上回る結果となりました。
※女性のみ
※離職中の人は、直近の職場で回答
主な職種別で見てみると、ジェンダーギャップを感じている職種は「営業系」で81.0%でした。次いで「事務・経理・人事系」71.8%、「サービス・販売系」55.6%となっています。男性の就業比率が高い「営業系」はギャップを感じやすく、女性比率が高い「サービス・販売系」は感じにくいと言えそうです。
【Q.2 1年前と比べて、今の職場のジェンダーギャップは解消されている?】
※女性のみ
※離職中の人は、直近の職場で回答
※在職期間が1年未満の人は除く
女性に1年前と比較してジェンダーギャップが解消されていると思うかどうかを尋ねたところ、「変わらない」が最も多く64.0%となりました。「解消されている」と感じる人は「かなり解消されている」3.7%、「やや解消されている」22.8%を合わせて26.5%にとどまり、ジェンダーギャップ解消がなかなか進んでいない状況が浮き彫りになりました。
年代別では、「解消されている」と感じる人が20代34.4%、30代24.5%、40代23.1%という結果でした。年代が上の人ほど「解消されていない」と感じているようです。
※男性のみ
※離職中の人は、直近の職場で回答
※在職期間が1年未満の人は除く
男性にも尋ねたところ、女性同様に「変わらない」が最も多く50.8%でした。一方で「解消されている」と感じる人は「かなり解消されている」11.2%、「やや解消されている」26.3%を合わせて37.5%でした。女性の数値(26.5%)よりも高く、男性の方がジェンダーギャップが解消されていると感じる人が多いという結果になりました。
年代別では、20代46.1%、30代39.0%、40代28.7%と、女性同様に年代が上であるほど「解消されていない」と感じる人が多いようです。
【Q.3 「女性であること」が理由で、職場で経験したこと(感じたこと)は?】
※女性のみ
※複数回答あり
「女性であること」が理由で職場で経験したこと(感じたこと)を尋ねると、最も多かったのは「給与が低い」37.7%でした。次いで2位「給与が上がりにくい」36.9%、3位「お茶出し、掃除などを任される」33.6%と続きました。「とくにない」と回答した人は21.9%にとどまり、約8割の女性が、自身の性別を理由に何らかの格差を経験している(感じている)ことがわかりました。
年代別で見てみると、20代の1位は「とくにない」33.1%、30代は「お茶出し、掃除などを任される」37.3%、40代は「給料が低い」46.6%でした。Q.1の結果とあわせてみても、20代のうちはジェンダーギャップを感じる機会が少なく、既婚者が増える30代以降はより顕著にジェンダーギャップを感じるようになることがわかります。
その他のコメントとしては「パワハラの対象になりやすい」「研修を受けさせてもらえない」「女性の昇進や起用のために自身の能力以上の仕事が回ってくる」「産休、育休明けで社員に戻してもらえない」などがありました。
【Q.4 ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことある?】
ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがあるか尋ねたところ、男女ともに「ない」が多数派ではあるものの、「ある」と回答した人は女性36.3%、男性18.9%で、女性は男性の約2倍という結果となりました。
また昨年同様の質問をしたアンケート(https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-64/)では、「ある」と答えた女性は31.8%、男性は13.0%でした。男女ともにジェンダーギャップが理由で転職を考える人は増えているようです。
【Q.5「女性(男性)である」ことが理由で、転職活動において経験したこと(感じたこと)は?】
※女性のみ
※転職経験がない人を除く
※複数回答あり
「女性である」ことが理由で、転職活動において経験したこと(感じたこと)について尋ねたところ、最も多かったのは「面接官は男性が多い」が1位で35.8%となりました。
年代別にみると、20代では「面接で結婚・出産の予定を質問される」が36.4%で1位、30代・40代では「子どもがいると転職活動しづらい」がそれぞれ43.1%、41.7%で1位となっています。これから結婚・出産を迎える世代であっても、すでに迎えた世代であっても、どちらも結婚・出産などのライフイベントが転職活動に影響を与えている状況が伺えます。
その他のコメントとしては、「親の介護について聞かれる」「本当は男性を募集していると言われた」「女性としての立ち振る舞いや外見を判断基準にされる」などがありました。
※複数回答あり
※転職経験がない人を除く
男女別に見てみると、男性は「とくにない」と回答した人が最も多く44.4%で、女性の18.1%と大きな差がある結果となりました。「男性であること」が転職活動に影響を与えることは少ないようです。
多くの項目で男性の回答率は女性より大幅に少ない結果でしたが、「選考に通過しづらい」は男女差が少なく「男性であること」で選考に通過しづらいと感じる人もいることがわかりました。
【Q.6 ジェンダーギャップがない企業かどうか見極めるために、求人情報の中で何に注目する?】
※女性のみ
※複数回答あり
ジェンダーギャップのない企業かどうか見極めるために求人情報の中で注目する項目としては、1位「産休・育休活用例」51.3%、2位「従業員における女性比率」47.7%、3位「管理職における女性比率」43.0%と続きました。ライフスタイルの変化に対応できる職場か、実際に女性が重要ポジションに登用されているかどうかをデータで確認する人が多く見受けられました。
その他コメントとしては、「会社の雰囲気」「有給の取得率」などがありました。一方で、「結局働いてみないとわからない」というコメントもありました。
【Q.7 今の職場はジェンダーギャップ解消のために、どんな取り組みをしてる?】
※複数回答あり
※離職中の人は、直近の職場で回答
今の職場がジェンダーギャップ解消のためにどんな取り組みをしているかを尋ねると、「とくにない」が男女ともに最も多く、女性34.1%、男性34.4%となりました。
女性では「リモートワークや時短勤務などの導入」「女性の積極的な管理職への登用」が上位に上がりました。男性では「男性の育休取得の奨励」が上位となっています。
フリーコメントとして「女性管理職を増やしているが、子どものいない人ばかり」「社内通報窓口があるが機能していない」などの意見があり、ジェンダーギャップ解消のための取り組みをしていても、本質的な解決につながっていないケースもあることがわかりました。
【Q.8 職場のジェンダーギャップ解消のためには、何が必要だと思う?】
※複数回答あり
職場のジェンダーギャップ解消のために何が必要だと思うかを尋ねたところ、順位は異なるものの、男女ともに「社長(経営層)の意識が変わること」「男性の意識が変わること」「誰でも育児や介護の休暇が取りやすい環境にすること」が上位3つに入りました。
一方で女性では「とくにない」と回答した人は3.5%しかいないのに対し、男性は16.5%と多い結果になりました。また必要な施策についての回答も、ほとんどの項目において男性の方が女性よりも20%程度低い状況です。女性の方がジェンダーギャップがあると感じる人が多いため、課題意識を持っている人も多いことが伺えます。
▼詳しくはこちらからご覧ください。
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-84/
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。
★今回のアンケート考察★
女の転職type編集長 小林佳代子
職場でジェンダーギャップを感じる人の割合は女性69.1%、男性52.4%と差があるものの、どちらも半数以上の人が「格差がある」と感じていることがわかりました。また注目したいのが女性でも20代はジェンダーギャップを感じる人の割合は低く58.6%で、男性に近い数値になる点です。既婚者の方がジェンダーギャップを感じやすいという結果も踏まえると、年齢が上がり、結婚や出産などのライフイベントを経る中で、ジェンダーギャップを感じる場面が多くなるのではと推測されます。
またジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがある人は、女性で36.3%、男性では18.9%と2倍の開きがあり、昨年行った同様のアンケート(https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-64/)と比較すると、男女ともに数値が上がっていました。
こうしたジェンダーギャップ解消のために必要なこととしては、経営層や男性の意識改革に加え、育児・介護休暇のとりやすさや柔軟な働き方などの実現、女性の管理職登用などの対応を求める声が多く挙がりました。一方で今の職場でジェンダーギャップ解消のために、どんな取り組みをしているかを尋ねると「とくにない」と答える人が3人に1人という現状です。
こうした格差が解消され、すべての人に平等にチャンスがあり、自分の力を発揮して仕事ができるよう、女の転職typeはこれからも女性の就業機会の創出に取り組み続けたいです。
■調査内容:第84回「ジェンダーギャップ感じてる?」 / データで知る「女性と仕事」
・調査期間:2024年1月31日~2月12日
・有効回答数:1,188名
・調査対象:女性:女の転職type会員、男性:type会員およびFastaskによるWeb調査
・調査方法: Web上でのアンケート
■データで知る「女性と仕事」一覧
働く女性を取り巻く環境や課題について定期的にアンケートを実施しており、さまざまな調査結果をご覧になれます。
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/
■『女の転職type』とは
正社員で長く働きたい女性のための転職サイトです。未経験から正社員になれる求人、プライベートも充実できる残業が少ない求人、仕事と育児を両立できる求人など、女性に人気の求人を多数掲載。充実したマッチング機能で、自分に合った仕事を見つけることも簡単です。
■株式会社キャリアデザインセンター 会社概要
代表者 :代表取締役社長兼会長 多田 弘實
本社所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂 3-21-20 赤坂ロングビーチビル
資本金 :5億5866万円
設立 :1993年7月8日
従業員数 :783名(2023年9月30日現在)
事業内容 :
1.キャリア転職の専門情報サイト『type』『女の転職type』等の運営
2.転職フェアの開催
3.人材紹介事業(厚生労働大臣許可 13-ユ-040429)
4.質の高い就職活動を情報誌、イベント、情報サイト、人材紹介で支援する『type就活』サービス
5.パンフレット、ノベルティー採用・HP作成などのアウトソーシング事業
6.IT業界に特化した人材派遣サービス『type IT派遣』(厚生労働大臣許可 派13-315344)
7.Webマガジン『エンジニアtype』『Woman type』『20’s type』の企画・編集・運営
など、企業の採用活動をサポートする総合的なソリューションサービスを提供
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像