モーターファン・イラストレーテッド(MFi) vol.179は、「よくわかるAT」特集
ステップATの遊星歯車が頭の中で回るようになる!
“テクノロジーがわかると、クルマはもっと面白い”をキーワードに、図版、写真、透視図を使って自動車技術をわかりやすく解説する月刊誌「モーターファン・イラストレーテッド」(株式会社三栄 本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:星野邦久)。2021年8月12日(木)に『モーターファン・イラストレーテッド vol.179』を発売いたしました。
「ATメカニズムの最新基礎」
現在、乗用車用としてもっとも広く普及しているのがオートマチックトランスミッション(ステップAT)です。ステップATが登場した当初は、パワートレーンとしてエンジンの高効率エリアを狙いながら運転する方式が主流でした。そこから、“燃費向上要求”に応えるために、遊星歯車の積み増し(多段化)によるレシカバの拡大、伝達効率の向上、軽量化など、内燃機関の進化に呼応するかたちでオートマチックトランスミッションも技術進化を遂げきました。
そんななかモーターの登場がこれらのあり方に変化をもたらそうとしています。主役はギヤからモーターへ。潮目が変わろうとしているパワートレーンに対して、ステップATの構造や役割はどのように変わっていくのでしょうか? あらためてステップATの最新基礎の理解を深めるとともに、電動化時代のステップATのあり方について事例をもとに探っています。
Chapter1 メカニズム
ステップATとは、段階的(ステップ)にギヤ比を切り替えていくAT、いわゆる自動有段変速機を指します。エンジンの出力をコンバーターで受け止め、遊星歯車(プラネタリーギヤ)の選択組み合わせで変速する……。ステップATの構造は加速する電動化を背景に少しずつ変化しつつありますが、まずは理解の軸足とすべく基本的な構造である、発進機構(トルクコンバーター/モーター)、変速機構(遊星歯車/シフト)、減速差動機構(デファレンシャルギヤ)、油圧制御機構(バルブボディ/フルード)のそれぞれの役割と目的を、あらためて書き下ろした熊谷俊直氏の図解イラストをもとにわかりやすく解説しています。これを見ればステップATの遊星歯車が頭の中で回るようになります!
京都大学名誉教授・久保愛三博士に訊く「電動化時代の歯車」
発進デバイスのトルクコンバーターの変わりに電気モーターが組み込まれる。ステップATの大きな変革がまさにいま起ころうとしています。そこで浮かび上がってくるひとつの疑問が「ステップATに電気モーターが入ってくると、歯車の設計は変わるのか?」という点です。そこで本誌連載「歯車屋の見た世界」に執筆いただいている、日本の歯車研究の第一人者である、久保愛三博士に上記の質問を投げてみました。
Chapter2 最新事例
パワートレーンの高効率化が進み、さらに今後、電動化が強く推し進められていこうとしていくなか、ステップATはどうなっていくのでしょうか?最新事例としてPSAのDS7クロスバックなどに搭載された「アイシン・1モーターハイブリッド」、PHEVに軸足を置いて設計され、2023年に搭載開始が予定されている「ZF・8HP Gen.4」、北米市場で展開中のFWD用世界初となる「ホンダ10速AT」、そして、いまだに6速で頑張る「マツダ SKYACTIV-DRIVE 6AT」などそれぞれに特徴のある各社のユニットについて、エンジニアに設計の工夫を伺いました。
Chapter3 ATを支えるものづくり
ステップATの内部は歯車と摩擦クラッチと油圧機構が大半を占めます。質量のある回転体だけに工作精度はエンジンと同等以上であり、もっとも精巧な自動車用ユニットです。そのステップATの製造を担う現場、トルクコンバーターとトランスミッションケースの工場を取材しました。
CONTENTS
[モーターファンイラストレーテッド vol.179]
【図解特集:よくわかるAT】
[Introduction]
オートマチックトランスミッションの現在地
Chapter1 メカニズム
ステップATの構造
[発進機構] トルクコンバーター/モーター
→トルクコンバーバーターの仕組み/ポンプとタービン、ステーターの位置/トルコン内部の油圧回路
[変速機構] 遊星歯車
→三要素の配置と固定要素/締結要素
[減速差動機構] デファレンシャルギヤ
→デファレンシャルギヤを収める/差動制限装置
[油圧制御機構] バルブボディ&フルード
→油圧回路/ソレノイドバルブ/オイルポンプ/アイドルストップへの対応
[Column]歯車で気をつけるポイントは「歯先と歯元と、超仕上げ」
Chapter2 最新事例
01 アイシン 1モーターハイブリッドトランスミッション
─機電一体の開発が可能にした新領域
02 ZF 8HP Gen.4
─電動化に軸足を置いたステップATへと刷新
03 ホンダ 大型車用横置き10速AT
─FWD用で世界初の10段を達成
04 マツダ SKYACTIV-DRIVE 6AT
─マツダが6ATにこだわり続ける理由
Chapter3 ATを支えるものづくり
トルクコンバーター by ヴァレオ
─アンバランスは許さない
オートマチックトランスミッションケース by リュービ
─超精密な「アルミ鋳物」を作る
-詳細-
タイトル:モーターファン・イラストレーテッド vol.179 「よくわかるAT」
発売日:2021年8月12日(木)
定価1,760円 (本体価格1,600円)
ISBN:978-4-7796-4437-5
※全国の書店、ネット書店にてお求めいただけます。
詳細:https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=11976
2021年8月12日
株式会社 三栄
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