未来のアジア・アートネットワークを育む、ICA京都の新プロジェクト始動「KYOTO Gathering for Asian Art Students」
アジア美術系大学学生会議国内外の美術系大学から参加学生を募集します


ICA京都は、伝統文化が深く根付いた京都からダイレクトに世界の現代芸術の動向と繋がることを目指し、2020年に創設された京都芸術大学大学院の附置機関です。
2025年4月より所長に森美術館館長の片岡真実を迎え、ICA京都は新体制に移行。世界やアジアとのつながりをさらに深め、教育活動や人材育成に貢献すべく、学生や幅広いアートの聴衆に向けてより開かれた事業の展開を試みています。
新たな活動のひとつの核として、ICA京都は2025年度より、「KYOTO Gathering for Asian Art Students アジア美術系大学学生会議」を開催いたします。
本会議は東南アジア・東アジアから集まった学生たちが、アートの世界における相互理解と地域理解を深め、次世代を担うためのネットワークを強化していくことを目的とした3日間の合宿型イベントです。
第1回目として2025年11月12日(水)-14日(金)の3日間にわたり開催する「KYOTO Gathering for Asian Art Students アジア美術系大学学生会議」に参加する学生の募集を開始いたしました。アジア地域の美術大学で学ぶ国内外の応募者から、30名を選抜し本会議に招聘します。
KYOTO Gathering for Asian Art Students アジア美術系大学学生会議
<開催趣旨>
1990年代以降、現代美術はグローバルに拡大し、美術館、芸術祭、アートフェアなどのモデルが各地に創設され、それは目覚ましい経済成長を遂げたアジア地域にも反映されてきました。一方で、近年のパンデミック、不安定な政治経済は新しい世代のクリエイターにとって未来を不透明なものにしてきました。日々夥しい情報がネット上に溢れるなか、「世界とは何か」、「自分たちはどこにいるのか」、というリアリティの想像さえ困難になっていると言えるでしょう。「アジア芸術学生会議」は、こうした状況のなかでリアルに次世代を担う人間関係を創出し、未来に向けたビジョンをともに描こうとするものです。
アジア地域は地理的に近く、文化や歴史を色濃く共有しながらも、それぞれ多様な言語、宗教、文化、歴史を持っています。この状況を確認するとともに、欧米中心だった美術の潮流を見直しながら次世代のアーティスト、キュレーターを中心にしたネットワークを強化していくことを目的にしています。芸術系大学の学生が共に関心のある課題について3日間、ともに議論するカンファレンスです。
東南アジア、東アジアを中心とする美術系大学と提携し、学生が世界情勢、グローバルなアートの動向、研究テーマ、キャリア形成など共通の課題についてグループディスカッションを行います。会議には、国際的に活躍するアーティストやキュレーターなどもゲストとして招聘し、議論をプロフェッショナルな世界のリアリティとも繋ぎます。
会議の他に京都の文化や歴史を知るエクスカーションも実施することで、日本文化を深く学びながら、アジア圏の文化の相互理解に繋げます。
<開催概要>
テーマ:Flipping Point: アジアから見つめ返す世界
開催日時:2025年11月12日(水)〜 14日(金)
会 場:京都芸術大学
参加者数:国内外から計30名(国内15名、海外15名)
対象者:東南アジア、東アジアの美術系大学に在籍する大学院生、および学部4年生
内 容: グループディスカッション、パトリック・フローレス(ナショナルギャラリー・シンガポール チーフキュレーター )、イー・イラン(アーティスト)による基調講演、京都のエクスカーション、ネットワーキングセッションを予定
ディレクター:金澤韻(ICA京都特別プロジェクト・ディレクター、キュレーター)
主 催:ICA京都、京都芸術大学大学院
助 成:国際交流基金
<募集概要>
応募方法: ICA京都の募集情報ページの応募フォームに必要事項を記入して送信
応募書類: ポートフォリオあるいは研究資料のデータ(A4サイズのPDF、10MB以下)を応募フォームからアップロード
応募締切: 2025年7月28日(月)
※応募についての詳細はこちらのサイト(https://icakyoto.art/news/89949/)をご確認ください
「アジア美術系学生会議」に関するお問い合せ
info-icakyoto@office.kyoto-art.ac.jp(担当:清水・金澤)
関連プログラム
茶話会 and/or ワークショップ「知らないで入る」
「KYOTO Gathering アジア美術系大学学生会議」のサブプログラムとして、英語を話すことに慣れる、現代アートに触れるためのワークショップシリーズ「知らないで入る」を4回のシリーズで開催しました。国際的に活躍するアーティストを招き、簡単なワークを行うなかで、言葉や背景の違いをこえてコミュニケーションすることの可能性を体験していきます。

ICA Kyoto TALK
京都と世界各地の多様なアートシーンを結びつけ、対話を重ねるためのプラットフォームとして、国内外で活躍するアーティスト、キュレーター、研究者、ギャラリストなどを招いたトークイベント「ICA Kyoto TALK」を開催しています。ローカルな現場とグローバルな動向とを往復しながら、複層的な世界を実感し、新たな視点を開く場となることを目指しています。

ICA京都とは https://icakyoto.art/
ICA(Institute of Contemporary Arts)の名称は、1946年に創設されたICAロンドンが広く知られています。その前衛的・実験的なコンセプトは世界各地に広まり、現代アートを中心に多様なジャンルが交わるクリエイティブな空間として発展してきました。ICA京都はこの精神に共感し、現代アートの実験的制作や研究活動の場として創設しています。現代アートのエコシステムが複雑化する中で、グローバルな世界と接続する道のりは容易ではありません。また、京都は日本の伝統文化が深く根付いた特異な都市であり、その社会・歴史・文化的な文脈の中で、グローバルな現代アートとどのように呼応し、新たな価値を創出できるかを考える必要があります。ICA京都はこれらの課題を共有し、京都と世界をつなぐ開かれたプラットフォームとして機能します。そして、大学院教育とも連携しながら、これからのアートシーンでグローバルに活躍する人材を育成するべく、アジアを中心にアーティストやキュレーターのネットワークを構築することに尽力していきます。
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