「柔軟性を有する結晶性グラファイトによる高熱伝導シートの開発と実用化」の功績に対し、「大河内記念生産賞」を受賞

パナソニックグループ

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パナソニック株式会社は、「柔軟性を有する結晶性グラファイトによる高熱伝導シートの開発と実用化」の功績に対し、財団法人 大河内記念会から「第59回大河内記念生産賞」を受賞しました。贈賞式は、2013年3月22日(金)に日本工業倶楽部にて行われます。

【受賞内容】
業績名:
「柔軟性を有する結晶性グラファイトによる高熱伝導シートの開発と実用化」
受賞者:
パナソニック株式会社 
受賞理由:
高分子フィルムを出発材料として、非常に高い熱伝導性を有する結晶性グラファイトを柔軟性のあるシートとして製造する技術を世界で初めて開発、スマートフォン、タブレット等で必須の熱対策部材としての地位を確立したことが高く評価されました。

▼PGSグラファイトシート
http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/technology/topics/pgs/
▼PGSグラファイトシート/時代が求める最先端素材。高熱伝導素材が未来を拓く。
http://panasonic.net/id/jp/r-and-d/approach/sp01/
▼法人向け商品サイト:素材・材料-PGSグラファイトシート
http://industrial.panasonic.com/www-cgi/jvcr13pz.cgi?J+PZ+2+AYA0002+0+4+JP

【開発内容】
開発の背景:
1990年代以降、携帯電話などのモバイル電子機器の軽薄短小化、高機能・高性能化が急速に進む中、半導体などからの発熱をいかにして逃がすかが大きな課題になっていました。このように高い熱伝導性を有し放熱性と熱拡散性に優れた、薄くて軽い材料が強く求められている中、熱伝導率が銅の倍以上の結晶性グラファイトへの期待が高まっていました。また、実用化に際しては実装の高密度化と機器の薄型化に対応するため熱源の形状に沿うことができる柔軟性も要求されていました。

開発技術の概要:
当社では、1980年代後半から本開発に取り組み、特定の高分子(ポリイミド等)を特殊な方法で加熱し、残った炭素原子を再結晶化させて結晶性グラファイトを作る高分子グラファイト化法を開発しました。本開発により従来の炭化水素ガス堆積法ではできなかった薄板や柔軟性の付与を世界で初めて実現しています。また、層状の結晶構造であるため、その層方向では熱伝導率、弾性率、強度が物質中トップクラスの特性を有している一方で、厚さ方向の熱伝導率が層方向の約100分の1であり、熱伝導方向の制御も可能なグラファイトシートの実現に成功しました。

効果と産業への貢献:
柔軟性を有する結晶性グラファイトは低比重、高熱伝導性に加えて加工性の良さを特長とし、音響特性に優れたスピーカの振動板やノートパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレットや半導体検査装置の放熱/熱拡散材料として既に実用化しています。また、99.9%以上の炭素で構成されるため耐環境性、耐熱性にも優れ、ガス発生がないため、今後は半導体製造装置や医療機器、自動車、環境分野等の熱ソリューションとして新たな分野での適用が期待されております。

【パナソニックの取り組み】
当社では、上記で述べた開発技術を用い、携帯電話、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラなどの熱対策用部品である「PGSグラファイトシート (以下、PGS)」の量産化に成功、事業を展開しています。この度の産業分野で優れた技術開発・功績に対して授与される「大河内記念生産賞」受賞を機に、今後より一層のPGS事業の拡大、発展に向け取り組んでまいります。

PGSの特長:
優れた熱伝導性能で各種機器のヒートスポット(熱源)を抑制できます。さらに薄膜、フレキシブル(柔軟性)という特長を生かし、折り曲げて使用しても破損する心配がなく、折り返しや段差がある部分にも使用することが出来ます。
1.業界最高水準(※)の熱伝導率 
熱伝導率:700~1600W/mK ⇒アルミの3~6倍、銅の2~4倍(測定方法は、レーザーPIT法による)
2.薄膜・軽量
厚み:25~100μm
比重:1~2g/cm3
3.高い柔軟性
耐屈曲性試験 3万回以上(MIT試験機を用いた当社試験)
(※)2013年2月14日現在 薄膜熱伝導性シートとして(当社調べ)

今後の展開:
現在は、携帯電話をはじめとする通信機器をメイン市場に熱対策部品として使用されています。今後は、これまで培ってきた高分子フィルムのグラファイト化技術をベースに、本来の優れた熱伝導性に加え耐環境性能、耐熱性能、電磁シールド性能などPGSの強みを生かし、環境分野や医療機器関連など新たなアプリケーションへの展開を図ってまいります。当社では、これまでの携帯電話、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、パソコン、半導体製造装置等の用途のみならず、今後、熱対策のニーズが増加していくと考えられるLED(液晶バックライト、照明)や医療機器業界も視野に入れ、お客様が抱える様々な熱の課題に対してソリューションで熱対策をご提案してまいります。

【お問合せ先】
▼本件に関するお問合せ先
●報道関係お問合せ先
パナソニック株式会社 モノづくり本部 企画グループ TEL:06-6905-4530
パナソニック株式会社 デバイス社 経営企画グループ   広報・調査チーム TEL:06-6904-4732  
●商品に関するお問合せ先
http://panasonic.net/id/jp/contact/
●パナソニック株式会社 デバイス社 ホームページ
http://panasonic.net/id/jp/

▼関連情報
- 第42回 市村産業賞・功績賞『柔軟性を有する結晶性グラファイトの開発と実用化』
http://panasonic.co.jp/ptj/award/2010/42nd_ichimura.html
- パナソニックの技術・研究開発
http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/

【参考】
大河内記念生産賞について
[大河内記念会]
理化学研究所第三代所長 大河内正敏博士の学界、産業界への功績を記念し、1954年(昭和29年)に「生産工学の振興」に寄与することによって、日本の産業と科学技術の発展に貢献することを目的として設立されました。
[大河内記念生産賞]
生産工学、生産技術の研究開発、および高度生産方式の実施等に関する顕著な功績を表彰します。大河内記念生産賞は、生産工学、高度生産方式等の研究により得られた優れた発明または考案に基づく産業上の顕著な業績のあった事業体に対して贈呈されます。
(財団法人 大河内記念会 ホームページhttp://www.okochi.or.jp/hp/top.html の概要を引用)

【用語説明】
PGSグラファイトシートとは
http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/technology/topics/pgs/
熱分解により生成したグラファイトシートのことで、「PGS」はPyrolytic Graphite Sheetの略。高度な雰囲気制御、温度制御を行う超高温炉を用い、特殊な高分子フィルムを熱処理することによって高配向性のグラファイト構造を得る技術で実現している。熱伝導性、耐熱性、耐薬品性などに優れた性質をもつグラファイト材料である。1998年に熱伝導率700W/mKのPGSグラファイトシートを熱対策用シートとしてノートPCのバッテリー冷却用に使用されたのを皮切りに、携帯電話、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、パソコン、半導体製造装置などの様々なセットの発熱対策用に採用されている。

 

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会社概要

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URL
https://holdings.panasonic/jp/
業種
製造業
本社所在地
大阪府門真市大字門真1006番地
電話番号
06-6908-1121
代表者名
楠見 雄規
上場
東証プライム
資本金
2590億円
設立
1935年12月