仙台・東北の社会起業家伴走支援プログラム「TOHOKU SOCIAL IMPACT BOOSTER」の成果発表会を実施。大賞2名が決定!
Saccora Share Global株式会社 石頭悦氏と株式会社グリーディー 浜出理加氏が受賞
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株式会社ボーダレス・ジャパン(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:田口一成、以下:当社)と仙台市は、東北地域の社会起業家支援プログラム「TOHOKU SOCIAL IMPACT BOOSTER(以下:SIBプログラム)」の成果発表イベント「TOHOKU SOCIAL INNOVATION SUMMIT 2025」を2月11日(火・祝)に仙台市の仙臺緑彩館 交流体験ホールで開催しました。
本イベントは、仙台市が主催する2つのアクセラレーションプログラム「TOHOKU Social Impact Accelerator ビジョンコース(一般社団法人IMPACT Foundation Japan運営)」と「TOHOKU SOCIAL IMPACT BOOSTER(当社運営)」の採択者9名による事業ピッチを二部構成で実施しました。厳正なる審査の結果、Saccora Share Global株式会社 石頭悦氏と株式会社グリーディー 浜出理加氏の2名がSIBプログラムにおける大賞を受賞しました。
イベント概要
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名 称:TOHOKU SOCIAL INNOVATION SUMMIT 2025
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日 時:2025年2月11日(火)12:30-16:40 (交流会 17:00-18:00)
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場 所:仙臺緑彩館 交流体験ホール(仙台市青葉区川内追廻無番)
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主 催:仙台市、株式会社ボーダレス・ジャパン、一般社団法人IMPACT Foundation Japan
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共 催:仙台スタートアップ・エコシステム推進協議会
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後 援:青森県、秋田県、岩手県、山形県、福島県
イベントのハイライト
オープニングキーノート:株式会社Ridilover代表 安部敏樹氏
オープニングキーノートでは、株式会社Ridilover代表 安部敏樹氏が登壇し、社会課題解決の視点やイノベーションの可能性について基調講演を行いました。会場からはリアルタイムで質問フォームを通して多くの質問が寄せられ、「社会課題解決をよりその地域目線で行うには」「仲間集めの方法」など、オーディエンスの社会解決への熱量と関心の高さがうかがえるセッションとなりました。
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SIBプログラム採択者による事業ピッチ
Saccora Share Global 株式会社(岩手県滝沢市)石頭 悦氏
発表テーマ:「裂き織」が紡ぐ循環と共生の未来ビジョン
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岩手の伝統技術「裂き織」を活かし、作り手である障がい者と社会をつなぐ「ダイバーシティファブリック」を使い共生社会の実現を訴える石頭さん。発表では、これまで、オニツカタイガー、snowpeakなどの有名ブランドとのコラボレーション実績だけでなく、豪華客船の客室ではインテリアファブリックとしての採用決定、更に今後はハイブランドとの新たな展開もある点を示唆しました。
当日は、ヨウジヤマモトとのコラボレーション商品を自ら着用し、裂き織が持つ可能性をアピールしました。イベント後の交流会では裂き織商品の展示販売が行われ、来場者が裂き織を手に取り、その魅力を直に感じる場面が印象的でした。
2011年、裂き織製造を手段とした障がい者の就労支援施設「幸呼来(さっこら)Japan」を立ち上げ、福祉事業の枠組みで製造を行なってきましたが、福祉の枠組みで更なるインパクト創出が難しいという理由から、昨年新たに株式会社を立ち上げ。SIBプログラムで確立した「ダイバーシティファブリック」事業を通し、裂き織の価値をより多くの人へ届け、ソーシャルインパクトの拡大を目指します。
株式会社いちたす(宮城県仙台市)大窪 由衣氏
発表テーマ:大人の余裕が子どもの笑顔をつくる
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自身の幼少期の原体験からスタートし、現在は保育園向けのコンサルティングサービスを提供する株式会社いちたすを経営する大窪さん。
今回発表したのは、保育園経営者向けの事務のプロフェッショナル人材派遣サービス「じむぱす」。保育園経営者が専門知識を要する書類業務に追われる状況を改善し、保育の質向上に集中できる環境を作るための新たなサービスです。
SIBプログラムでは、継続的に保育園経営者へ向けたヒアリングを行ったことで、保育園経営者の本質的課題解決へ向けたビジネスプランを確立しました。ピッチの中では、経営コンサルティング事業を行う自社の強みを活かし、今秋頃のサービス開始へ向けた顧客開拓プランも発表。「大人の余裕をつくることは、子どもたちへの愛です」と語る大窪さんの言葉に、深く頷くオーディエンスの姿が印象的でした。
株式会社みんなのベース(青森県三戸郡階上町)河原木 俊幸氏
発表テーマ:障がい者雇用で地域貢献を実現する新しいCSRのかたち
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河原木さんは、軽度の精神障がいを持つ方々向けの住まい提供事業を長年展開してきました。
SIBプログラムでは、新たな就労支援として、高齢者支援サービス「テツダウ」を発表。地域企業と高齢者をつなぐ「共同組合」を構築し、障がい者の雇用機会を創出する仕組みを提案しました。法定雇用率の達成を目指す企業に代わり、河原木さんの「みんなのベース」が障がい者を高齢者の生活支援業務へマッチング。これにより、企業、障がいを持つワーカー、地域の高齢者すべてにメリットがあるモデルを目指します。
最終的には、自治体と連携し、この仕組みを企業の福利厚生制度の一部として組み込むことをゴールに据えています。まずは青森県八戸エリアでモデルケースを確立し、全国展開を視野に入れています。
株式会社グリーディー(宮城県仙台市)浜出理加氏
発表テーマ:女性×地域資源の可能性-「天然回帰」が生み出す未来-
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浜出さんは、地域資源を活用したアロマブランド「天然回帰」を展開し、地域で働く女性たちを取り巻く社会環境やジェンダーバイアスの課題に取り組んでいます。花や植物などの未利用の天然資源を再利用し、「女性の雇用創出」と「地域資源の再生」を両立するビジネスモデルを構築しました。
「天然回帰」は、既に新聞やメディアで取り上げられるほどの注目を集め、数々の商品展開を実現。今後は、日本各地の天然資源と女性の力を活かし、グローバルブランドとして世界展開を目指しています。
また、浜出さんが経営する「株式会社グリーディー」という社名には、「女性がもっと欲張りに、自分のやりたいことを諦めずに生きられる社会を作る」という思いが込められています。その思いに共感する社員たちも会場に駆けつけ、彼女の挑戦を支える姿が印象的でした。
株式会社Pallet(宮城県仙台市)羽山暁子氏
発表テーマ:地域で生きる女性があっぱれ!に働ける社会へ
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人事組織コンサルタント事業を行う株式会社Pallet代表の羽山さん。東日本大震災をきっかけに夫婦で東京から仙台へIターンした羽山さんは、地方特有の「ジェンダーバイアス」に違和感を覚えました。 SIBプログラムに参加した目的は、ポテンシャルの高い女性たちが、社会の固定観念によって自分の可能性を十分に発揮できずにいる現状を変えることでした。
事業ピッチでは、女性のリスキリングを通じたスキル向上と、そのスキルを活かして中小企業の人事機能をサポートする「スクラムワーク」の仕組みを構築し、地域での雇用循環を目指す新サービス「@Pallet HR(通称 あっぱれ)」を発表。女性たちが家庭やライフステージの変化に左右されず、自分らしく働ける社会を作ることを目指しています。
羽山さんのプレゼンテーションは、地域の女性を代表する使命感に溢れ、情熱とエネルギーに満ちた力強いものでした。会場でも共感の声が多く上がり、「あっぱれ」の取り組みに対する期待が高まりました。
現在、「あっぱれ」ではテスト導入を希望する企業を募集中。地域の企業と女性の新しい働き方をつなぐこのサービスが、今後どのように展開されるのか注目されています。
受賞者コメント
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Saccora Share Global 株式会社(岩手県滝沢市)石頭 悦氏
このたびの受賞に、大変驚くとともに心から嬉しく思っています。2020年にSIAで採択いただいた際にも大賞を受賞しましたが、その後の事業では思うようにスケールできず、試行錯誤を重ねてきました。「福祉の業界を飛び出さなければ、新たな可能性を広げることはできない」と強く感じ、今回新たなチャレンジとしてこの事業に挑戦しています。ゼロからのスタートという気持ちで、全力で取り組んでまいります。
株式会社グリーディー(宮城県仙台市)浜出理加氏
私は2019年にSIAに参加し、これまで個人の女性に寄り添い、「背中を1ミリ押す」サポートを続けてきました。しかし、それだけでは社会を大きく変えるには足りないと痛感し、会社としての力をつける必要があると決意しました。この過程で、スタッフには多くの苦労をかけましたが、ようやくここまで来ることができました。しかし、まだまだ道半ばです。これからも挑戦を続けてまいりますので、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。このような素晴らしい機会をいただき、心より感謝申し上げます。
イベント情報
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3月14日(金)に、福岡のソーシャルベンチャーパーク(当社オフィス)にて『MEET UP』を開催します。九州の企業との共創を目的に5名の採択者が事業のプレゼンテーションを行う予定です。
日時: 2025年3月14日(金) 18:30~21:00(受付開始:18:00~)
場所: ソーシャルベンチャーPARK
(福岡県福岡市中央区天神3丁目1−1 天神フタタビル 4階)
定員: 50名(応募多数の場合抽選・事前申込制)
参加費: 無料
主催: TOHOKU SOCIAL IMPACT BOOSTER 2024
(主催:仙台市、運営:株式会社ボーダレス・ジャパン)
イベント詳細はこちらをご覧ください。
当社は、今後も社会起業家の成長を支え、東北地域における社会的インパクトの拡大を目指してまいります。
株式会社ボーダレス・ジャパンについて:https://www.borderless-japan.com/
「ソーシャルビジネスで世界を変える」ことを目指し、社会起業家が集うプラットフォームカンパニーとして2007年3月設立。貧困・環境・教育・地方の過疎化など、様々な社会問題を解決する51の事業を世界14カ国で展開。2023年度の売上高は86億円を超える。社会起業家を次々と生み出すビジネスモデルを評価され、「グッドデザイン賞 ビジネスモデル部門(2019)」「大切にしたい会社大賞・審査員特別賞(2019)」「CSA賞〜20代に薦めたい「次世代型⼈材」創出企業〜」を受賞。
会社名:株式会社ボーダレス・ジャパン
所在地:福岡市中央区天神3-1-1 天神フタタビル4F
設立 :2007年
代表者:田口一成
事業内容:社会問題の解決を目的とした事業展開(ハーブティー事業、革製品事業、クラウドファンディング事業、ソーシャルビジネススクール事業)
仙台市について:
団体名:仙台市
代表者:郡 和子
所在地:宮城県仙台市青葉区国分町三丁目7番1号
担当部署:仙台市経済局スタートアップ支援課
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