マクロミルの独自手法!狙うべき戦略や方向性の判断に役立つ「 NPS(R)マップ」とは?(ニュースレター)
~ マーケティングパートナーとして顧客企業の戦略設計をサポート ~
NPS(R)は「ネットプロモータースコア: Net Promoter Score」の略で、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。企業経営の評価指標として採用を検討する企業が増えていますが、運用を始めると様々な課題に直面するという声も聞かれます。顧客企業のマーケティングパートナーを目指すマクロミルは、これらの課題を解消するために独自手法の「NPS(R)マップ」を考案しました。10月に開催された日本マーケティング学会主催「カンファレンス2021」でも発表した「NPS(R)マップ」 について概要をご紹介いたします。
<トピックス>
- NPS(R)の本質とスコアに関する課題に着目
- NPS(R)スコアの意味を理解しやすい「NPS(R)マップ」を考案
1.NPS(R)の本質とスコアに関する課題に着目
●そもそもNPS(R)とは?
評価対象のブランド毎に「おすすめ度合い」を11段階(0点~10点)で聴取し、回答結果から、批判者(0点~6点)、中立者(7点・8点)、推奨者(9点・10点)を設定します。この推奨者の割合から批判者の割合を引いた値がNPS(R)です。NPS(R)の結果は、企業の売上や利益、成長率などと相関があるとされています。
●立ちはだかるNPS(R)の課題
企業経営の評価指標として重要な役目を果たすことが期待されるNPS(R)ですが、実際に自社の評価に導入すると、以下のような課題に直面することが多い様です。
・自社のNPS(R)がマイナスになり、このマイナスがどの程度問題なのか分からない
・NPS(R)のスコアが良いのか、悪いのか、どのように解釈すべきか分からない
・NPS(R)を高めるための改善施策につなげられない
2.NPS(R)スコアの意味を理解しやすい「NPS(R)マップ」を考案
●マクロミルが立てた仮説
まず「批判者」「中立者」「推奨者」とはどのような状態なのか、この3つの関係性を整理することでNPS(R)の課題解決につながるのではないかと考えました。それぞれの状態を以下の様に定義しました。
- 【批判者】=製品やサービスに満足しておらず、推奨もしたくない状態
- 【中立者】=製品やサービスに満足しているが、推奨には至らない状態
- 【推奨者】=製品やサービスに満足し、推奨もしたいと思う状態
●マクロミルが考案した新しい分析手法「NPS(R)マップ」とは?
この「満足者充足率」と「推奨者充足率」を組み合わせて2軸のマップ上にプロットしたものを「NPS(R)マップ」と命名しました。このマップの中の「NPS(R)=0」のラインを表す曲線を境にどこにプロットされるかで、 そのブランドがユーザーにどのように評価されているか判断することができ、NPS(R)向上施策の方針を判断することができます。
<NPS(R)マップの基本仕様>
- 縦軸は「満足者充足率」=(中立者+推奨者)÷NPS設問回答者全体、横軸は「推奨者充足率」=推奨者÷(中立者+推奨者)
- 縦軸の100%から横軸の50%までにNPS(R)=0を表す曲線「NPS(R)ライン」を引く
- NPS(R)がプラスの場合、NPS(R)ラインの上側にプロットされ、NPS(R)がマイナスになる場合は、ライン下側にプロットされる
<NPS(R)マップの6つのゾーニング>
- 高ロイヤリティゾーン:ユーザーの半数以上が満足し、その半数以上が高い推奨意識を持つ。ユーザーのロイヤル化に成功。
- サティスファクションゾーン:ユーザーの半数以上が満足しているが、推奨度は低い。品質の低下や強力な競合の登場でマイナスに変わる可能性がある。
- 準NPS+ゾーン:ユーザーの半数以上が満足し、一定数の推奨者もいるが、プラスにまで至っていない。高ロイヤルゾーンに比較的近いポジション。
- 一般ゾーン:ユーザーの半数以上が満足しているが、推奨度が低い。満足者からファンへの育成が求められる。
- ニッチゾーン:満足者はユーザーの半数以下だが、一定のファン層を獲得している。戦略的にここに留まることも想定される。
- 低評価ゾーン:満足者もユーザーの半数以下、推奨者も獲得できていない。早急に満足者の獲得が求められる。
●NPS(R)マップでできること
NPS(R)マップにプロットされる自社のNPS®の位置を見ることで、戦略の方向性や判断に役立てられます。
1.自社のNPS(R)値の意味の理解
NPS(R)マップにプロットされる位置から、自社のNPS(R)値がどんな意味を持っているのか理解することができます。同じ「NPS(R)=マイナス20」でもプロットされる位置によって意味は異なり、NPS(R)の値だけ見ていては分からないことをNPS(R)マップが可視化します。
2.NPS(R)改善ための方針立案
NPS(R)マップにはNPS(R)がプラスになる境界線=NPS(R)ラインが記載されており、NPS(R)ラインと自社のNPS(R)の距離を 見ることで、NPS(R)をプラスにするために必要な方針を見つけられます。
3.NPS®の本質の理解
NPS(R)マップは「NPS(R)は結局何を表す指標なのか?」の仮説を提示するため、NPS(R)マップを元にNPS(R)の意味を考えると、「なぜNPS(R)が企業の成長率と相関するのか」の理由が感覚的に理解できます。結果として、NPS®を企業活動の指標として 活用する意味を見出すことができます。
●NPS(R)マップ考案者コメント / 株式会社マクロミル リサーチプランナー 内田智之
「NPS(R)は、聴取する設問が簡単で、かつ結果の算出も手軽に行うことができるため、多くの企業が導入を検討したり、実際に運用をしている手法です。しかし、解釈しにくい結果が出て、運用に苦労されているとの話もよく耳にします。
顧客企業のマーケティングパートナーを目指すマクロミルとして、そんな企業の皆さまの悩みを解消し、NPS(R)をより使いやすくするためにNPS(R)マップを開発しました。ぜひ、ご活用いただければと思います。
まだまだ、改良の余地もある手法だと思いますので、ご意見、ご要望等もいただけると嬉しいです。皆さまがより活用しやすくなるよう、 NPS(R)マップのアップデートを続けてまいります。」
<経歴>
電機業界専門紙の記者を経て、2002年にインタースコープ(現マクロミル)に入社。営業職、営業企画職を経験したのち、2009年よりリサーチャーとして、広告代理店や製造業、サービス業など幅広い業界を担当。専門統計調査士の資格を有し、現在はリサーチプランナーとしてクライアントへの調査企画・提案、設計や分析、勉強会など営業活動の支援を行う。
※当資料の著作権は、株式会社マクロミルが保有します。※掲載のデータを引用・転載される際は必ず「株式会社マクロミル」と出典を明記してご利用いただくようお願いします。また、引用・転載される際は問い合わせ先(press@macromill.com)までご一報ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像