【木更津高専】ICC TOKYO 2025 活動報告

プログラミング体験講座と講演を実施

独立行政法人国立高等専門学校機構

2025年12月4日 15時40分

概要

　木更津工業高等専門学校（千葉県木更津市　校長：先村律雄　以下「木更津高専」）は2025年11月11日（火）～14日（金）、ホテルニューオータニ幕張にて開催された内閣官房国家サイバー統括室およびICC日本開催準備委員会が主催するInternational Cybersecurity Challenge TOKYO 2025（ICC TOKYO 2025）に参加しました。本大会は、26歳以下の若手人材を対象とした国際的なCTF競技会で、世界各地の予選を勝ち抜いた8チームが集結し、暗号解析や脆弱性探索など高度なサイバーセキュリティ技術を競いました。大会期間中は競技だけでなく、サイバーセキュリティに関するカンファレンスや展示会も併催され、官民連携による人材育成のエコシステム創成に寄与することを目的としています。

木更津高専のプログラミング体験講座と講演

　木更津高専からは、教員3名（大枝真一、米村恵一、SAPKOTA Achyut）と学生5名が参加し、以下の取り組みを行いました。

1. プログラミング体験講座（11月12日～13日）

　小学生・中学生を対象に、視覚的に理解しやすい教材を用いたプログラミング体験講座を実施しました。受講者は、キャラクターが自分の書いたコード通りに動く様子に興味津々でした。思い通りに動かない場合には原因を考えながら試行錯誤する姿が見られ、論理的思考や課題解決の基礎を楽しく学ぶ機会となりました。

　この講座は単なる体験にとどまらず、将来的なサイバーセキュリティ人材育成の「入り口」として期待されています。また、学生にとっても、教える立場で説明の難しさを実感し、自身の知識を再確認する貴重な学びの場となりました。

プログラミング体験講座「初めてでも大丈夫！もぐらたたきゲーム作成にチャレンジ！」

2. 講演「木更津高専におけるサイバーセキュリティ人材育成の取組」（11月13日午後）

　米村恵一教授が登壇し、産官学連携による高品質な人材育成エコシステムの構築について、過去10年間の歩みと今後の展望を紹介しました。講演では、まず木更津高専を含む全国高専制度の概要を説明し、高度IT・セキュリティ分野に強みを持つ高専の教育体系や、サイバーセキュリティ教育を導入してきた経緯を解説しました。続いて、木更津高専で実施している授業の取り組みとして、基礎的なリテラシー教育から実践的演習へと段階的に学びを深める教育体制を紹介しました。さらに、学生が主体的に参加している国内外の大会出場、セキュリティツール・アプリケーションの自主開発といった実践的活動の事例や、学生がどのようにしてセキュリティ分野への関心を高め、知識を獲得しているかについて、具体的な例を交えて説明しました。

　木更津高専では、今後も地域や産業界との連携を強化し、次世代のサイバーセキュリティ人材の育成に積極的に取り組んでいく方針を示しています。

木更津高専関係者の活躍

　大会には、現役学生1名と卒業生3名の計4名が参加しました。各国代表チームのチームアジアに1名、CTF運営サイドに1名、講座のメイン講師に1名、講座・講演運営サイドに1名です。そこへ、講座を担当した教員3名と学生アシスタント5名を加え、計12名の木更津高専関係者が大会に関わりました。この人数は、これまでの取り組みの成果を象徴するものであり、関係者一同にとって大きな誇りとなりました。

まとめ

　ICC TOKYO 2025は、世界規模の競技会であると同時に、地域の情報教育支援や次世代人材育成の場としても重要な役割を果たしました。木更津高専は、今後もこうした取り組みを継続し、サイバーセキュリティ分野で活躍する人材の育成に貢献していきます。

木更津工業高等専門学校について

　木更津工業高等専門学校は、1967年に千葉県木更津市に創設された国立高専専門学校であり、これまでの約58年間で本科卒業生は8510名、専攻科修了生は769名に上り、国内外の様々な領域で幅広く活躍しています。本校の方針により、幅広い教養を基本とし、国際的視野を持ち、自ら考え決断する判断力、自ら工夫し新しいものを造り出す創造力、自らの信念に基づき困難にも屈せず遂行する実行力の三つの能力を備えた創造的エンジニアとしての人材の養成を目指します。あわせて、健康な身体と精神、豊かな情操を培い、各専門の科学技術発展と成果の基礎となる理論を十分に理解して、社会に貢献でき、広範囲に活躍する実践的技術者の育成教育に努めます。