三井不動産・東京電力エナジーパートナー、初の連携プロジェクト 「日本橋一丁目スマートエネルギープロジェクト」が着工
~既存ビル含めた約50万㎡の周辺地域へ、電気・熱の安定供給事業~
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田俊、以下「三井不動産」)と東京電力エナジーパートナー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長﨑桃子、以下「東電EP」)が2023年4月に共同で設立した三井不動産TEPCOエナジー株式会社(本店:東京都中央区、代表取締役社長:中出博康、以下「三井不動産TEPCOエナジー」)は、2024年4月1日、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業(以下「日本橋一丁目中地区再開発」)」にて、自立分散型のエネルギーセンターを導入し周辺地域に電気と熱を供給する事業(以下「本プロジェクト」)に着工いたしましたのでお知らせします。なお、本プロジェクトは2026年3月に竣工予定です。
【本プロジェクトの概要】 |
日本橋一丁目エリアの付加価値向上
・自立分散型のエネルギー拠点構築により、高い国際競争力を目指した街づくりに貢献
・新規再開発ビルに加え、既存の「日本橋一丁目三井ビルディング」や区指定有形文化財「日本橋野村ビルディング旧館」を含め、エリア全体にエネルギーを供給
街区全体の防災力を向上
・自立分散型電源として都市ガスを活用した大型CGS※1を採用し、広域停電時にもエネルギー供給を継続
エネルギーの地産地消とAIを活用したエネルギーマネジメントシステムにより省エネ・省CO2に貢献
・CGS発電時の廃熱を地域冷暖房に活用し、短時間で高効率な運転計画立案が可能なAIを導入したエネルギーマネジメントとあわせて、約25%のCO2排出量を削減※2
三井不動産と東電EPによる初の「スマートエネルギープロジェクト」
・「三井不動産TEPCOエナジー」を2023年4月に共同設立。本年4月着工、2026年度にエネルギー供給開始
※1 コージェネレーションシステムの略称。都市ガス等を燃料に電力と熱をオンサイトで製造し、総合効率の高いエネルギーを供給するシステム
※2 電気・熱供給設備を個別に保有する物件と比較した削減効果。エネルギーセンターからエネルギー供給を受けることでCO2排出量の削減が可能
■本プロジェクトの特長
(1) 日本橋一丁目エリアの付加価値向上
本プロジェクトは、日本橋一丁目エリアに自立分散型のエネルギー供給を行うことで、災害時の電熱供給を可能にすることと同時に、高い環境性能を実現することで日本橋一丁目の国際競争力をさらに向上させる取り組みです。供給先には、オフィス・商業に加えMICE※3、ビジネス支援施設を含むミクストユース※4型の大規模再開発である日本橋一丁目中地区再開発の新築ビルだけでなく、その街区内で保存される中央区指定有形文化財「日本橋野村ビルディング旧館」や、既存施設である「日本橋一丁目三井ビルディング」も含まれており、既存施設に対しても高いBCP※5機能を提供することで街全体の防災力と環境性の向上に貢献します。今後、近隣地区への供給拡大も検討しております。
三井不動産と東電EPは、今後も地域の特性・街の発展に応じたスマートエネルギープロジェクトに取り組み、安全かつレジリエントな街づくりを推進してまいります。
※3 企業の会議(Meeting)、企業等の行う勧奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関等が行う国際会議(Convention)、展示会・イベント(Exhibition/Event)の総称
※4 一つの建物、街区等に住宅、店舗、オフィス、文化施設など複数の用途をもたせること
※5 Business Continuity Planの略称。企業の事業継続計画
(2) 街区全体の防災力を向上
本プロジェクトでは、低圧から特別高圧までの幅広い電力供給を、既設ビルの設備を活かしながら行い、「複数回線受電※6」を構築することにより、既設ビルを含めた街全体に高い供給信頼度を付与します。
そして、主用となる大型CGSは高い耐震性能を備えた中圧ガスラインから供給される都市ガスを燃料としており、系統電力停電時にも都市ガスの供給が継続する限りCGSによる発電が可能です。災害時の供給先には、地域の防災拠点機能の核となる帰宅困難者のための一時滞在施設といった公益施設も含まれており、近隣エリアを含む街区全体の防災力向上に貢献します。
※6 平常時に受電している電力系統に加え、電力系統事故が発生した際のバックアップ用に別の電力系統からも同時に受電すること
(3) エネルギーの地産地消とAIを活用したエネルギーマネジメントシステムにより省エネ・省CO2に貢献
本プロジェクトで導入するCGSは、高いレジリエンス性を有するとともに、全電源平均の発電効率約46%※7に比べて高いエネルギー効率(発電効率48.6%※8、廃熱利用も含めた総合エネルギー効率77.8%)での運転による省エネを実現。電気・熱供給設備を個別に保有する場合に比べ、エネルギーセンターからエネルギー供給を受けることでCO2排出量を約25%削減します。加えて、特性の異なる3つのAIを搭載したエネルギーマネジメントシステムを導入します。無数にある運転パターンの中から、短時間(30分周期)で目的に合わせた30時間先の運転計画の立案を可能にし、熱源機等の高効率な運転を計画することにより、更なる省エネを実現します。即時対応が必要となるデマンドレスポンスなど様々なパラメーターを総合的に判断しなければならないエネルギーセンターのマネジメントを標準化し、専門技術者の確保が難しくなりつつある中、サステナブルなエネルギーセンターの運営を可能とします。
※7 省エネ法における電力の一次エネルギー換算係数に基づく
※8 メーカーカタログ値に基づく
(4) 三井不動産と東電EPによる初の「スマートエネルギープロジェクト」
三井不動産と東電EPは「脱炭素社会」の実現に向けて、2021年度より、三井不動産や入居テナントへの「グリーン電力提供サービス」等で連携してまいりました。2023年4月に「三井不動産TEPCOエナジー」を共同設立し、今般「スマートエネルギープロジェクト」に着工いたしました。両社は、三井不動産TEPCOエナジーを通じて、都心における街の防災力と環境性能の向上に取り組んでまいります。
■エネルギーセンター概要
着工日 | 2024年4月1日 |
供給開始予定時期 | 2026年4月 |
設置場所 | 日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 建物内 |
供給対象面積 | 約38,000㎡ |
供給対象延床面積 | 約478,000㎡ |
本プロジェクトは、三井不動産TEPCOエナジーがCGSを中心とするエネルギーセンターを設置し、電気と熱の地産地消により、環境に優しく、災害に対して強靭な街に深化させる取り組みです。都市の安心・安全の確保と環境負荷の低減を行い、持続可能な社会の実現を目標とするSDGsの達成に貢献します。
■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」、2023年3月には「生物多様性」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。
<参考>
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/
・「三井不動産グループ 生物多様性方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2023/0413/
■東京電力EPのカーボンニュートラル社会の実現に向けた貢献
東京電力グループは、お客さまに販売する電力由来のCO2排出量を2030年度に2013年度比で50%削減、2050年におけるエネルギー供給由来のCO2排出実質ゼロ、を目標に掲げ取り組んでいます。東電EPは、多彩な再生可能エネルギーメニューの提供を通じて、各種制度への対応や安定的な電源の確保等、再生可能エネルギーの活用におけるお客さまの様々な課題を解決し、お客さまとともにカーボンニュートラルの実現に向けて貢献してまいります。
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における5つの目標に貢献しています。
目標 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
■三井不動産TEPCOエナジー株式会社 会社概要
会社名 | 三井不動産TEPCOエナジー株式会社 |
所在地 | 本店:東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 |
設立 | 2023年4月26日 |
資本金 | 100百万円 |
代表者 | 代表取締役社長 中出 博康 |
株主 | 三井不動産株式会社 東京電力エナジーパートナー株式会社 |
■「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」概要
事業名 | 日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 |
施行者 | 日本橋一丁目中地区市街地再開発組合 |
所在地 | 東京都中央区日本橋一丁目30~32番(地番) |
区域面積 | 約3.0ha |
A街区 | B街区 | C街区 | |
敷地面積 | 約1,370㎡ | 約2,060㎡ | 約15,560㎡ |
延床面積 | 約5,100㎡ | 約6,500㎡ | 約368,700㎡ |
用途 | 業務施設、商業施設 | 住宅、商業施設 | オフィス、商業施設、ホテル、居住施設、MICE施設、ビジネス支援施設、駐車場等 |
階数/最高高さ | 地上4階、地下1階 約32m | 地上7階、地下2階 約31m | 地上52階、地下5階、塔屋3階 約284m |
設計/施工 | 都市計画・事業コンサルタント・基本設計・実施設計・監理:株式会社日建設計 デザインアーキテクト:株式会社日建設計、PELLI CLARKE PELLI ARCHITECTS,INC. 施工:日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業建設共同企業体 |
交通 | 東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅直結、都営地下鉄浅草線「日本橋」駅直結 東京メトロ半蔵門線「三越前」駅徒歩3分、JR線「東京駅」徒歩10分 |
全体竣工 | 2026年3月末(予定) |
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