ゆかりの絵画が小学校へ~兵藤和男《樹と道》北方小学校に寄贈~
横浜に生まれ、横浜で活動した画家・兵藤和男は20歳の頃、40歳の頃、さらに60歳を過ぎてからも、一本の大きな樹を描き続けました。8年前に92歳で亡くなりましたが、その樹は今も生きています。それが北方小学校(横浜市中区)の東門脇にそびえ立っている椎の老樹です。
兵藤氏は病気で車椅子の生活になってから、一度この椎の樹を見に来ています。もう何年も言葉を口にすることがなかったのに、「ありがとう、ありがとう、ありがとう!」と、この樹に向って三回お礼を言いました。兵藤氏が生涯にわたって描き続けたこの樹への思いは、「この樹の周りを私の画家人生は巡っているみたいな感慨」と、画家自身が言葉にしています。
このたび兵藤氏のご遺族により、この樹を描いた油絵作品《樹と道》(1983年)が、大佛次郎記念館(横浜市中区)の特任研究員・猿渡紀代子の仲立ちにより、北方小学校に寄贈されました。
北方小の今野裕子校長は「このたびは本校にゆかりある絵画を寄贈いただき、うれしく思っています。新型コロナウイルスの影響で長らく休校を余儀なくされましたが、6月から学校再開にあたり、兵藤さんのこの画のエネルギーを子どもたちに感じてほしいと、校長室ではなく玄関に展示を決めました。ぜひ本物の樹といっしょに見てください。」と話しています。
画家・兵藤和男(1920-2012)について
輸出用絹物を商う家に生まれ、神奈川区に住む。一貫して独自の道を歩み、海岸通りや本牧など横浜の風景を多く描いてきた。作品は横浜美術館や神奈川県立近代美術館に収蔵されているほか、横浜市立大学附属病院(金沢区)の入口ホールでも見ることができる。第50回(平成13年度)横浜文化賞受賞(芸術)。
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