インドネシアの大手送り出し機関 「すらら にほんご」で日本語教育のデジタル化へ ~年間2,000人の送り出し体制へ~
AIを活用したアダプティブなICT教材を開発・提供する株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役:湯野川孝彦)は、日本語学習ICT教材「すらら にほんご」を、インドネシアの送り出し機関Fuji Academy Jembrana校(以下 フジアカデミー・ジュンブラナ校)に導入しました。すららネットでは、同校の年間約1,000人から2,000人規模への送り出し体制の拡大を見据えた日本語教育のデジタル化を「すらら にほんご」で支援します。

フジアカデミーは、日本での就労を目指す人材を育成・送出する大手送り出し機関です。日本で福祉事業等を手掛けるキャレオス株式会社(本社:広島県福山市)が運営しています。2026年6月に開校したフジアカデミー・ジュンブラナ校では、現在特定技能の在留資格で就労を目指す45人が第1期生として学習しています。9月には第2期生も入学し、新たに学習をスタートしました。
在留インドネシア人の約8割が技能実習と特定技能 人材送り出しの拡大で、日本語教育の質の確保が課題に
2025年末時点で、日本の在留インドネシア人は前年の33.2%増の266,069人と過去最高になりました。そのうち、特定技能・技能実習生の合計は21万1,922人79.7%を占めます。日本に暮らすインドネシア人の約8割が技能実習と特定技能での在留であり、インドネシアは日本の産業を支える主要な人材送出国の一つです。
人材の送り出しが拡大する一方、インドネシア現地では日本語教員の採用競争が激しく、特に地方部では、日本語力と指導経験を備えた教員の確保が難しくなっています。また、教員の経歴や指導経験にも幅があることから、複数の教育拠点で同じ水準の日本語教育を提供することが課題となっています。
地方校でデジタル化による日本語教育の品質維持をめざす
フジアカデミーは、バリ島とジャワ島で日本語教育や生活指導を行い、8校目となるジュンブラナ校をバリ島西部に開校しました。同校はバリ島中心都市のデンパサールから車で約3時間離れており、地方校でも指導担当者に左右されない均一で質の高い日本語教育環境の整備と、本部からリアルタイムに学習状況をモニタリング・フォローできる体制の構築が求められていました。
学習進捗がオンラインでモニタリング可能 地方校への遠隔支援に役立てる
フジアカデミー・ジュンブラナ校では、海外送り出し事業の中核となる日本語教育において、初の試みとしてデジタル教材「すらら にほんご」を授業の中心に置きました。生徒は「すらら にほんご」を使って文字や文法を自立学習スタイルで学びます。教員は学習ログを確認し、生徒一人ひとりの理解が不十分な学習箇所について、解説や復習を行っています。
「すらら にほんご」の学習管理画面には、ジュンブラナ校に加え、デンパサール本部や他校舎からもアクセスできます。各拠点で、相互に生徒の学習進捗やテスト結果を随時確認できます。日々の指導はジュンブラナ校の教員が担い、学習状況や理解度に応じて生徒を支援します。デンパサール本部や他校舎の担当者にも学習ログを共有し、必要に応じて助言や授業計画の調整を行います。
これにより、地方部の新規校を双方向で支援する体制を整え、教員の指導経験に左右されにくい、一定の水準での授業運営を目指します。

介護やドライバー人材を目指す45人がN4レベル合格目指す
フジアカデミー・ジュンブラナ校では、第1期生の45人が「すらら にほんご」を活用した日本語学習の中でJLPT N4またはJFT-Basic A2レベルの合格を目標に学習し、併せて分野別の技能測定試験の対策にも取り組んでいます。一般コースである介護職を目指す27人に加え、特定技能「自動車運送業」を目指すドライバー養成コースを18人が受講しています。2024年に自動車運送業が特定技能制度の対象分野に追加されたことを受け、外国人ドライバー候補生への日本語教育へのニーズも高まっています。9月には第2期生も入学し、新たに学習をスタートしています。
<教師と生徒の皆さんからのお声>
フジアカデミー ヌリマム・アルフィアン・フザイン先生 コメント

「すらら にほんご」を導入する以前は、学習の進みが遅い生徒への対応や、一人ひとりの理解度を把握しながら授業を進めることに難しさを感じていました。
「すららにほんご」を導入後は、生徒ひとりひとりの学習状況を確認しやすくなり、生徒自身も自分のペースで学べるようになったと感じています。特にミニクイズやランキング機能は、復習だけでなく学習意欲を高めるうえでも役立っています。従来のテキスト中心の授業と比べ、生徒がクイズや語彙学習により積極的に取り組む姿も見られます。
教員にとっても教材準備や進捗確認の負担が軽減され、生徒へのフォローに時間を使いやすくなりました。今後も、生徒の主体的な学びを支える教材として活用していきたいです。
生徒名 アユ・プトゥ・アリ・ノヴィ・アドニャニさん コメント
「すららに ほんご」を使ってみて、日本語学習は想像していたほど難しくないことに気づきました。教材は段階的に構成されているので理解しやすく、いつでも好きな時に勉強でき、理解できない部分を繰り返し学習できるのも魅力です。

生徒名 イ・ゲデ・アグス・ウィヤドニャナさん
「すらら にほんご」のレクチャーとミニテストのおかげで何を学んでいるのかが分かりやすくなりました。ミニテストを行うことで、レクチャー内で出題されていた質問の理解が深まり、答える自信がつきました。KKM(目標点)を下回ったとしても、時間内に正しく理解して課題を完了できたことを誇りに思います。スコアがKKMを下回った場合は、テストに再挑戦することでき、理解できるまで学習するようになりました。

年間1,000人から2,000人規模へ 実証結果を既存校と新設校へ展開
フジアカデミーでは日本語教育・学習管理のDX化を目指しています。ジュンブラナ校では、「すららにほんご」を活用し、日本語学習の成果とともに、教員の指導・管理負担の軽減や、遠隔で学習状況を管理する仕組みの有効性を検証します。一定数の人材を継続的に送り出す育成機関の多くが全寮制である一方、ジュンブラナ校は通学制のため、学習時間や進捗の管理が課題となっていました。こうした環境下でも、第1期生のほとんどが、入学から4か月を経過した現在も計画した学習内容を着実に進めています。この状況を受け、9月に入学した第2期生にも引き続き「すらら にほんご」を活用したデジタル教育を採用しています。
今後は、ジュンブラナ校での成果を踏まえ、他地域の既存校や新たに開設する学校への展開を進め、年間約2,000人規模の人材を送り出す体制の構築を目指します。
すららネットでは、今回の取り組みを通じて、日本語教員不足の中でも教育品質を維持できる、送り出し機関向けの教育モデルの知見を蓄積し、同様の課題を抱える国内外の送り出し機関への展開を進めてまいります。
<日本への送り出し機関とは>
送り出し機関は、技能実習制度や特定技能制度に基づき、現地で日本への就労を目指す人材を育成する機関です。日本語、ビジネスマナー、日本での生活に必要な知識などを教えます。候補者の選抜や教育、就労先との調整、渡航に必要な手続きも担います。
■Fuji Academy(フジアカデミー)について
フジアカデミーは、日本で福祉事業等を手掛けるキャレオス株式会社(本社:広島県福山市)が運営し、インドネシア政府認定の送り出し機関として、日本での就労を目指す人材に日本語教育と職業訓練を行っています。日本の文化や生活習慣、働き方も指導。介護、建設、製造、飲食料品製造など幅広い業種に対応し、来日前の育成から企業とのマッチング、来日後の生活・就業支援まで一貫して提供しています。2017年の設立以来、2026年8月現在の送り出し人数は1,600人を超えています。
■日本語学習ICT 教材「すらら にほんご」
「すらら にほんご」は、日本語を学ぶ外国人を対象としたICT教材です。学校で学ぶ児童生徒だけでなく、日本語学校や海外の教育機関、就労を目指す外国人など、幅広い学習者に利用されています。日本国内では、2025年から全国の夜間中学を中心に、学習塾などでも導入が拡大しています。日本語教育分野での取り組みが評価され、第22回日本e-Learning大賞 日本語教育特別部門賞を受賞しています。
コンテンツは、学習者のレベルに応じて基礎から応用まで段階的に学べる構成となっており、書写機能を使って文字を書く練習も可能です。また、漢字学習コンテンツ「Hi! Kanji」では、漢字を視覚的・感覚的に学ぶことができます。全てのコンテンツは、意味を母語で確認しながら学習できるため、初学者でもゼロから一人で学び進めることができます。さらに、アニメーションキャラクターの登場やゲーミフィケーションの要素を取り入れ、学習意欲を高める工夫も多数搭載。世界中どこにいても、正しい発音で日本語を体系的に学べるのが特長です。2026年7月に対応言語を14言語へ拡大し、20か国以上の外国にルーツを持つ学習者が、母語で日本語を学べる環境を整備しました。

■すららネットの海外展開とインドネシアでの歩み
すららネットでは、JICAの「中小企業海外展開支援事業」に採択されて2015年から約2年間、国立インドネシア教育大学(UPI)と連携した官民連携事業を展開した後、現地の私立学校を中心に算数・数学教材の導入を推進、2022年から2023年にはアジア開発銀行と連携し、公立中学校で約10,000人の生徒にデジタル学習教材を活用した教育の機会を提供しました。2023年からは新たに開発した日本語学習ICT教材「すらら にほんご」の実証事業をインドネシアで開始し、2024年より職業高校・送り出し機関等、様々な利用者の幅も広がっています。
当社の教材開発力、教員研修や授業運営ノウハウと蓄積されたコンサルティング力が、インドネシアの教育課題解決に貢献することを目指しています。

■株式会社すららネット
すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念に掲げ、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すらら」「すららドリル」などを開発・提供しています。現在、国内の3,100校以上の学校や学習塾で導入され、約26万人の児童生徒が利用しています。全国の公立学校や有名私立学校、大手塾での活用が広がる一方、不登校や発達障がい、経済的困難な状況の子どもたちにも学習機会を届けることで、教育課題の解決に取り組んでいます。2017年には、代表的な EdTech スタートアップ企業として東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場しました。
・コーポレートサイト https://surala.co.jp/
・サービスサイト https://surala.jp/
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