LIFULL ArchiTech、ミャンマー地震被災地にわずか数時間で設営可能な「インスタントハウス」で住環境支援を開始

現地企業や支援ネットワークと連携し、迅速かつ快適な空間を提供

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL ArchiTech(以下、LIFULL ArchiTech)は、2025年3月28日に発生したミャンマー地震の被災地支援の一環として、わずか数時間で設営可能な「インスタントハウス」の現地展開に向けた取り組みを開始しました。

今回の活動では、今後の継続的な支援に向けた検証も兼ね、現地スタッフへの技術指導も実施しました。今後はこの検証結果を踏まえ、被災地支援にとどまらず、資材調達や技術指導による雇用創出などを通じて、ミャンマーの復興に貢献してまいります。

ミャンマー地震被災地に「インスタントハウス」を試験導入

LIFULL ArchiTechは、ミャンマーの建機・レンタル企業であるダイヤモンド・レンタル・ミャンマー株式会社(本社:ミャンマー、ティラワ、以下DRM)と連携し、同社ティラワ拠点にて「インスタントハウス」の技術検証を実施しました。現地の高温多湿な気候環境や、設営に必要な人員・資機材の検証を行い、施工性、耐候性、居住性のいずれにおいても日本国内同様に高い適応性が確認されました。

特に、仮設住宅として求められる断熱性能と耐久性、また限られた人員・時間で施工できる合理性について、現地関係者からも高い評価を得ています。今後は、ミャンマー国内の支援団体と連携しながら、より実用的な形での導入に向けたステップを進めていく予定です。

避難所訪問と現地支援者との協議

LIFULL ArchiTechは、被災地であるサガイン地域およびマンダレー市を訪問し、避難所で生活する住民へのヒアリング調査を実施しました。現地では多くの人々が避難用テントや木やヤシの葉で作られた空間を一時的な避難場所として利用しており、生活空間の確保と衛生環境の改善が急務となっています。

ピンウーリンに位置する寺院「Taung Pu La Pagoda」では、現在およそ120名の戦災・震災孤児を受け入れ、支援をおこなっています。同寺院の責任者である僧侶Ashin Pyin Nyar Bawga氏と協議を行い、同氏が進める孤児の支援や震災被災者への住宅支援活動に「インスタントハウス」を組み込む方向で調整を開始しました。今後は寺院とのネットワークに加え、民間支援団体、教育機関、地方自治体などとの連携も視野に入れ、幅広い展開を模索しています。

支援の背景

2025年3月28日にミャンマー中部で発生した地震(マグニチュード7.7)は、サガイン地域を中心に建物倒壊やインフラの破損を引き起こし、数千人が避難生活を強いられています。特に、住宅を失った人々にとっては、気温40度を超える猛暑の中での避難生活が心身の大きな負担となっており、仮設住宅の整備が喫緊の課題です。

LIFULL ArchiTechは、住環境分野における知見と技術を活かし、被災者の安全と尊厳を守るための住まいを迅速に提供することを目指しています。既存の支援インフラが十分でない状況下で、民間企業として柔軟かつスピーディーな支援を展開していく意義は大きいと考えています。

インスタントハウスの特徴と今後の活用シーン

「インスタントハウス」は、テントシートを空気で膨らませた後、内部から断熱材(硬質発泡ウレタン)を吹き付けて施工します。わずか数時間で設営が可能であり、専門技能を必要としないシンプルな施工性に加え、優れた断熱性・耐久性・耐震性・耐風性を備えています。

その特徴から、避難所の居住空間や医療救護室、コミュニティスペース、備蓄倉庫、ワークスペースなど幅広い用途に活用できる汎用性を持ち、現場ごとのニーズに応じて設備やサイズを調整することが可能です。

これから雨季が本格化するミャンマーでは中長期的な仮設住宅が不足しており、被災者が安心して暮らせる空間づくりが急がれています。LIFULL ArchiTechは、こうした現状を踏まえ、単なる一時的な避難空間ではなく、人間らしい生活を送るための住環境の提供を目指します。

プロジェクト企画者 LIFULL ArchiTech 取締役COO 山中典 コメント

2025年3月28日に発生したミャンマー地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く、落ち着いた日常が戻ることを願っております。

現地を訪れ、避難所で生活されている方々のお話を伺う中で目にしたのは、暑さや雨、プライバシーのない生活といった厳しい環境の中でも、静かに前を向き、復興に向けて歩みを進めている人々の姿でした。

私たちがお届けするインスタントハウスは、わずか数時間で設営でき、断熱性や耐候性を備えたちいさな住まいです。決して完璧な解決策ではありませんが、こうした状況下で、少しでも安心して過ごせる空間となる可能性を、現場で確かに感じました。

今回の活動では、「支援を届けること」だけでなく、「支援の力を現地に残すこと」も重要であると考えています。資材の現地調達や施工技術の共有によって雇用を生み出し、この取り組みが地域に根づき、自律的な復興の一助となるよう取り組んでまいります。

ひとつひとつのインスタントハウスが、誰かにとっての希望の場となれるように、今後も現地のパートナーの皆様と力を合わせ、必要とされる場所へ支援をお届けしてまいります。

国立大学法人名古屋工業大学大学院建築・デザイン分野/高度防災工学研究センター教授、株式会社LIFULL ArchiTech代表取締役社長 北川啓介氏 コメント

このたびのミャンマーにおける大地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

私たちは、政治的な立場や国境の違いに左右されることなく、ただ「住む場所が必要な人のもとへ届けたい」という一心で、日本からとミャンマーからのご関係の皆様と気持ちをひとつにして、インスタントハウスをミャンマーへお届けいたしました。発災から1ヶ月が経ち、現地では内戦が再燃し、多くの国際支援団体が帰国を余儀なくされる中、その後に現地に入り、被災された方々と直接向き合いながら住まいを届けることができたことは、私たちにとっても大きな意義高い機会となりました。

インスタントハウスは、安価で丈夫、そして快適なだけでなく、誰でも建てられるように設計された住まいです。今回は、ミャンマー現地の職人の皆さまに施工技術を丁寧にお伝えし、「自分たちの手で家を建てる力」を共有することができました。施工技術はその場で終わることなく、地域内で伝承され、今後は被災者のみならず、住宅に困難を抱える多くの方々にとっての助けとなってまいります。

「住まい」とは単に雨風をしのぐための場所ではなく、「生きることへの希望」をつくる場なのだということでした。

今後も、インスタントハウスのお届けに際して、ミャンマーをはじめとする住まうことへ困難な状況にある世界中の人々のもとへも駆けつけ、ただ家を「届ける」のではなく、家を「建てる力」をも共に育んでいく存在であるべく、最大限に尽力してまいります。

ダイヤモンド・レンタル・ミャンマー株式会社 代表取締役 青木宏文氏 コメント

このたびミャンマーで発生した大地震にて被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

ダイヤモンド・レンタル・ミャンマー株式会社はこの度、「インスタントハウス」を提供、展開している、名古屋工業大学北川研究室および株式会社LIFULL ArchiTechとの、ミャンマーにおける協業をはじめました。

2025年3月28日発生のマンダレー大地震によって、数十万の方々が被災され、現在も尚、数多くの皆さんが窮屈で不衛生な生活を余儀なくされております。2020年代に入り、コロナ禍やクーデター等々、情勢が激変しているさなかの「大地震」。そのような世情でも、従来の温厚で柔和な国民性を失わず、必死に生活しておられる皆さんに少しでもお役に立てればとの思いで、協業開始を決断しました。

良好な住環境の提供はもとより、医療関係者の皆さまや患者さん向けの空間の提供、心のよりどころである宗教施設、教育施設への仮設空間の提供等々、様々な可能性に迅速にトライしていきたいと考えております。

ダイヤモンド・レンタル・ミャンマー株式会社について(URL:https://www.d-rental.com/)

ダイヤモンド・レンタル・ミャンマーは、ミャンマー・ヤンゴン地域とティラワ経済特区に拠点を置く建設機械レンタル会社です。2015年に設立され、クレーンやフォークリフトなどの重機や設備のレンタルを提供しています。ヤンゴンの商業施設建設やインフラ整備プロジェクトに携わり、現地の建設業界で信頼されるパートナーとして安全・高品質なサービスを提供しています。現在、102名のスタッフが在籍し、ミャンマーの発展に貢献しています。

インスタントハウスについて(URL:https://instantproducts.lifull.net/house/

インスタントハウスは、2011年3月東日本大震災での被災地支援をきっかけに名古屋工業大学大学院の北川啓介教授の研究をもとに、LIFULLと名古屋工業大学大学院による産学連携協定にて開発した新しい構築物です。

土地に定着していないため非建築物扱い※となり、建築物のような制約がなく、さまざまな土地に設置できます。テントシートを空気で膨らませ、内側から断熱材に使用されている硬質発砲ウレタンを吹き付け施工します。

シンプルな工法で1棟あたりわずか数時間で建設可能なだけでなく、断熱性や耐久性に優れ、さらに耐震性や耐風性をあわせ持つことから、ワークスペースや宿泊スペース、避難所の医療救護室やコミュニティの休憩所、断熱を要する備蓄倉庫などにも活用できます。

※ 行政判断によって見解が異なる場合もあります。

株式会社LIFULL ArchiTechについて(URL:https://lifull.com/company/group/lifull-architech/

名古屋工業大学大学院工学研究科の北川啓介教授の研究を用いて主に①インバウンド増加に伴う宿泊施設不 足、②空き家の利活用、③災害時の住宅供給の課題を解決できるソリューションを開発し、それらに貢献する事業を展開しています。 「ArchiTech」とは「Architecture」+「Technology 」の造語であり、建築技術によって世界を革進していくことをミッションとし、革進していくための技術を開発します。

株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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会社概要

株式会社LIFULL

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URL
https://lifull.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月