<集会レポート>生活クラブ共済連が2027年の介護保険制度改定にむけ介護保険改悪を止める院内集会を開催
生活クラブ共済事業連合生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、会長村上彰一、以下生活クラブ共済連)は、2027年度の介護制度改正が制度改悪とならないよう、院内集会を2025年11月13日(木)に東京都千代田区の衆議院第一議員会館大会議室にて開催しました。集会には生活クラブの組合員、関連団体など約170名が参加、介護事業経営者や認知症の家族を持つ方などが、現場の大変さ、制度改正への懸念点などを語り、各政党議員と厚生労働省の方々に直接声を届けました。いま厚生労働省を中心に審議中とされる内容について登壇者からは 「体は元気でも、認知症で要介護1,2の人を軽度者とするなどありえない」「利用者の負担を増やす改正は介護利用控えにつながり、ひいては介護の重篤化にもつながる」「介護報酬を引き上げずに人材確保は不可能」などの意見が続出しました。

会場には立憲民主党の大河原まさこ氏、小山展弘氏、長谷川かいち氏、まのさとし氏、いちき伴子氏、大塚さゆり氏、かわはらだ英世氏、国民民主党の小林さやか氏、日本共産党の田村貴昭氏、れいわ新選組の天畠大輔氏、社民党の福島みずほ氏、ラサール石井氏ら国会議員の参加も多数あり、「介護制度を崩壊させないために手を取りあいましょう」「これからも、ともに訴えていきましょう」と力強いお言葉をいただきました。集会の終わりには参加者を代表して生活クラブ共済連の小寺浩子と並木道代から、厚生労働省に要望書を提出しました。
<要望書概要>
①ケアマネジメントの 10 割給付の維持
②在宅介護を支える訪問介護・通所介護の地域支援事業への移管に反対
③利用者負担の現状維持と低所得者への対策
④訪問介護の基本報酬を引き上げ
⑤人材不足が危惧されるケアマネジャー、ホームヘルパー、介護職員を増やすため、実効性のある施策づくり
<登壇者コメント>
■介護の崩壊をさせない実行委員会座長 山木きょう子氏
介護職員の人材確保は待ったなしです。2026年には240万人、2040年には272万人の介護職員が必要となります。介護職は利用者の命を支える専門職であるにもかかわらず、全産業の平均給与よりも約7万円も低いのが実状です。処遇改善加算と国は言いますが、それは一時的なことであり、取組みが15年たった今も、実質的な賃上げに全くつながっていないことは歴然たる事実です。このままではサービス、事業所の存続も難しいのが現状です。すでに、「制度はあってもサービスはなし」という状況を突きつけられています。改めて、被保険者の保険料負担が過重とならないよう、介護の担い手が持続可能なものになるよう、財政支援、国費による負担割合の引き上げを強く望みます。

■NPO法人ACT 関本ユウ子氏(介護ワーカーズ代表)
軽度でもケアを必要としている方は大勢おり、そういった案件は最近大手の事業所は引き受けてくれないので、我々のような小さなところに依頼が来ます。また、利用者や地域に寄り添った支援をしてきたにもかかわらず、人材不足や介護保険の不安定さに立ち行かなくなり、やむなく閉鎖になった事業所もたくさんあります。必要とされる方には過不足のない支援が行き届きますように、そして働く私たちも安心して、希望を持ってこれから仕事を続けていけるよう願っています。

■社会福祉法人悠遊 山田健介氏(事業所経営者)
介護保険法第1条には、高齢者への福祉サービスは「国民の共同連帯」という素晴らしい理念があったはずですが、3年ごとの改定のたびにこれが骨抜きになってしまっています。現在、食費のみならず、光熱費、燃料費など、あらゆるものが上昇しています。おそらく令和6年度の改定時には、ここまでの物価上昇は想定していなかったのではないでしょうか。ぜひ介護報酬改定の前倒しをし、令和8年度中に見直ししてほしいです。例えば「介護事業所経営安定臨時加算」というようなものを設定して、即時的な財政支援をしていただきたいです。

■社会福祉法人生活クラブ風の村 梅津直美氏(事業所代表)
ケアマネ不足は本当に深刻で、20人募集しても1人しか応募がないのが現状です。1人採用するにあたり、約100万円のコストがかかり、事業所には大きな負担となっています。また、事業所によっては介護福祉士より給料が安いという逆転現象が起きている場合もあります。このまま人材不足が続けば、介護を受けたくても受けられない時代が来てしまいます。

■株式会社百笑一輝 清家真知子氏(事業所経営者)
相談の一例ですが、「何日もご飯を食べていない、お金を盗まれてお金がない」 という方から電話が来て、急いで駆けつけると痩せ細った老人がいました。ゴミ屋敷から通帳が見つかり、1食300円で提供している、うちの事業所の朝ご飯を提供しました。彼は認知症ですが、日常生活の動作はできます。この人は要支援1.2です。もし制度改正で要支援1.2がケアの対象外になってしまったら?この人はどうなるのでしょうか。

■佐々木元子氏(認知症の人と家族の会東京都支部代表)
認知症の人が要介護1.2である段階は、実は最も介護が難しい時期です。体はしっかりしていても、判断力や記憶の障害があり、同じ食材を何度も買ってしまう、外出したまま帰れなくなる、ガスの火を消し忘れる、そういったことが増えていきます。体は動く分、行動範囲が広く、リスクが高まります。家族にとってもこれまでと違う言動に戸惑い、どう対応したらいいか分からず、ストレスや疲労がたまります。今回の改定では、こうした方へのケアを地域のボランティアに頼ろうとしていますが、専門的な対応が必要な方なのです。

■日本共産党 田村貴昭衆議院議員
訪問介護所がゼロまたは1という自治体が全国でどんどん増えており、全体の22%にも及んでいます。厚生労働大臣が「自分の自治体にない場合は隣の自治体に行っていただきたい」と答弁していましたが、離島ならどうするのか。行ったら、行ったでその地域の介護を必要としている人が今度は締め出されてしまいます。こういった事態が実際にもう起きているのに、この問題に対する政府の回答がまだない状況です。公費負担5割のうち、国が負担するのは現在25%、これを35%にし、公費負担を6割にしないと今日出ている問題は解決されません。改正を待たずに抜本的な見直しを行ない、社会保障を国の中心にすべきです。
■立憲民主党 大河原まさこ衆議院議員

私自身もこんなに早くこの介護保険を使うことになると思いませんでした。使ってみて、改めて介護保険制度は生命維持装置であると思います。(某ドラマ主題歌の)「毎日難儀なことばかり 日に日に世界が悪くなる」という歌の歌詞が耳に残ってしまう昨今ですが、私たちが「このままではおかしい」「もっと変えようよ」と声を上げ続けないと忘れ去られてしまいます。これからも共に声を上げ続けていきましょう!

<「介護保険改悪を止めるぞー!」と拳を上げる参加者と、要望書を受け取った厚生労働省の方々>

介護保険改悪を止める院内集会 開催概要
●日 時:2025年11月13日(木)12:00~14:00
●会 場:衆議院第一議員会館 大会議室
●主 催:生活クラブ共済連
●協 賛:介護の崩壊をさせない実行委員会
●参加人数:約170名
●提言内容:プログラム&登壇者(敬称略)
12:00~ 主催者挨拶 生活クラブ共済連 小寺浩子(生活クラブ東京副理事長)
12:05~ 事業者・利用者からの声 <事業の紹介、介護保険改悪に対する思い>
介護の崩壊をさせない実行委員会 山木きょう子(実行委員会座長)
NPO法人ACT 関本ユウ子(NPO法人ACT・小金井たすけあいワーカーズほっとわぁく代表)
社会福祉法人悠遊 山田健介(理事長)
社会福祉法人生活クラブ風の村 梅津直美(専務理事)
株式会社百笑一輝 清家真知子(取締役)
利用者 佐々木元子(認知症の人と家族の会東京都支部代表)
12:45~ 共済連からの提言説明 岡田一弘(生活クラブ共済連常務理事)
厚生労働省からの回答 & 質疑応答
13:10~ 政党議員からの発言
立憲民主党 小山展弘衆議院議員
国民民主党 小林さやか参議院議員
日本共産党 田村貴昭衆議院議員
れいわ新選組 天畠大輔参議院議員
13:40~ 閉会挨拶 生活クラブ共済連 並木道代(生活クラブ千葉副理事長)
13:45~ 立憲民主党 大河原まさこ衆議院議員よりエール
厚生労働省へ要望書を提出
■生活クラブについて
設立:1965年 組合員数:約42万人
総事業高:約1千億円(2025年3月末現在)
生活クラブは21都道府県にある33の地域生協で組織される生活協同組合です。 国産中心・添加物削減・減農薬など、独自の基準をクリアした安心な食材をお届けしています。
生産から廃棄に至るまで健康や環境に配慮した品物の共同購入活動を通じ、サステイナブルな社会の実現をめざしています。
また、生産者や組合員、産地など関わるすべての人と協力し、
地域や世代をこえた循環と共生の輪を広げる「つながるローカルSDGs」をすすめています。
‣ホームページ: https://seikatsuclub.coop/
‣Instagram: https://www.instagram.com/seikatsuclub/
‣加入・資料請求はこちらから: https://seikatsuclub.coop/service/first.html

■生活クラブの受賞歴
<世界的評価>
1989年 “もう一つのノーベル賞”とも呼ばれる「ライト・ライブリフッド」(RLA)名誉賞
1995年 国連設立50周年記念「国連の友」による「われら人間:50のコミュニティ賞」
<国内>
1999年 開発した超軽量牛乳びんがグッドデザイン賞
2006年 グリーンピース・ジャパン トゥルーフード特別賞
2007年 リユースびんの活動(びん再使用ネットワーク)が容器包装3R推進環境大臣賞
2009年 フード・アクション・ニッポンアワード2009優秀賞 (以降2010年、2013年、2014年も入賞)
2013年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配サービス 首都圏/近畿 1位 (以降首都圏、近畿、東海の各地域で1位受賞)
2015年 <本選びの会>が第8回日本女子大学家政学部賞
2018年 生協法制定70周年 厚生労働大臣表彰
2018年 第6回環境省グッドライフアワード NPO・任意団体部門 優秀賞
2022年 第10回環境省グッドライフアワード 環境大臣賞 優秀賞
2023年 第1回ソトコト・ウェルビーイングアワード2023 / シンプルスタイル大賞2023 サービス・空間部門 特別賞
2024年 絵本ナビ 子育てベストアイテム大賞2024 時短部門 大賞 /シンプルスタイル大賞2024 SDGs部門 特別賞 / ぎゅってベストサポーター大賞2024 子どもニコニコ部門 銀賞(こむすびちゃん)
2025年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 食材宅配 首都圏 1位 / 絵本ナビ子育てベストアイテム 大賞2025 大賞 / Newsweek SDGs アワード 2024 経済部門賞 / とうほくSDGsアワード2025優秀賞 / シンプルスタイル大賞2025 SDGs部門銀賞
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