熊野古道・那智勝浦の無住職寺院再生プロジェクト、出資者の8割が海外

～PlanetDAO那智勝浦、1ヶ月で1,000万円の出資申込み　お寺宿泊の関心高い～

ガイアックス

2025年12月1日 12時00分

　株式会社ガイアックス（本社：東京都千代田区、代表執行役社長：上田祐司、証券コード：3775、以下ガイアックス）のカーブアウト企業及び出資先であり、日本初の”株式会社型インベストメントDAO”(※)で、歴史的建造物特化の不動産ファンドの仕組み提供・運営支援をする株式会社Planet Labsは、地域に根ざした歴史的建造物への小口投資プロジェクト「PlanetDAO（プラネットダオ）」の第四号案件として、和歌山県那智勝浦町にある「寳光寺（ほうこうじ）」をはじめとする那智勝浦の無住職寺院を対象とした投資プロジェクト「那智勝浦ファンド」を10月29日に開始し、開始1ヶ月弱で1,000万円の出資申込み、また、出資申込者の約8割が海外居住者であることお知らせします。

　「那智勝浦ファンド」は、本寺院をはじめとする那智勝浦の無住職寺院を整備し利活用するための投資プロジェクトです。本プロジェクトは、世界遺産・熊野古道沿いに位置する寳光寺を宿泊・体験の拠点として再生し、持続可能な形で文化財の保全と地域観光の発展を両立させることを目的としています。

プロジェクトの詳細は、以下のリンクよりご確認いただけます。

https://planetdao.world/properties/hokoji-temple/

創建200年超の寳光寺。山あいに佇む江戸期創建の寺院。長く地域に守られてきた本堂は、現在、歴史的価値を生かした宿泊・文化体験施設としての再生プロジェクトが進んでいます。

■ 出資者の内訳は、日本2割、その他アジア3割、ヨーロッパ2割、アメリカ2割

　寳光寺の再生プロジェクトには、2025年10月29日に出資申込み募集を開始し、11月26日までの約1ヶ月弱で、世界各国から出資申し込みが集まりました。出資者の居住地は以下の通りで、国内外から幅広く関心が寄せられました。日本22％、日本以外のアジア州33％、ヨーロッパ州22％、アメリカ州15％となります。出資申込者27名で、気軽に文化財の保全に参加できる点が、海外宿泊者にも受け入れられています。
　申込者の多くに共通しているのは、「すでに熊野古道を訪れたことがあり、素晴らしい体験として記憶している」という点です。熊野古道と周辺文化への深い愛着から、「また訪れたい」「旅の原体験として残っている」「地域の価値を守りたい」といった動機につながっており、寺院再生プロジェクトへの賛同が多く見られます。

■ また行きたい、友達や家族を連れて行きたいという外国人が出資

寳光寺の宿坊体験には、海外の宿泊者から「また行きたい」「次は家族や友人を連れて行きたい」という声が非常に多く寄せられています。禅や仏教文化への関心を持つ宿泊者が多く、寺院を守る活動に興味を示し、西山住職ともっと話したいという要望が目立ちます。こうした背景から、寺院再生プロジェクトに対し「出資したい」という外国人からの問い合わせも増えています。

海外からの宿泊者の声（出典：宿坊大泰寺 Temple Hotel Daitai-ji）

・お寺でとても充実した時間を過ごすことができました。仏像見学、朝の勤行、座禅、そして僧侶の方々と同じお粥をいただきました。さらに日没時に鐘を鳴らすという貴重な体験もできました。住職からは、仏教の実践について深い洞察をいただき、今後の瞑想に役立つヒントも得られました。設備や宿泊施設も素晴らしく、地元の方々に心から歓迎されていると感じました。（ノルウェー）

・ここで素晴らしい時間を過ごしました。住職は非常に知識が豊富で、英語も上手です。提供される体験は魅力的であり、地域は美しいです。（カナダ）

・本当に素晴らしい宿泊先です。住職は素晴らしいホストです。寺院生活や建物の歴史についての素晴らしい説明を聞くために、寺院体験に参加するのも価値があります。ゲストハウス自体はとても広く、伝統的なシンプルな外観にも関わらず、モダンな快適さも豊富です。大きなキッチンもあり、自分で食事を作ることもできます。残念ながら私たちは1日しか滞在できませんでしたが、できれば数日滞在して、この地域をじっくり探索し、この場所の静けさを少し味わうことをお勧めします。（オランダ）

■ 2024年より「世界各国23カ国の約200名からの出資を寺院や古民家に集め維持保全」

　Planet Labsはこれまで、和歌山県那智勝浦町の築170年の寺院および神奈川県葉山町の古民家を対象にPlanetDAOを通じた資金調達の仕組みを提供し、それぞれのプロジェクトで各100名を超える出資者より各約4,000万円の資金調達を達成しました。

　Planet Labsが対象とする日本の歴史的建造物は、地域の象徴やコミュニティの拠点として重要な存在です。しかし、こうした建物は、一般の個人や民間企業への譲渡や資金提供を受け入れるにはリスクが大きく、地域単独では運営体制や資金の確保が難しい状況が続いています。そのため、建造物の保全は多くの地域にとって深刻な課題となっています。

このような背景のもと、Planet Labsは小口投資の仕組みを通じて、国内外の投資家コミュニティが地域と協働しながら、維持が困難な歴史的建造物の持続的な保全・活用を支援するモデルを提供しています。

※ 本プロジェクトの詳細についてはPlanetDAOウェブサイトからダウンロードが可能な資料をご参照ください。

■ 背景：増え続ける「無住職寺院」の課題

熊野古道は千年以上にわたり人々が祈りを捧げてきた巡礼の道であり、世界遺産に登録された日本有数の精神文化の象徴です。しかし近年、沿道の多くの寺院は住職を失い、修繕や維持が困難な「無住職寺院」となっています。

※全国には7万7,000を超えるお寺があります。このうちの3割、およそ2万軒は住職がいない空き寺となっています。（出典：鵜飼秀徳『寺院消滅』（日経BP社、2015年））

■ お寺宿泊の稼働率70％を支えるのが、8割以上を占める海外からの旅行者

寳光寺は、大泰寺から車で2分という好立地にありながら長く活用されてこなかった寺院です。大泰寺の稼働率が約70％に達し予約が取りにくい状況の中、その“アネックス”としての活用が期待されています。宿泊者の約8割は海外旅行者で、欧米を中心とした夫婦・カップル層の利用が高い稼働率を支えています。　（大泰寺（那智勝浦町）　https://oterastay.com/daitaiji ）

寳光寺は江戸時代に大泰寺の末寺として創建され、地域の信仰を支えてきましたが、近年は少子高齢化や人口流出により維持が難しくなっていました。こうした背景を踏まえ、文化的価値と経済的持続性を両立させるPlanetDAOによる再生プロジェクトがスタートしました。

■ 株式会社型DAOによる再生と運営

PlanetDAOは、歴史的建造物を小口出資で再生・運営する仕組みです。

収益分配だけでなく意思決定にも参加でき、用途継続や公共性は種類株式で担保し地域と協働し、価値を守りながら持続的な活用を実現します。

詳細は、前回プレスリリースをご覧ださい。

「PlanetDAO、熊野古道・那智勝浦で無住職寺院再生プロジェクトを始動」（2025年10月29日）

URL：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000757.000003955.html

■ 関係者コメント

大泰寺住職西山十海（にしやまとうみ）

日本の寺院は地域文化の核でありながら、無住寺院の増加など維持が深刻な課題となっています。一方で、海外旅行者は日本文化や禅に強い関心を持ち、寺院は学びと滞在の最適な場です。地方の寺を観光資源として再生する好機が今であり、本プロジェクトがその転換点になると考えています。

株式会社Planet Labs 代表取締役　西村環希（にしむらたまき）

PlanetDAOは那智勝浦の寺院との出会いから始まり、寶光寺を未来につなぐことを長く願ってきました。地域に大切に守られてきた場所を、共感してくださる皆さまと共に次世代へ受け継いでいきたいと考えています。

■メディア（TV）報道実績

NHK おはよう関西「地域と世界でお寺を守る」にてPlanetDAO寳光寺の取り組み（2025 年12 月1 日）　https://www.web.nhk/tv/an/osaka-ohayou/pl/series-tep-J6729MLVQM/ep/6QLV3QMPMX
サドテレビNEWS ISLAND「登録有形文化財の北條家を宿泊施設に活用」にてPlanetDAO佐渡北條家住宅の取り組み（2025年10月24日）
FNN Live News α「「DAO」で地方創生の新たなカタチへ　人・投資・アイデア集まる組織提案」にてぐんま山育DAOの取り組み（2025年11月11日）　https://www.fnn.jp/articles/-/958609
テレビ東京ワールドビジネスサテライト「地方創生2.0 関係人口は増加!？」にてぐんま山育DAOの取り組み（2025年9月12日）
※ぐんま山育DAOは、群馬県、ガイアックスが支援する自然派ワインづくりを通じ群馬県の関係人口・移住促進を目指す取り組みです。