肥後銀行系シンクタンクと連携して熊本県人吉球磨の産業振興事業を実施
豪雨災害からの復旧・復興や地域経済の再活性化を目指す
大日本印刷株式会社(DNP)は、肥後銀行系のシンクタンク、公益財団法人地方経済総合研究所(熊本市)と連携し、熊本県人吉球磨地域の産業振興に取り組んでいます。今回、観光庁「サステナブルな観光コンテンツの高度化モデル事業」及び全国商工会連合会「共同・協業販路開拓支援補助金」に参画し、同地域の主要産業である観光業の振興や、製造業を代表する球磨焼酎のスイスでの販路拡大を支援しました。

【観光振興事業「緑の流域治水スタディツアー」におけるDNPの支援について】
熊本県は、2020年7月の豪雨で大水害に遭った球磨川流域を対象に、産官学共同プロジェクト「流域治水を核とした復興を起点とする持続社会」地域共創拠点による「緑の流域治水」の取り組みが進められています。緑の流域治水は、流域全体を対象にして、流出抑制、氾濫流コントロール、土地利用規制など、河川や遊水池の整備などのハード面だけでなく、ソフト面での対策も充実させる新しい考え方の治水対策です。自然環境と共生しながら人々が安全・安心に住み続けることができて、豊かな環境と、より多くの若者が集う持続可能な地域の実現に向けて取り組まれています。
この取り組みの一つ「緑の流域治水スタディツアー」は、地方経済総合研究所が持続可能な観光コンテンツとして新たに開発した「緑の流域治水」の考え方や取り組みを学べる施策です。DNPは、ツアー参加者が事前に「緑の流域治水」について学習し、参加後も継続して学べるeラーニングの学習管理システム「LearningCast®」*1を提供して、360度のVR映像(4K)を活用した学習コンテンツを制作しました。流域治水技術を体験するリアルな学びと、オンラインによる事前学習の相乗効果で、流域治水の理解を促進し、学びの満足度を高めます。また、初回参加後の復習による現地の再訪問を促します。



【「球磨焼酎」海外販路拡大におけるDNPの支援について】
-
人吉球磨地域は米焼酎の銘産地として知られ、約500年の歴史を持つ「球磨焼酎」の文化が根付いています。球磨焼酎は文化的な産品であると同時に、同地域を代表する重要産業の一つです。球磨焼酎の振興を図ることで、同地域への経済効果拡大につなげていきます。
-
国内のアルコール市場が縮小傾向にある中でも、球磨焼酎などの本格焼酎は、国の輸出重点品目の一つとなっています。2025年の本格焼酎・泡盛の輸出額目標として40億円が掲げられるなど、海外での消費拡大が期待されています。一方、球磨焼酎の製造事業者は、海外展開に意欲がありながらも、人口減少による人材不足や2020年の豪雨災害からの再建等の観点などから、各社単独での海外販路開拓には課題を抱えていました。
-
こうした課題の解決に向けて、地方経済総合研究所は、フランス市場で球磨焼酎の販路拡大を支援するプロジェクトを2020年度に立ち上げ、DNPは2023年度から本プロジェクトに参画しています。
-
DNPは、海外でのイベント運営のノウハウ・実績を有し、海外展示会に出展する日本企業を支援しています。2024年度は購買力も国際的な発信力も高いスイスでの事業展開を目指して、球磨焼酎の製造元やスイス現地のインポーター(輸入業者)等のパートナーと連携しました。ジュネーブでホスピタリティ業界向けの商談会や生活者向けの球磨焼酎イベントを実施し、スイス市場への参入に向けてテストマーケティングを実施しました。ジュネーブのバーで実施した生活者向けアンケートでは、球磨焼酎を飲んだ人の9割以上から、「とてもおいしい」と高い評価を得ました。
-
2025年度以降は、ジュネーブでの球磨焼酎の認知度を向上させるとともに、チューリッヒやバーゼルなど、スイスの他都市への展開を予定しています。今後も欧州を中心に、“球磨焼酎の世界的ブランド”の確立を目指します。


【今後の展開】
DNPは、2025年度以降も地方経済総合研究所と連携し、「人吉球磨での観光産業におけるインバウンド需要の取り込み」や「地域の伝統産業である球磨焼酎のグローバル展開」を支援します。また、これらの取り組みを通じて伝統産業再活性化のモデル事例としていくことを目指します。
引き続きDNPは、地域のステークホルダーと「対話と協働」を深め、社会課題の解決に取り組み、心豊かな社会の実現とその持続可能な成長に貢献していきます。
*1 「LearningCast」について(BIPROGY株式会社) → https://www.biprogy.com/solution/service/learningcast.html
※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
※記載された内容などは発表日現在のものです。今後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像