戦後80年の国際協同組合年 世代超え捉える“自分ごと”〔神奈川〕
核廃絶を選択できる時こそ平和
生活協同組合パルシステム神奈川(本部:横浜市港北区、理事長:藤田順子)は5月18日(日)、新横浜本部で平和の意味や核兵器廃絶を考えるイベント「『戦争を知りジブンゴトにしてみよう』交流会」を開催しました。神奈川県高校生平和大使など6人の学生も参加するなか、核兵器廃絶を呼びかける若者や被爆体験者とともに約40人が、核のない平和な世界の実現のため、一人ひとりができることを考えました。
当たり前ではない日常の幸せ
イベントには、会場に7人とオンラインで22人の参加がありました。80年前の戦争を体験していない2000年生まれの高橋悠太さんと中村涼香さん、1歳10か月で被爆した和田征子さんが登壇しました。
冒頭のアイスブレイクとして、核兵器のない世界を目指して情報を発信する一般社団法人かたわら(横浜市西区)代表理事を務める高橋さんが、参加者に「幸せを感じる時」を問いかけ言葉にしてもらいました。
「ぐっすり眠れた時。不安や心配事が無い平和の証」「家に帰った時。帰って安心できる場所があることは、戦時下では保証されない」「ラーメンの替え玉が無料だった時。お腹いっぱいになるまで食べられないこともある」など、普段の幸せは平和な社会があってこそだと確認し合いました。

日本原水爆被害者団体協議会(同港区、田中熙巳代表)事務局次長の和田さんは、長崎での原爆投下の被害を受けた母親の体験を国内外で証言しています。若い世代の人たちと同様に、自身には戦争や被爆の記憶がないため、深みのある話はできないと言います。伝え聞いたことを実直に語り継ぐなか、核兵器があってはならないとの思いが強まってきていると語りました。
平和な世界づくりを目指してジェンダーや環境などの問題を提起するNPO法人ボーダレスファウンデーション(東京都新宿区、田口一成代表理事)理事の中村さんは、長崎の高校生時代から、10年にわたり核兵器廃絶や平和を考えるイベント開催や政策提言活動をしています。同世代で活動する人たちとの出会いが少ないなか、東京に進学して開催したイベントには、100人以上の若者が参加してくれました。同世代の関心が低いのではなく、意思表明をできる場がないことに気が付いたそうです。
かたわらは、広島の中学校で平和活動を始めた高橋さんが、進学した東京で被爆者や市民とつながり立ち上げた団体です。SDGsの新たな目標として核兵器廃絶を掲げることなど、市民の声を政治に届けるため「核廃絶ネゴシエーター(交渉人)」として活動しています。戦争や被爆の現実を知るには、あらゆる世代への教育の力が重要であるとして、戦後の世界を自分ごととして想像するワークショップなども開発しています。
パルシステム神奈川の平和活動を担当する楊直子常任理事は、私たちは被爆者の話を聞ける最後の世代であることを訴えます。若い世代の人たちのアイデアを借りながら、生協として子どもたちをはじめ利用者とともに多様なイベントを開催しています。26万筆の署名とともに藤沢市議会に提出した、核兵器禁止条約批准の陳情書の採択など、生協利用者の力の集結による平和への一歩の事例も紹介しました。

核兵器がなければ平和になるのか
登壇者は「核兵器がなくなったら世界は平和になるのか」をテーマに意見を交わしました。和田さんは、核廃絶には被爆者の体験を言葉で伝え、人の心を変えていく必要があると話します。一人ひとりの良心を開発し、人類として世界の良きことのために話し合う努力が必要と語りました。
中村さんは、核兵器は決して使用してはならないことは明確だと言います。人権や人の命の尊厳が尊重されればなくす選択はできるはずで、その時こそが平和なのではないかと訴えました。
会場の神奈川新聞社の高校生記者は「人間が人間を殺すためだけに開発した核兵器はこの世に存在してはいけないと強く思いますが、なくなれば戦争のハードルが下がると考えたこともありました。なくす選択ができる時こそが平和という大きな気付きになりました」と登壇者たちの言葉を受け止めていました。
交流会に参加した高校生たちも、現実として受け止め切れていなかった広島や沖縄の戦争の展示を自分のこととして想像し、考えを共有していくことの大切さを感じ取っていました。
各国の軍事的、経済的対立でSDGsに反する流れが生まれるなか国連は、2025年を国際協同組合年と定めました。協同組合のあらゆる立場の人の参加による、貧困や飢餓の解消、社会的包摂などを推進する活動が評価されたためです。
パルシステム神奈川はこれからも、戦後80年となる国際協同組合年を機に、市民一人ひとりが核兵器を取り巻く現状を知り、「自分ごと」とする重要性を参加者とともに伝えていきます。
パルシステム神奈川イベントレポート
戦後80年企画 「戦争を知りジブンゴトにしてみよう」交流会を開催しました

生活協同組合パルシステム神奈川
所在地:横浜市港北区新横浜3-18-16 新横浜交通ビル、理事長:藤田順子
出資金:117.6億円、組合員数:36万人、総事業高:553.8億円(2024年3月末現在)
HP:https://www.palsystem-kanagawa.coop/
パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 、理事長:大信政一
13会員・統一事業システム利用会員総事業高2,541億円/組合員総数173.5万人(2024年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/

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