【開催報告】第20回石油・石油ガス備蓄業務改善活動発表会を開催
~業務改善活動を共有し、備蓄基地運営の効率化に寄与~
JOGMECは、2024年3月5日、「第20回石油・石油ガス備蓄業務改善活動発表会」をオンラインで開催しました。発表会には、石油・石油ガスの国家備蓄に携わる19社(21グループ)が参加しました。
本発表会は、石油・石油ガス備蓄に携わる会社独自の業務改善への取り組みとその成果を関係先に対し広く情報共有し、活用可能な事例を取り入れることを通じて、備蓄業務の改善を図ることを目的として毎年行っているものです。今回も前回に引き続き、オンラインで開催しました。
開催にあたっては、JOGMEC髙原理事長の主催者挨拶に続き、資源エネルギー庁古幡企画官から来賓ご挨拶をいただきました。各社およびJOGMECからなる31名の審査員が採点方式で投票を行った結果、むつ小川原石油備蓄株式会社の「地域共生の新しいスタイル ~リモート基地見学の活用~」が最高得点を獲得して「最優秀賞」を受賞しました。
効率的な業務運営を図っていくためには、会社経営層はもとより操業現場の人員一人ひとりが課題を発見する力や、問題を解決し改善に取り組もうとする意欲を日々欠かさず持ち続けることが肝要です。
JOGMECは、今後も、こうした様々な努力を積み重ねる姿勢を応援してまいります。
受賞の概要
最優秀賞 むつ小川原石油備蓄株式会社
発表テーマ:地域共生の新しいスタイル ~リモート基地見学の活用~
概要:コロナ禍により様々な地域貢献活動が制限され、当基地への認知度の向上や操業への理解を深めていただくことに特に貢献してきた基地見学の中止が余儀なくされた。
そこで、コロナ禍にあっても基地見学を開催することを企図し、当該活動に取り組んだ成果について発表する。
石油部門優秀賞 福井石油備蓄株式会社
発表テーマ:屋外給水栓等点検業務のKaizen
概要:我々のあるべき姿は、万一の災害に備え防消火設備を常に使用できる状態にしておくことである。その中で屋外給水栓等点検においては、点検毎に弁固着が発生しており、あるべき姿とのギャップがある。また、マンアワーも点検中最大の66.5人・時となっている。
以上のことから、今回のKaizenで弁固着の真因を除去しあるべき姿を目指すとともに、点検の磨きこみによりマンアワーの削減を図る。
石油ガス部門優秀賞 九州液化瓦斯福島基地株式会社
発表テーマ:中堅社員のレベルアップ
概要:会社の合併、世代交代。専門知識、経験をもつベテラン社員の退社が続く中、中堅社員には作業や教育面に不安があった。
中堅社員による要領書改訂・手順書作成を行うことで、レベルアップを図り、新人教育を充実化し、世代交代が円滑にできるようになった。
奨励賞および若人賞(ダブル受賞) 苫東石油備蓄株式会社
発表テーマ:緊急放出業務のKaizen~タンカー着桟から離桟業務について~
概要:私たちの使命は、緊急放出に「ことごとく」備え、迅速かつ機動的に備蓄原油を放出することです。2022年度は放出対象基地決定から準備完了までの「現場準備期間(7日間)」のKaizenに取組み、5日間の期間削減に成功した。
2023年度は次のステップとして、タンカー着桟から離桟までの業務をターゲットとしてKaizenに取り組みました。
奨励賞 志布志石油備蓄株式会社
発表テーマ:再委託業務のkaizen[桟橋消火ポンプ運転業務]
概要:安全環境課が再委託している陸上防災委託業務そのものに改めて迫り、業務内容および業務実施頻度の洗い出しを行った。
結果、桟橋消火ポンプ確認運転を毎月1回、60分間運転し、実施頻度が多いことから「なくす」「へらす」「かえる」の観点から運用面、作業面のKaizenに取り組んだ。
第20回記念特別賞 ENEOS喜入基地株式会社
発表テーマ:ブロックバルブ操作の安全性向上および省力化
概要:消火配管に設置されているブロックバルブの操作は転倒の他、腰や腕を痛める恐れがあり、また、開閉作業に時間が掛かっていた。
そこで私たちは「ブロックバルブ操作の安全性向上および省力化」の改善に取り組み、バルブ専用の治具を作製するとともに電動トルクレンチを使うことで、安全かつ短時間で開閉操作ができるように改善した。
(注)最優秀賞、石油部門優秀賞、石油ガス部門優秀賞、奨励賞は得点による選定。第20回記念特別賞は審査員長による選定、若人賞はJOGMEC若人審査員による選定となっています。
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