新潮文庫の最新刊は筒井康隆さんの「最後の長編」から、尾崎世界観さん・千早茜さんの大ヒット「共作小説」、第1回CWA最優秀長篇賞を受賞した幻の名作まで、充実のラインナップ!
株式会社新潮社は12月25日、新潮文庫の新刊を発売します(地域によって異なる場合があります)。全国の書店、各ネット書店にてご予約を受付しています。以下、ラインナップをご紹介いたします。
筒井康隆『モナドの領域』
河川敷で若い女性の腕が発見された。ほどなく近隣のベーカリーでアルバイトの美大生が精巧な腕形のバゲットを作り、店の常連の美大教授が新聞のコラムで取り上げ、評判を呼ぶ。次に教授は公園で人を集め、その全知全能を示し始める。自らを神の上の「無限の存在である創造主」だという教授の真意とは。そして、バラバラ殺人の真相は? 天才筒井康隆がその叡智の限りを注ぎ込んだ歴史的傑作。
https://www.shinchosha.co.jp/order/117156/
尾崎世界観、千早茜『犬も食わない』
派遣秘書の福は雇い主と出かけた先のビルで、廃棄物処理業者の大輔とぶつかった。ろくな謝罪もない舐めた態度に激高した福は罵詈雑言の限りを尽くし、大輔は一言でやり返す……そんな最悪な出会いから始まった。ベッドの半分を占める体は邪魔だし、同じシャンプーが香る頭は寝癖だらけ。他人の「いいね」からは程遠い、喧嘩ばかりで格好つかない恋愛の本音を、男女の視点別に描く共作小説。
https://www.shinchosha.co.jp/order/104451/
高山羽根子『首里の馬』
問読者(トイヨミ)――それが未名子の仕事だ。沖縄の古びた郷土資料館で資料整理を手伝う傍ら、世界の果ての孤独な業務従事者に向けてオンラインで問題を読み上げる。未名子は、この仕事が好きだった。台風の夜に、迷い込んだ宮古馬(ナークー)。ひとりきりの宇宙ステーション、極地の深海、紛争地のシェルター……孤独な人々の記憶と、この島の記録が、クイズを通してつながってゆく。第163回芥川賞受賞作。
https://www.shinchosha.co.jp/order/104431/
熊谷達也『我は景祐―幕末仙台流星伝―』
仙台藩にもおぬしのような切れ者がいるとはな――。桂小五郎にそう言わしめた若き藩士・若生文十郎景祐。六尺の長身に柔和な瞳、豪胆でいて細心な気質は自藩を真摯に憂えていた。鳥羽伏見の戦いの後、朝敵・会津藩追討を命じられた仙台藩は窮地に。会津進攻を唱える世良修蔵殺害を機に藩士たちは奥羽越列藩同盟を導き、戊辰戦争へとひた走ってゆく。幕末の新たな英雄を描く感涙の時代長編。
https://www.shinchosha.co.jp/order/134154/
椎名誠『すばらしい暗闇世界』
〈真っ暗闇〉は不気味で怖ろしい。だからこそ、つい近づいてしまうのだ――。子ども時代にひそかに覗いた屋根裏と防空壕、絶体絶命の窮地に陥ったグレートバリアリーフのダイビング、無人島で味わった「ナニモノカ」が現れそうな闇夜……。稀代の探検作家でありながら実は閉所恐怖症で不眠症のシーナが、地球の神秘を豪快に書き尽くす驚異のエッセイ! 『すばらしい黄金の暗闇世界』改題。
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小泉武夫『魚は粗がいちばん旨い―粗屋繁盛記―』
魚の粗(あら)ほど旨いものはない! 築地に日本初の魚の粗料理専門店・粗屋ができた。金目鯛の粗汁、烏賊の腸煮、皮剝の肝和え――通常は捨てられてしまう粗が、魚を知り尽くした店主、鳥海五郎にかかると絶品料理へと大変身。はやる気持ちを抑え、今宵も粗屋の暖簾をくぐる。いったいどんな料理が待っているのか。粗を肴に酒を呑む、至福の時間の始まりだ。『骨ま
で愛して 粗屋五郎の築地物語』改題。
https://www.shinchosha.co.jp/order/125948/
池波正太郎『まぼろしの城』
戦国の世。上野(こうずけ)の国、沼田城の城主である沼田万鬼斎は、豪勇無双の武将と謳われていた。地侍の金子新左衛門は、自らの娘、ゆのみを万鬼斎の愛妾として差し向ける。ゆのみは男子を出産、やがて金子親子は万鬼斎の後継をめぐり奸計を巡らせる。しかし混迷を極める城は、戦乱の渦に巻き込まれていくーー。後年、真田家がおさめる沼田城の前日譚にして、ある一族の盛衰を描き切る波乱の戦国絵巻。
https://www.shinchosha.co.jp/order/115692/
ウィンストン・グレアム『罪の壁』(三角和代・訳)
第二次大戦の残影色濃い1954年。フィリップは、考古学者の兄がアムステルダムの運河で身を投げたとの報を受ける。死因に不審を抱き、兄の謎めいた友人と恋人らしき女性の行方を追ってカプリ島へと向かったが――。善悪のモラル、恋愛、サスペンスと、さまざまな要素を孕み展開する馥郁たる人間ドラマ。第1回CWA最優秀長篇賞に輝き、戦後欧米ミステリーの可能性を切り拓いた記念碑的作品。
https://www.shinchosha.co.jp/order/240251/
リチャード・ライト『ネイティヴ・サン アメリカの息子』(上岡伸雄・訳)
1930年代、大恐慌下のシカゴ。アフリカ系の貧しい青年ビッガー・トマスは、資本家令嬢で共産主義に傾倒する白人女性を誤って殺害してしまう。発覚を恐れて首を斬り、遺体を暖房炉に押し込んだその時、彼の運命が激しく変転する逃走劇が始まったーー。現在まで続く人種差別を世界に告発しつつ、アフリカ系による小説を世界文学の域へと高らしめた20世紀アメリカ文学最大の問題作が待望の新訳。
https://www.shinchosha.co.jp/order/240261/
森晶麿『チーズ屋マージュのとろける推理』(新潮文庫nex)
東京・神楽坂の路地に佇むレストラン、マージュ。イケメンシェフ、真沙流が出す絶品チーズ料理で人気の店だ。ここでウェイトレスとして働く美藻は、最悪な彼氏から逃れてきたワケアリ女子。ふたりは、ラクレットにフォンデュ、リゾットなど、おいしい一皿とともに、お客の抱える悩みやトラブルを解決に導いていく。だが真沙流にもまた、隠された秘密が……。極上のグルメミステリ。
https://www.shinchosha.co.jp/order/180257/
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