順天堂大学とRhelixa共同開発、DNAメチル化予測モデルによる軽度認知障害検出方法の特許を取得

順天堂大学(学長:代田浩之、研究代表者:服部 信孝 医学部神経学講座特任教授)と株式会社Rhelixa(代表取締役社長:仲木 竜、以下「Rhelixa」)は、共同で研究をおこなった軽度認知障害の検出方法が日本特許庁により認められ特許を取得しましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
■発明の名称: 軽度認知障害の検出方法
■特許番号 : 特許第7684545号
■特許登録日: 2025年 5月 20日
■特許権者 : 学校法人順天堂 順天堂大学、株式会社Rhelixa
■発明の背景・課題
軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)は、正常な状態と認知症の中間に位置し、認知症の前段階とされる極めて重要なステージです。軽度認知障害の早期発見は、認知症への進行を遅らせる上で非常に重要ですが、従来の診断方法(専門的な問診や高額な画像診断など)は専門的判断を要し、簡便性に欠けるという課題があり、未だ多くの方が早期診断の機会を得られていないのが現状です。
■発明の技術的特徴
本特許技術は、この課題を解決するため、血液などの生体試料から得られたゲノムDNAを検体として用い、DNAの特定の部位(CpGサイト*)のメチル化率に基づき認知症のリスクスコアを算出します。本特許においては、重篤度の異なる認知症患者と健常者の血液サンプルを用いて、重篤度と全ゲノムにわたるメチル化率の回帰分析を行い、認知症の重篤度に関連して変化するCpGサイトに絞り独自の予測モデルを構築しました。このモデルから算出されたスコアが所定の閾値(カットオフ値)を超えるか否かによって、MCIを高精度かつ簡便に検出することが可能となります。
本特許技術は、血液などの生体試料から得られるゲノムDNAを検体として用い、DNA上の特定部位(CpGサイト*)のメチル化率に基づいて認知症リスクスコアを算出するものです。重篤度の異なる認知症患者と健常者の血液サンプルを解析し、全ゲノムのメチル化パターンと重篤度の関係を統計的に捉えることで、認知症の進行に応じて変動するCpGサイトを特定し、これらを基盤とした独自の予測モデルを構築しました。このモデルから算出されるスコアが所定の閾値(カットオフ値)を超えるかどうかによって、MCIを高精度かつ簡便に検出することが可能となります。
■今後の応用
本特許技術により、軽度認知障害の早期診断が可能な診断キットや医療現場における認知症リスク評価のための医療支援システムの開発・提供が可能になる可能性が期待できます。
当社は、この技術を基盤として、認知症予防・早期介入分野における社会貢献を目指してまいります。
*:CpGサイト
CpGサイトとは、ゲノムDNAの配列中で、シトシン(C)塩基の直後にグアニン(G)塩基が続いている部分を指します。
順天堂大学について
順天堂は、江戸後期の天保9(1838)年、江戸・薬研堀(現在の東日本橋)に開設したオランダ医学塾「和田塾」に端を発し、今につながる日本最古の西洋医学塾です。現在では、医学部・スポーツ健康科学部・医療看護学部・保健看護学部・国際教養学部・保健医療学部・医療科学部・健康データサイエンス学部・薬学部の9学部をはじめ、大学院6研究科、医学部附属6病院からなる「健康総合大学・大学院大学」として教育・研究・医療そしてリベラルアーツを通じて国際レベルの社会貢献と人材育成を進めております。
株式会社Rhelixa(レリクサ)について
当社は最先端のゲノム・エピゲノム解析で培ってきた技術を活用して、生物学・医学・薬学領域における基礎研究や製品・ソリューションの開発、またはそれらの受託業務を行っています。次世代シーケンサーにより得られるエピゲノムデータの他、ゲノムやトランスクリプトーム、メタゲノムデータを組み合わせた統合的なデータ解析により、細胞制御の詳細なメカニズムの予測や精度の高いマーカーの探索を行います。また、研究開発のあらゆる場面で必要となるデータの統計解析や図版作成を基礎知識を必要とせず誰もが手元で実現できる環境を提供しています。
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