フュージョンエネルギーの社会実装に向けた英Tokamak Energyとの協業について
フュージョンエネルギー(※1)は発君用途において二酸化炭素が発生しないこと、使用する燃料によっては海水中に豊富に存在する燃料を活用できる可能性があること、燃料の供給を停止することで反応が停止することなどから、安全でサステナブルな次世代エネルギーとして期待されています。フュージョンエネルギーを電気や熱といった形で持続的に取り出せるようにするペく、多くの企業や政府組織が複数のアプローチで研究・開発を行っており、2030年代での発電実証が目指されています。一般的に、地球上でフュージョンエネルギーを生み出すためには、燃料を1億度超に加熱してプラズマ(電離ガス)状態にする必要がありますが、そのプラズマをどのような容器に閉じ込め、制御するかが技術課題のひとつです。その容器として、トカマクやヘリカルといった超伝導コイルで形成した磁場を使う「磁場閉じ込め」と、レーザ一方式などの「慣性閉じ込め」という方法が考えられています。
TEは2009年設立の英国の民問フュージョンエネルギー企業であり、球状トカマク方式と呼ばれる「磁場閉じ込め」によるフュージョンエネルギーの事業開発を進めており、関連する特許を70件以上保有しています。TEは実験炉を保有し、2022年には商用化における基準値となる1億度超の温度を民間企業で初めて達成しており、フュージョンエネルギ一発電の商用化に近いといわれている企業の1社で、2030年代後半の球状トカマク方式による商用プラント化の実現を目指しています。
住友商車は2021年4月に設立したエネルギーイノペーション・イニシアチブで、「カーポンフリーエネルギーの開発・展開」を戦略のひとつとして掲げています。2022年6月には米同のフュージョンエネルギー企業である、TAETechnologiesに出資しました( https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2022/group/20220720 )。両社との協業を通じて、フュージョンエネルギーに関する最先端の技術や業界勤向の理解を深化させ、住友商車の知見・経験も生かし、フュージョンエネルギー発電の社会実装を目指すとともに、発電以外の用途開発にも取り組むことで、カーボンニュートラル社会の実現に黄献します。
(※1)フュージョンエネルギーとは、太陽のエネルギーの源であり、質量の小さな原子の原子核同士が融合して、別の少し大きな原子核となる反応です。この反応が起こると、反応前後で原子核中の陽子、中性子同士の結合エネルギーが変化することにより、僅かに質量が失われると共に膨大なエネルギーが発生します。
出典:文部科学省「核融合エネルギーの実現に向けて」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/fusion/
<参考資料>
■Tokamak Energyが開発しているフュージョンパイロットプラントのイメージ図
■Tokamak Energy会社概要
会社名 | Tokamak Energy Ltd |
本社所在地 | 173 Brook Drive, Milton Park, Oxfordshire, OX14 4SD |
MD | Warrick Matthews |
設立年 | 2009年 |
車業概要 | フュージョンエネルギーの事業開発(炉の設計・開発・定常浬転) |
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