断熱後進国ニッポン、9割が「家の中寒い」一方、8割が「ヒートショック対策をしていない」と回答 パナソニックが47都道府県の“平均寝室室温”を独自調査
冬の睡眠時のエアコン活用術を解説
この度、パナソニックでは自宅の断熱性と冬の睡眠についてアンケート調査を実施するとともに、パナソニックエオリアユーザーのデータを元に47都道府県の“平均寝室室温”を調査しました。
また、暖房の効きが悪くなる原因と対策や冬の睡眠時のエアコン活用術を、パナソニックのエアーマイスター 福田風子が解説します。
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9割が「家の中が寒い」、8割が「実家が寒い」と回答
4人に1人が「実家が寒くて帰省を控える」
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パナソニックは、20代~60代の男女556名に自宅の断熱性と冬の睡眠について調査を行いました。
「冬に家の中にいるにも関わらず、寒いと感じることはありますか」という質問では、約半数の47%が「頻繁にある」と回答。「たまにある」(41%)と合わせると、約9割の方が冬に家の中で寒さを感じていることがわかりました。
また、自宅の断熱性の満足度については、満足しているのは27%にとどまり、「非常に不満」(19%)、「やや不満」(22%)と41%が断熱性に不満を持っていることもわかりました。
“家の中の寒さ”といえば自宅のみならず、これから年末年始の帰省シーズンは“実家の寒さ”も気になるところ。「年末年始など帰省した際に、実家が寒いと感じたことがありますか?」という質問では、「頻繁にある」(38%)、「たまにある」(39%)と約8割が実家の寒さを感じていることがわかりました。さらに、寒さが原因で帰省を控えることがあるかについては、26%が「ある」と回答し、4人に1人が寒さが原因で実家への帰省を控えているようです。
こうした“実家が寒い”状況については、「改善してほしい」・「気にしない」の意見が二分するものの、50%が実家の寒さについて「改善してほしい」と感じていることもわかりました。
また、冬の家の中の寒さについては、睡眠時の寝室にも注目したいところ。今回、睡眠時のエアコン使用についてたずねたところ、60%が「使用していない」と回答しました。
家の中の温度が低いと懸念されるのがヒートショックです。「ご自身または家族のヒートショックが心配ですか」という質問では、「とても心配」(22%)、「やや心配」(46%)と約7割がヒートショックを心配しています。
また、冬のヒートショック対策については「日常的に対策をしている」方はわずか21%にとどまり、「あまり対策をしていない」(48%)、「まったく対策をしていない」(31%)と約8割が対策をしていないことがわかりました。
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47都道府県の“平均寝室室温”を調査!
冬の睡眠時の寝室室温、最も暖かいのは沖縄県、最も寒いのは山形県
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続いて、パナソニック エオリアアプリに接続したエオリアユーザーの利用データをもとに、47都道府県の「平均寝室室温」を調査。冬の睡眠時、エアコンを使用していない寝室の平均寝室室温を都道府県別に計測し、比較しました。
睡眠時の寝室室温が最も高かったのは沖縄県で、20.1℃という結果になりました。2位は意外にも北海道で、18.2℃という結果に。睡眠時に室温がWHO推奨の18℃以上に保たれているのは沖縄県・北海道のみで、残りの45都府県はすべて18℃未満でした。
続く上位は、九州地方や四国地方など、南に位置する県がランクインしていますが、その中で4位 東京都(15.7℃)、6位 神奈川県(15.4℃)と関東地方の2都県が上位にランクインしているのが特徴です。
一方、睡眠時の寝室室温が最も低かったのは山形県(12.4℃)で、山梨県(12.5℃)、鳥取県(12.9℃)と続きます。
アンケート調査やエオリアユーザーデータから、全国的な寝室温度の低さや、多くの方が自宅の室温の低さにお悩みであることがわかりました。自宅の寒さとヒートショックについて、エオリアユーザーデータの見解とともに、東京都市大学教授・医師の早坂 信哉先生に伺いました。
※冬の平均寝室室温:エオリアアプリに接続した寝室・こども部屋のエアコンのうち、2023年1月1日〜1月31日の冬期に、午前1時〜午前5時の間エアコンを使用していない部屋の平均室温を都道府県別に算出
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脱衣所やお風呂だけでなく、寝室のヒートショックも要注意!?
東京都市大学教授・医師の早坂 信哉先生が解説
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※パナソニックから東京都市大学教授・医師の早坂 信哉先生に依頼をして、いただいたコメントを編集して掲載しています。
■交通事故の7倍の死者数!ヒートショックとは
そもそもヒートショックとは、急な温度変化に身体をさらすことで、交感神経が強く刺激され血圧が乱高下することによって体に大きな負担がかかって引き起こされる障害のこと。意外と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、もともとは正式な医学用語ではありません。
ヒートショックによる正確な死亡数は把握されていませんが、2013年度の厚生労働省研究班による入浴事故死者数は推定で1万9000人と言われ、その多くがヒートショックによるものと考えられています。2022年度の交通事故死者数2610人と比較すると、ヒートショックによる死亡数は交通事故の7倍と言えます。
なお、若い人でも動脈硬化を起こしやすい特徴のある方はヒートショックを起こしやすいので、若い方も他人事ではありません。
■ヒートショック=お風呂場は誤解!見過ごされがちな寝室でのヒートショックにも注意が必要
ヒートショックは脱衣室や浴室など、お風呂関連だけで起こるもの、と考えている方が多いですが、実は寝室や廊下などヒートショックを起こす場面は他にもあります。例えば、起床時やお手洗いで目が覚める時の寝室でのヒートショックにも注意が必要です。夜寝ていてお手洗いに行きたくなった場合、お布団の中は30℃前後ですが、環境にもよるもののお部屋は暖房を切っていれば10℃台になります。この寝室室温について、パナソニックのエオリアユーザーデータから明らかになった「冬の睡眠時の平均寝室室温」を元に、より詳しく見ていきましょう。
まず、睡眠時に室温がWHO推奨の18℃以上に保たれているのは沖縄県・北海道のみで、残りの45都府県はすべて18℃未満という驚きの結果に。日本の住宅は断熱性が低いことは以前から言われていましたが、その影響があるかもしれません。また、エアコンを夜間止めてしまう方も多く、結果として寝室の温度が低くなってしまうのでしょう。
1位の沖縄県をはじめ九州地方など南の県が上位にランクインしていますが、もともと温かい地方では住宅の断熱性が低い場合も室温も下がりにくいことが伺えます。
続く2位の北海道の室温が高いのは住宅の断熱性や暖房器具の積極的な利用によるものかもしれません。寒冷地のため、暖房器具も各家庭で充実している可能性があります。
その中で、東京都・神奈川県が上位にランクインしていますが、戸建てが少ないことや比較的面積の少ない住宅が多く、室内を温めやすい環境にあるためかもしれません。
今回、パナソニックのエオリアユーザーデータからは東北地方のみならず、西日本であっても室温が相当下がることが明らかになり、全国的に寝室室温とお布団の中との温度差が大きいことがわかりました。
温度差が大きいとヒートショックの原因に。なるべく温度差を少なくすることが重要です。また、夜寝ていてお手洗いに行きたくなった場合は、寝室から出ると廊下やトイレはさらに低く8℃ほどに。トイレでは、いきむと血圧が上昇する恐れもあります。
光熱費が気になる昨今ですが、お布団から出たら一枚羽織る、スリッパを履くなど工夫をしましょう。
高齢者ほど湯たんぽや電気毛布など、お布団の中を温めるアイテムを使いがちですが、ヒートショックが起きる可能性が高くなるため、お部屋全体も暖めることが大切です。特に寒さが厳しい日はWHO推奨の18℃以上に保つことを心がけましょう。
早坂 信哉(はやさか しんや)
東京都市大学人間科学部 学部長・教授 / 医師
1968年生まれ。宮城県出身。
1993年自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。
2002年自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)を取得。
その後、浜松医科大学准教授、大東文化大学教授 などを経て
2015年東京都市大学人間科学部教授(現職)
一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長
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暖房の効きが悪くなる原因と冬の睡眠時のエアコン活用術を
パナソニックのエアーマイスター 福田風子が解説
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暖房器具を使っているのに、部屋がなかなか暖まらない、睡眠中にエアコンを使用すると乾燥する……。そんなお悩みを抱えている方に、暖房の効きが悪くなる原因と対策や冬の睡眠時のエアコン活用術を、パナソニックのエアーマイスター兼睡眠改善インストラクターの福田風子が解説します。
■住宅の断熱性能が低いと何が起こる?
部屋がいつまでたっても暖まらないと、暖房器具の設定温度を上げたくなるもの。ですが、効果的な防寒対策を考えるなら、注目すべきは窓と床です。
断熱性能が低い窓ガラスに触れると、冷たくてヒヤッとします。そんな窓に近付くと、とにかく寒く、冷気の流れを感じることもあります。断熱性が低い窓ガラスが影響を及ぼすのは、窓の周辺だけではなく床付近まで冷やしてしまう原因となることも多いのです。
出典:財団法人建築環境・省エネルギー機構「住宅の省エネルギー基準早わかりガイド」
室内で暖められた空気は、冷たい窓ガラスに触れて冷やされると、足元に落ちるように流れていきます。冷たい空気は下に、暖かい空気は上に移動することで、対流が起きます。この冷気は床に沿って、室内へと広がっていきます。これが“コールドドラフト現象”と呼ばれるもの。よく、“足元が寒い”“冷たい隙間風を感じる”という声がありますが、これは隙間から入り込んだ冷気ではなく、窓ガラスで冷やされた空気が対流しているケースが多いのです。
コールドドラフト対策については窓の断熱性を上げることが重要です。カーテンを床面にしっかり届くようにしめることで、窓から入ってくる冷気をしっかりおさえることができます。暖房を強めるよりも、省エネで暖房効果を高めます。昼間カーテンを閉めることに抵抗がある場合には断熱シートでも対策ができます。
床の防寒対策は、床にラグやカーペット、コルクマット、ジョイントマットを敷くと足元が暖かく感じられるようになり、寒さが軽減できます。暖かくふわふわとした感触で、温もりを感じさせてくれる点も良いです。また、ホットカーペットを敷く際は、熱が床下に逃げないように、その下に断熱シートを敷きましょう。電気代の節約にもなるうえに、フローリングを熱から守る効果も期待できます。こたつの場合も同じように、床敷きの下に断熱シートを敷くのがおすすめ。
他にも、断熱性能を上げるという点では、壁に対策をするのも良いでしょう。マンションの場合、北向きの部屋はコンクリートの壁から冷えを感じることもあるので、壁にラグを掛けるアイデアもあります。
■プロが教える冬の睡眠時のエアコン活用術!温度は18℃前後、湿度は50%前後に
ユーザーデータから、全国的な寝室温度の低さが明らかになりました。しかし、睡眠中のエアコン活用は、乾燥が気になるという方も多いはず。冬の睡眠時のエアコン活用術をご紹介します。
理想的な睡眠環境を実現するためには、繊細な温湿度コントロールが必要不可欠です。個人差がありますが、寝具を用いて眠った場合、室温は16℃~19℃、湿度は50%~60%が心地良く理想的です。就寝時にエアコンを使うなら、室温は18℃前後、暖かい空気は上に向かうため風向きは下向きがおすすめですが、寝ている人に直接気流があたらないように風向は気をつけましょう。
冬場でもお布団の中はだいたい32℃前後になるので、夜中にトイレ等で目が覚めた場合は、お布団の中と寝室の温度に大きな差ができます。急激な低温環境への温度変化は、特に高齢者の方には大きな負担になりますので、就寝時にも寝室の温度は18℃を下回らないようにエアコンを活用いただければと思います。
寝ている間にエアコンを使うと電気代が気になる方も多いと思います。ここでは設定温度がポイントです。昼間は設定温度23℃前後の方が多いですが、寝室では「暖める」よりも「寒すぎない」という視点でエアコンを使うのが良いと思います。冬場は設定温度を1℃下げると約10%ほど省エネになりますので、快適な寝室環境のためにも低めの温度でエアコンを活用することをおすすめします。乾燥が気になる場合には加湿器を併用しましょう。
冬場手足が冷えてなかなか寝付けないという方も多いですが、寒いと交感神経活動が高まるだけでなく、手足の抹消血管がキュっと収縮して放熱が起こりにくくなるため、覚醒が高まり、入眠が妨害されるのです。寝る90分くらい前に40℃くらいのぬるめの湯舟につかって、一度体を温めると、ちょうど就寝時に深部体温が下がるのでオススメですが、就寝前に、手足が冷えてしまっているようであれば、手足を軽くあたためたり、お布団内をあたためておきましょう。
布団乾燥機で寝具を温めるのも良いですが、就寝前の20分~30分前に寝具をめくってエアコンをつけておくという方法なら寝具もお部屋もあたためることができオススメです。
ただし、就寝中は手足からの放熱を促し、深部体温を下げる必要があるので、就寝中に電気毛布をつけっぱなしにしたり、靴下を履いたまま寝るのはNGですので気を付けましょう。
また、エアコンを使用する際には乾燥を防ぐために加湿器や加湿機能つきの空気清浄機を併用するのもおすすめです。加湿機能で湿度コントロールを行いながら、空気の流れをつくることができるので、部屋の空気を循環してくれます。お部屋全体の湿度を保つのが難しいという方は、顔周りだけのスポット的な加湿でも構いませんし、のどの保湿には寝る直前にお水を飲んだり、枕元にペットボトルなどを置いて適宜水分補給したりすることでも効果はあります。
■冬場の快眠環境の寝室づくりのポイント
①就寝90分前にぬるめのお風呂にゆっくりつかる。一度体温を上げることで、就寝時に深部体温が下がってくることで自然に眠気が訪れる。
②眠る前は薄暗いお部屋でリラックスして過ごす。
テレビやパソコンはNG。明るい光は眠りを妨げる。
③就寝前にお布団をめくってエアコンをつけ、お布団とお部屋ともにあたためておく。
寝る直前は手足を軽くあたためる。ただし、靴下を履いたまま寝るのはNG
④エアコンの温度は18℃前後、湿度50%前後に。乾燥が気になる場合は加湿器を併用。
※就寝時のエアコン・加湿器使用時の温湿度は、使用環境によって異なります。快適の感じ方には個人差があります。
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冬の寝室でのエアコン利用におすすめ
“快眠環境運転”搭載のPXシリーズ
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冬の寝室でのエアコン利用には、「快眠環境運転」を搭載している「エオリアスリープ(寝室用モデル) PXシリーズ」をオススメします。
■ ベッドサイドセンサーと連携した「快眠環境運転」
寝室用エアコン「エオリアスリープ」PXシリーズの最大の特長は、ベッドサイドセンサーです。これまでのエアコンは、本体センサーで検知した温度をもとにお部屋を快適な状態に制御していました。しかし、住宅性能や外気温、家具の配置など、様々なお部屋の状況によって、設定温度と実際に人が寝ているベッド付近の温度に差が生まれ、寝ている間の温度環境が合わないことがありました。より快適な睡眠環境を作るためには、従来のエアコン本体のセンサーではなく、利用者のそばに寄り添い緻密に温度を検知する枕元のセンサーが必要だったのです。エオリアスリープの「快眠環境運転」は、ベッドサイドセンサーと連携し、身体が心地よく感じる温度を睡眠の経過時間ごとに制御します。
エオリアスリープ(寝室用モデル) PXシリーズ
https://panasonic.jp/aircon/sleep.html
【パナソニック エアーマイスター 福田 風子】
パナソニック株式会社
空質空調社 日本マーケティングセンター 空気事業マーケティング統括部
自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べるなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。
■「2023年 自宅の断熱性と冬の睡眠に関する実態調査」概要
●調査地域:全国
●調査期間:2023年11月17日(金)~11月18日(土)
●調査方法:インターネット調査(協力:ジャスシステム)
●調査対象:20~60代の男女
●有効回答:556名(男性:294名、女性:262名)
※調査結果を引用いただく際はパナソニック「エオリア」調べを引用元として記載ください。
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