賃料上昇を背景に築11年以上の反響シェアが拡大!東京都心では1億-1.5億円台の中古マンションが市場に滞留し、平均価格の押し下げ要因に

LIFULL HOME'Sマーケットレポート 2026年4-6月版

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、「LIFULL HOME'Sマーケットレポート 2026年4-6月版」を公開しました。

LIFULL HOME'Sマーケットレポートとは

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」で掲載された物件データおよび、ユーザーが不動産会社に問合せた物件(反響物件)データを月次で集計し、公開しています。エリア別の平均価格/賃料、平均面積、平均駅徒歩分数、平均築年数の詳細データはExcelデータをご覧ください。

掲載賃料/価格は「募集条件・売出価格」、反響賃料/価格は「ユーザーが問合せた賃料/価格」を示すものであり、成約賃料/価格とは異なります。

Excelデータは下記から無料でダウンロードできます(2020年1月-)

https://inquiry.homes.co.jp/l/229832/2024-08-09/54zfcr/229832/1723179806h7sKaSZS/marketreport_monthly.xlsx

LIFULL HOME'S PRESSの記事はこちら

URL:https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00557/

2026年4~6月のTOPICS

  • 首都圏の賃貸物件シングルタイプの掲載賃料が、集計開始以降*1初めて10万円台に

  • 東京23区の賃貸物件シングルタイプの反響賃料が、集計開始以降*1初めて10万円台に

  • 東京23区の賃貸物件シングルタイプは、賃料上昇を背景に築11年以上の反響シェアが拡大

  • 首都圏中古マンション掲載価格、シングル・ファミリーともに集計開始以降*1の最高値を更新

  • 東京都心6区の中古マンションファミリータイプは、1億-1.5億円台の物件が市場に滞留し、平均価格が押し下げられる

*1 2020年1月の集計開始以降

※ シングル向き:ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K

※ ファミリー向き:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~

賃貸マーケット

2026年6月の賃貸物件の掲載賃料は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングルタイプで100,574円(前年同月比+19.2%)となり、初めて10万円を突破した26年4月をピークに2ヶ月連続で下落しました。一方、ファミリータイプは161,230円(同+16.4%)で、集計開始以降*1の最高値を更新しています。なお、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)では、シングルタイプが65,726円(同+10.6%)で集計開始以降*1の最高値を更新、ファミリータイプは90,459円(同+10.3%)で前月に次ぐ集計開始以降*12番目の高さとなりました。(図1・2参照)

首都圏では、ファミリータイプの反響数が2025年7-9月期以降、4四半期連続で前年同期を下回るなど、ファミリー層の住み替え需要(反響)は減少傾向が続く一方で、住民基本台帳人口移動報告によると、東京圏における20~34歳の2026年4~5月の転入超過数は63,797人(前年同期比-1.4%)となるなど、首都圏外から流入する若年層(シングル層)を中心とした新規需要は底堅い状況が続いており、首都圏シングルタイプの反響数は、2025年4~6月期以降、4四半期連続で前年同期を上回っています。特に東京23区ではこれまで、そうした環境がシングルタイプ掲載賃料の上昇要因のひとつとなっていました。しかし反響賃料は、4月に初めて10万円を突破し、6月には100,252円と前年同月より上昇(+4.5%)しているものの、掲載賃料の上昇(同+16.7%)には追随できておらず、両者の乖離が拡大しています。

そのようななか、首都圏シングルタイプにおける東京23区の反響シェアは、1-3月が50.1%で前年同期比-2.8pt、4-6月が51.4%で同-1.4pと、引越しシーズン(1-3月)にみられた反響シェアの郊外シフトは4-6月も継続しており、こうした需要の変化を受けて、東京23区の掲載賃料は調整局面に入っているものとみられます。(図3参照)

なお、2026年4-6月にユーザーが問合せた東京23区の物件のうち、新築物件のシェアは前年同期の4.2%から3.5%に、築1-10年は33.7%から30.4%に縮小する一方で、築11-20年は25.7%から26.1%に、築21-30年は12.9%から14.8%、築31年以上は23.6%から25.2%へと、反響物件に占める築古物件の割合が拡大しています。築31年以上は86,809円と、新築・築浅物件に比べて依然として低い水準にあることから、賃料面で相対的に検討しやすい築古物件のニーズが高まっているものと考えられます。(図4参照)

中古マンション マーケット

2026年6月の中古マンション掲載価格は、首都圏シングルタイプで5,890万円(前年同月比+33.9%)、ファミリータイプで6,650万円(同+38.2%)と、いずれも集計開始以降*1の最高値を更新しました。近畿圏でもシングルタイプが3,627万円(同+44.3%)で集計開始以降*1の最高値を更新しています。(図5・6参照)

特徴的な動向として、これまで首都圏ファミリータイプの価格上昇を牽引してきた東京都心6区(千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区、文京区)の掲載価格が、26年2月(1億8,063万円)をピークに4ヶ月連続で前月を下回り、6月は1億6,800万円となっている点が挙げられます。(図7参照)

2026年4-6月の都心6区の掲載物件数は前年同期比で+44.6%と大きく増加傾向にあります。しかし、掲載価格がピークとなった前期(1-3月)には全物件の21.3%を1.6億円台以上の物件が占めていたところ、4-6月にはその構成比が18.9%へと縮小。平均価格(6月:1億6,800万円)よりも低い価格帯である1億-1.5億円台の物件の構成比が20.7%から24.4%へと拡大(図8参照)したことで、平均価格を押し下げる要因となりました。売り出し後に価格を改定をする物件の増加や値下げ幅の拡大も、平均価格の下落に拍車をかけています。

なお、実需層からのニーズがメインとなる1億-1.5億円台の物件では住宅ローンへの依存度が高く、反響数は増加傾向(図9参照)にあるものの、昨今の金利の上昇傾向や価格高騰に伴う予算の限界などが要因となり、成約に至らない物件が増えていると考えられます。東日本レインズのデータによると、東京都区部全体では、2026年1月以降の中古マンションの成約件数は前年同月を下回る月が続いていることから、成約ペースが鈍化している市場に、それを上回るペースで新規の売り出し物件が流入し続けており、結果として在庫が大きく積み上がっていることがうかがえます。

さらに、6月には日銀が31年ぶりの水準となる利上げを発表しました。LIFULL HOME'Sの「住宅ローンに関する定期意識調査」(2026年6月)によると、利上げの発表を受けて購入検討者の57.4%が購入意欲について「やや慎重になった」と回答しており、今後金利動向に対する警戒感などが強まることで、住宅ローン利用層の成約ペースのさらなる鈍化や在庫の増加に繋がる懸念があります。

一方で、2億円以上の物件に対する反響数の増加はさらに顕著です。同価格帯の掲載・反響の増加は主に港区に集中し(図10参照)、なかでも麻布十番駅周辺エリアがその多くを占めています。これは、2025年から2026年にかけて引き渡しが行われている超大規模分譲マンションの中古市場での流通が本格化し、市場の強い関心を集めていることが大きく影響しています。しかし同時に、2億円以上の掲載物件数(在庫)も前年比+95.6%と増加しています。ランドマーク物件に反響が集中する反面、その他のエリアや物件においては、買い手のシビアな選別のもと、在庫が滞留し始めています。

中古一戸建て マーケット

2026年6月の中古一戸建て掲載価格は、首都圏で3,995万円(前年同月比+7.2%)、近畿圏で2,451万円(同+3.1%)となり、いずれも中古マンションに比べるとその上昇率は限定的なものとなっています。これは、マンション市場では新築価格の高騰に伴う需要の中古シフトや投資マネーの流入といった上昇圧力が働いているのに対し、一戸建て市場は純粋な居住を目的とした実需層が需要の中心となっているためです。LIFULL HOME’Sの流通物件では、2024年以降に、マンションと比べて一戸建ての反響割合が増加傾向にありますが、今後もマンションとの価格の乖離が拡大し続ければ、同じ予算でも広さを確保しやすい一戸建てへと目を向ける需要がさらに強まるものと見込まれます。

加えて、中東情勢の緊迫化を背景とする資材不足の影響で、現在新築住宅では住宅設備の供給不安や、引き渡しの遅延といったリスクが顕在化しています。一戸建て市場は元来取引の8割以上を新築が占めるマーケットですが、前述した価格優位性のほか、引き渡しの確実性という観点からも、中古物件の価値が見直されており、今後は一戸建て市場においても実需層の中古シフトが本格化する可能性があります。

分析:LIFULL HOME'S総研 研究員 渋谷 雄大(しぶや たけひろ)

2015年、LIFULLに新卒入社。LIFULL HOME'S営業として、賃貸マーケットを担当した後、2020年よりLIFULL HOME'S PRESS編集部で「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」などを担当するほか、LIFULL HOME'Sのデータを活用して不動産のトレンドを読み解く記事を多数執筆。2025年よりLIFULL HOME'S総研研究員を兼務。広島県出身。

集計対象データ

2026年4月1日~6月30日に、LIFULL HOME'Sで登録・公開された賃貸マンション・アパート、居住用中古区分マンション、居住用中古一戸建て

LIFULL HOME'S について(https://www.homes.co.jp/

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。

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株式会社LIFULLについて (https://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」などの事業展開を行っています。

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会社概要

株式会社LIFULL

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URL
https://lifull.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月