リブレット形状を航空機に大面積施工し、燃費改善効果を計る飛行実証実験を開始します
2023年11月10日
JALは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)、オーウエル株式会社(以下「オーウエル」)と共に、航空機の燃費改善によるCO2排出量削減を目指し、Paint-to-Paint Method(*1)を用いて機体外板の塗膜上に約60cm2のリブレット(*2)を施工した航空機(ボーイング737-800型機)による飛行実証試験を、2022年7月より進めてきました(*3)。
オーウエルの施工方法による機体は、2023年2月時点で施工後約1,500時間、6月時点で約2,300時間が経過し、十分な耐久性を有することが段階的に確認されたため、大面積での燃費改善効果の検証を進めることとなりましたが、このたび、航空機外板への大面積施工が完了し、通常のフライトにおける実証実験を開始します。
(*1)Paint-to-Paint Method (オーウエル):既存の塗膜上に、水溶性の型で塗膜に凹凸を形成する手法
(*2)リブレット:サメ肌形状によって水の抵抗が軽減されることにヒントを得て考案された微細な溝構造。航空機の飛行時の空気の流れに沿って機体外板に微細な溝構造を形成することで、飛行時の抵抗を軽減することができる。
(*3)2023年2月28日付プレスリリース 第22110号 『JAL、JAXA、オーウエル、ニコン 世界初、塗膜にリブレット形状を施工した航空機で飛行実証試験を実施』 https://press.jal.co.jp/ja/release/202302/007251.html
航空機の大面積への施工を実現するためには、水溶性の型の大型化、大型化に伴う施工技術の確立といった課題を解決したうえで、施工箇所・面積を確定する必要があり、JAL、JAXA、オーウエルにて最適な方法を検証してきました。
水溶性の型の大型化(オーウエル)
・水溶性の型の量産を見据えた、材料および製造工程の見直し
・現場施工を可能とするフィルム構成に改良
これらの工夫や検証の結果、航空機外板への大面積施工が可能と判断し、2023年11月、ボーイング737-800型機の国内線機材1機(JA331J)の胴体下部に、合計約25m2のリブレット形状を施工(下図緑部分)することに成功しました。
今後、大面積施工したリブレット形状の耐久性、美観性、および燃費改善効果を確認していきます。また、来年度以降、より効果の高い国際線機材へのリブレット形状の施工を展開することで、さらなるCO2排出量の削減に取り組んでまいります。
以上
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