社会変革に挑むNEC社会起業塾2025年度塾生(第24期生)に4団体を決定
NECは、若手の社会起業家育成プログラム「NEC社会起業塾」(注1)の2025年度塾生(第24期生)として4団体を決定しました。
本プログラムは、社会課題に取り組む若手起業家を支援する日本初のプログラムとして、2002年度にNPO法人ETIC.(エティック、注2)と協働で開始し、これまでに持続可能な開発目標(SDGs)や先駆的な社会課題に取り組む社会起業家を育成することで、ソーシャルインパクト(社会的波及効果)(注3)を創出してきました。
2025年度は、NECがPurpose(存在意義)で掲げる、“安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現”をテーマに、①独自の心理分析技術とAIを使って育児支援を行う「トモイク株式会社」、②メディアの力を使って野生生物保全に取り組む「Rooting Our Own Tomorrows」、③教育機会の地域格差是正を目指す「Glocal Solutions from Classroom」、④独自SNSを使ったコミュニティづくりに取り組む「株式会社祭」の4団体をNEC社会起業塾の塾生として決定しました。これらの団体においてはNECのDXとの連携による社会課題解決が期待されます。
これらの団体は、約半年間にわたるプログラム期間にメンターからの助言を受け、仮説の構築と実践での検証を繰り返しながら、事業プランや戦略を磨いていきます。
NECは今後も、社会課題の解決や新たな価値創造を目指す次世代の起業家の育成を通じて、社員の社会課題への感度を高めるとともに、社会起業家との対話・共創を通じて、さらなる社会価値創造を目指していきます。
2025年度NEC社会起業塾生(第24期生)の概要は次の通りです。*順不同、敬称略
団体名:トモイク株式会社
氏名 :竹村 由賀子
事業内容:トモイクは、『孤育(こいく)』という、母親が子育てを一人で抱え込み孤立する社会課題を解消するため、AI保育士による相談・コミュニティ支援と、家庭内ルール化・夫婦連携の設計で『共に育てる社会』を実現します。LINEベースの相談での即時アドバイス・傾聴、コミュニティ、情報交換、夫婦連携をすることで、夫向け専用機能で役割分担を促進し、政策目標に沿ったKPI改善を目指します。

関連サイト:https://tomoiku.co/
入塾への想い:社会起業塾では、政策連携力と中間支援者とのネットワーク構築力を学びたいです。AI保育士というテクノロジーと行政・企業・地域をつなぐ仕組みを強化し、『脱ワンオペ』の社会循環を創りたいという想いがあります。社会起業塾を通じて、インパクト評価や資金調達の具体的ノウハウも習得し、孤育ゼロの未来に向けた事業モデルを確立していきます。
団体名:Rooting Our Own Tomorrows
氏名 :安家 叶子
事業内容:世界には莫大な需要に支えられた野生生物の違法取引が存在し、日本も主要な消費国の一つとされています。こうした取引は、生物多様性の損失や新興感染症リスクを引き起こす深刻な課題であり、さらに企業にとっては表現の炎上など経営リスクにも直結します。メディアは強い影響力を持ち、無意識のうちに需要を高めてしまう一方、その力を正しく活かせば大きな解決策にもなります。私たちは専門家としてリスク回避の助言や監修を行い、より質の高い表現を追求する中で、野生動物の未来を守る仕組みを共に築いてまいります。

関連サイト:https://www.roots-wildlife.org
入塾への想い:私たちは動物の専門家集団であり、課題解決への強い意志があります。しかし、事業の社会実装が始まった今、組織運営や事業構築の経験不足が拡大の壁となっています。本プログラムでは、想いを形にし続けるための経営戦略とマネジメントを学びたいです。特に社会課題に愚直に取り組むための経済性についての知見を身につけ、NPOとして自走する基盤を築くことを目標とします。
団体名:Glocal Solutions from Classroom
氏名 :今泉 沙織
事業内容:日本の製造業の国際競争力を高め、国内の多様性への対応を進めるために、デジタルものづくりを活かしたオンライン国際協業や異文化理解研修、国内外での研修を組み合わせて実施します。探究的なグローバルキャリア教育や異文化コミュニケーション研修を通じて、創造性と国際感覚を兼ね備えた次世代の人材を育成します。

関連サイト:https://www.gsfclassroom.org/
入塾への想い:社会起業塾で出会う方との共創や、新たに学ぶ知識や知見と共に、再度自分に向き合い、事業の軸を定め、ビジョン・ミッション・コンセプトと、ブランディング、事業計画を磨き、社会に確かな価値とインパクトを届けられる持続可能な事業にしていきたいです。
団体名:株式会社祭
氏名 :清水 舞子
事業内容:「相談できない」――実はいま、日本には心に不調を抱えながらも、誰にも打ち明けられずにいる人が約3,000万人もいると推計されています。私たちは、そんな"声なき声"を見過ごさないために、やさしさと共感が循環する「相互ケア型SNS」を提供中です。投稿することで心がケアされ、また独自の感情分析AIにより投稿内容から適切な支援機関への橋渡しを実現します。現在、大学との共同研究も進行中。またサービスはリリースから1年で約3.5万ダウンロードを達成。着実に成長を続けています。

関連サイト:https://matsuli.jp/
入塾への想い:私たちは普段、ITスタートアップであると同時に、社会課題を解決する企業という二側面を携えて活動しています。今回、採択いただいた社会起業塾では「社会にどう貢献するか」をチーム一同あらためて見つめ直す場にさせていただきたいと考えています。同時に、横のつながりをさらに広げ、大きな志を持つ仲間や先輩と出会い、生涯をかけて共に世の中を変えていける関係を築きたいと思います。
(注1) NEC社会起業塾 https://jpn.nec.com/community/ja/resources/npo.html
2002年度よりNECとNPO法人ETIC.が協働で開催し、社会的課題に取り組む若手社会起業家を支援するプログラム。卒業生には、認定NPO法人フローレンス(ハーバード・ビジネス・スクール・クラブ・オブ・ジャパンより「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」を最年少で受賞、ニューズウィーク「世界を変える100人の社会起業家」に選出)や認定NPO法人かものはしプロジェクト(国際青年会議所世界大会にてTOYP賞『世界で最も傑出した若者賞』を受賞、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー(リーダー部門)を最年少で受賞)等がいる。
また2013年度には10年以上にわたる実績が評価され、「企業フィランソロピー大賞・社会変革への礎賞」(主催 公益社団法人日本フィランソロピー協会)を受賞。
さらに、2025年1月、公益社団法人経済同友会が発行した「『ソーシャルセクター連携』のすすめ~共助経営のためのガイダンス~」 ( https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/2024/250115b.html ) の中で、企業とソーシャルセクターの連携の先進事例として紹介。
(注2) NPO法人ETIC.(特定非営利活動法人エティック) https://www.etic.or.jp/
社会の未来をつくる人を育み、挑戦する人を支える仕組みづくり・生態系づくりを提案するNPO法人。1993年の創業以来、次世代の起業家型リーダーの育成と社会へのイノベーション創出を通して、実践型インターンシップやソーシャルビジネスを立ち上げる若者を支援するNEC社会起業塾などの起業家支援プログラム、先輩起業家や事業パートナーと繋がるコミュニティ、キャリアに関する情報発信などの機会提供を行う。これらのプログラムへの参加を通して2,100⼈以上が起業するなど、アントレプレナーシップ(起業家精神)に溢れる人材がより多く育まれている。
また、SDGsやESGへの関心が高まる中、近年では大企業からのCSRコンサルや、社会課題を起点とした新規事業創造の研修等も実施。企業・行政・大学・個人などの多様なセクターと連携している。
(注3) NEC社会起業塾によるソーシャルインパクト(社会的波及効果) ※NPO法人ETIC.調べ。
・NEC社会起業塾の卒塾生数: 74名(2024年度末現在)
・「卒塾生の事業継続率: 81%(2024年度末現在)
※10年以上事業を継続している企業例:
認定NPO法人フローレンス<2003年度>、認定NPO法人かものはしプロジェクト<2003年度>、
NPO法人CANVAS<2003年度>、認定NPO法人カタリバ<2004年度>、ケアプロ(株)
<2008年度>、(株)坂ノ途中<2009年度>、NPO法人クロスフィール<2011年度>等
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC コーポレートコミュニケーション統括部
E-Mail:sco@csr.jp.nec.com
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