「WIRED イノベーションアワード2025」が本日開催 最後のイノベーターとしてPerfumeが選出 その他、落合陽一や星街すいせい、村田沙耶香ら21組の受賞者が決定

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コンデナスト・ジャパン

「WIRED Innovation Award 2025」 © 2025 Condé Nast Japan. All rights reserved.

 未来を実装するメディア『WIRED』日本版は、科学技術、アート、エンターテインメント、ビジネスなどあらゆる領域からイノベーターを選出する「WIRED Innovation Award 2025(イノベーションアワード)」の授賞イベントを本日 12月1日(月)に開催いたします。

 受賞者として、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーを務めたメディアアーティストの落合陽一をはじめ、今年2月に自身初の日本武道館ソロライブを成功させたバーチャルアイドルの星街すいせい、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した作家・村田沙耶香など総勢21組を選出。また本日、最後の1組としてテクノポップユニット・Perfumeの受賞も発表されました。

 「WIRED イノベーションアワード」は2016年にローンチし、2019年までの4年間で総勢120組を顕彰してきたアワードプロジェクトです。本アワードは、未来を見据え、イノベーションを通じて人類が描く新しい「シアワセ」の可能性を発見するための試みです。6年ぶりの開催となる今年は、積水ハウス株式会社と協業し、新たなタグライン「この革新は、未来のシアワセのために」を掲げて再始動しました。

■「WIRED Innovation Award 2025」受賞者一覧 ※五十音順

浅川純

Pale Blue共同創業者・代表取締役。水を推進剤として用いた小型衛星用推進機を社会実装することで、宇宙空間における新たなモビリティインフラの構築を目指す。

受賞理由

水を推進剤とする小型衛星用エンジンの実用化により、安全で持続可能な宇宙開発の新たな可能性を開いた。従来型の推進剤が抱える取り扱いの危険性やコスト課題を解決し、2025年9月には水イオンエンジンの軌道上作動に世界初成功。量産体制の確立まで実現し、持続可能な宇宙モビリティインフラの構築に貢献している。

AMI

ブレイクダンサー。国際的な大会で何度も優勝を重ね、2024年のパリオリンピック・ブレイキンB-Girlで金メダルを獲得した。『WIRED』のYouTubeシリーズ「Tech Support」にも出演し、その魅力や奥深さを発信。

受賞理由

2024年パリオリンピックでブレイキン初代女王に輝き、ストリートカルチャーとしてのブレイキン(ブレイクダンス)の本質を守りながら競技としての成功を両立。採点競技でありながら「自分軸」を徹底的に貫き、誰かと競いながらも最終的に問われるのは自分に対してどこまで誠実でいられるかという独自の哲学を体現している。

池上高志

複雑系・人工生命の研究者。理学博士(物理学)。人工生命(ALife)に新たな境地を切り拓き、研究を世界的に牽引。アート作品でも注目される。

受賞理由

人工生命や複雑系の研究を基盤に、科学と芸術を横断する思索と実践を続けてきた。油滴の研究やアンドロイド「Alter」を通じて、生命や知性の本質を自律性や創発として表現。その探究はインスタレーションやパフォーマンスに展開され、「生命とは何か」という問いを科学と感性の交差点から立ち上げている。

今井悠介

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン代表理事。小学生のときに阪神・淡路大震災を経験。大学在学中にNPO法人で不登校児童の支援や体験活動に携わる。

受賞理由

日本の子ども支援にパラダイムシフトをもたらした。「スタディクーポン」で使途限定型バウチャーを提供するほか、低所得家庭の子ども約3人に1人が「体験ゼロ」という実態を可視化。「お金」「時間」「情報」の複合的障壁に対応する包括的モデルを構築した。自治体との連携により政策化を推進し、子どもの貧困対策の新たな地平を切り開いている。

大西麻貴+百田有希 / o+h

建築家ユニット。「愛される建築」を目指し、公共建築から住宅、福祉施設まで幅広く手がけている。近年はワークショップやレクチャー、勉強会、書籍などの企画・出版もおこなう。

受賞理由

建築を単体ではなく「生きた全体」として捉え、人・土地・時間の記憶を総体として設計する革新的な思想に基づいて、内部と外部、過去と未来を架橋する建築を実践している。2023年に日本建築学会賞を受賞した児童遊戯施設「コパル」では、スロープが車椅子の動線と子どもの遊び場を同時に実現し、単一機能に還元できない包括的空間を創出した。

押山清高

アニメーション監督、アニメーター。さまざまな作品で監督・脚本・デザイナーなど幅広い役割を担う。2024年、監督・脚本などを務めたアニメーション映画『ルックバック』は、第48回日本アカデミー賞など多くの賞を受賞した。

受賞理由

アニメの企画から仕上げまで少人数でこなす体制を構築。『ルックバック』では原画の線をできる限り残す特殊な表現を採用し、一貫した美学と感情の温度感をもたせた。監督・脚本・キャラクターデザイン・原画などの役割を兼務しながら長編を完成させ、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞するなど国内外で高く評価されている。

落合陽一

メディアアーティスト。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに活動。2025年、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー。

受賞理由

デジタルと物質を融合させる試みが先駆的。創作のテーマである「デジタルネイチャー(計算機自然)」を2025年の大阪・関西万博のパビリオン「null²」として具現化した。そこで実現された技術的革新は、建築、AI、ブロックチェーン、ロボティクスなどの分野を統合した総合的なシステムとして、未来社会の可能性を提示している。

庄司夏子

シェフ、パティシエ。季節のフルーツを贅沢にあしらった完全予約制・数量限定販売のケーキ「フルール・ド・エテ」が「幻のケーキ」と呼ばれて話題に。2015年7月に1日1組の完全紹介制のレストラン「été(エテ)」をオープン。

受賞理由

ガストロノミーの世界に新たな価値体験を創出した。1日1組限定の業態により一人ひとりのゲストに向き合う料理を提供。パティシエとシェフの垣根を越え、アートと料理を融合させた独自の表現で世界的に高い評価を得ている。2025年にはティファニーとの協業でラグジュアリーブランドと食の融合という新領域を開拓した。

鈴木俊貴

動物言語学者。鳥類の行動研究を専門とし、特に鳴き声の意味や文法構造の解明に取り組んでいる。鳥類だけでなく、哺乳類や両生類などさまざまな動物を対象に言語能力を探究する新領域「動物言語学」を創設。

受賞理由

シジュウカラが単語を組み合わせて文をつくることを科学的に証明し、「言葉を使えるのは人間だけ」という常識を覆した。動物行動学、言語学、認知科学を融合した新領域「動物言語学」を創設し、2023年に世界初の専門研究室を東京大学に設立。2025年には動物行動学の分野で世界的に権威ある賞「Tinbergen Lecture Award」に選出された。

TOWA TEI

音楽家。1990年にDeee-Liteのメンバーとして、アルバム『World Clique』で全米デビュー。現在、13枚のソロアルバム、3枚のSWEET ROBOTS AGAINST THE MACHINE名義、METAFIVEのアルバムなどがある。

受賞理由

DJであり音楽プロデューサーとして世界と日本のクラブカルチャーを接続し、電子音楽の可能性を拡張してきた。YMO40周年アルバム企画監修やMETAFIVE、Netflixアニメ劇伴、空間音楽監修など多様な領域に活動を展開。この蓄積が、2025年には横尾忠則のアートワークや世代を超えたゲストを迎えたアルバム『AH!!』、Star WarsというグローバルIPへの楽曲提供として結実し、音楽の境界を超え続ける革新性を体現している。

友廣裕一・蜂谷潤

友廣裕一は、2011年の東日本大震災後、宮城県石巻市・牡鹿半島の漁家の女性たちとともに弁当屋やアクセサリーブランドなどの事業を手がけ、東京・墨田区で食べる人とつくる人がつながるマーケットを立ち上げる。

蜂谷潤は、学生時代に「海洋深層水を活用したアワビ類及び海藻類の複合養殖」のビジネスプランを構想し、これを事業化するべく研究活動をする。

友廣、蜂谷は共同代表としてシーベジタブルを創業。人や組織をつなぎながら、新たな海藻食文化をつくるべく駆け回る。

受賞理由

海藻を軸に研究・食・福祉・ビジネスという異なる領域を融合。陸上栽培や養殖技術を確立して生産基盤を拡大しながら、商品開発や新しい料理の提案を通じて海藻食文化を創造している。障害者や高齢者との協働による地域共生モデルを実践し、海と地域をつなぐ新たな産業のかたちを提示。環境と食の持続可能性にも貢献した。

中山晃子

画家。色彩と流動のもつエネルギーを用い、さまざまな素材を反応させることで“生きている絵”を出現させるアーティスト。絶えず変容していく「Alive Painting」シリーズなど、パフォーマティブな要素の強い絵画をつくり出している。

受賞理由

色彩と流動をリアルタイムに生成する「Alive Painting」というライブパフォーマンスを独自に探求。物理的な現象をそのときだけ生成される「生きた絵」として表現し、特に音楽とのコラボレーションによって物理法則と身体表現を融合させている。これにより、時間や空間の価値を美しく再定義するアートとして確立させた。

Perfume

あ〜ちゃん・かしゆか・のっちからなる3⼈組ユニット。1999年に広島で結成し、2005年にメジャーデビュー。2007年にシングル「ポリリズム」がブレイク。独⾃な楽曲・歌詞・ダンス・MCなどで多⽅⾯から評価を得る。2025年9⽉に結成25年⽬、メジャーデビュー20周年を迎えた。9月22日と23日には「Perfume ZO/Z5 Anniversary “ネビュラロマンス” Episode TOKYO DOME」として東京ドーム2DAYS公演を開催した。

受賞理由

音楽とテクノロジーを融合した身体的表現の先駆者。最先端技術を駆使したライブパフォーマンスにより、エンターテインメントの未来形を提示し続けてきた。ライゾマティクスとの協働によるモーションキャプチャーや3D点群化技術、AR演出などを用いたステージは、デジタル技術と人間の身体性が完璧に同期する“奇跡のシンクロ”を生み出している。

星街すいせい

歌を武器に圧倒的な存在感を放ち、ミュージックシーンを切り拓いているバーチャルアイドル。YouTubeチャンネル登録者は280万人を越え、2024年3月にリリースした楽曲「ビビデバ」がスマッシュヒット。2024年11月~2025年2月には全国3都市を回るライブツアーと日本武道館でのソロライブを成功させた。

受賞理由

バーチャルとリアルの境界を超え、音楽シーンに新たな地平を切り拓いた。2025年2月には日本武道館でのソロライブを成功させ、VTuberとして前例のない到達点を示した。「ビビデバ」のミュージックビデオが世界三大広告賞であるClio Awards音楽部門でブロンズ賞を受賞するなど国際的な評価を高め、バーチャルアイドルの可能性を世界に提示し続けている。

前田瑶介

WOTA代表取締役兼CEO。起業して建築物の省エネ制御のためのアルゴリズムを開発・売却後、WOTAに参画。自律分散型水循環社会の実現を目指している。

受賞理由

大規模集中型から小規模分散型へと水インフラのパラダイム転換を目指し、AIによる自律制御で使用水の98%以上を再生循環させる「WOTA BOX」などを開発。2024年1月の能登半島地震では発災直後から迅速な支援体制を構築し、自律運用モデルを確立した。2025年7月には「Water 2040 Fund」を創設し、分散型水循環システムの実用化を推進している。

松田崇弥・松田文登

ヘラルボニー共同代表。1991年生まれの双子。弟・崇弥は東北芸術工科大学企画構想学科を卒業後、小山薫堂が率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズに入社。双子の兄・文登は東北学院大学共生社会経済学科を卒業後、大手ゼネコンで被災地再建に従事。2018年7月にヘラルボニーを共同創業した。

受賞理由

主に知的障害のある作家を「異彩を放つ作家」と捉えてアート作品を展開。幅広い活躍の場を生み出すことで、「支援される障害者」から「対等なビジネスパートナー」への価値観の転換を実現し社会に大きなインパクトをもたらした。2025年には文化庁芸術選奨やカンヌライオンズ・ゴールドの受賞など国内外で評価を高めている。

村田沙耶香

小説家。1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年『コンビニ人間』で芥川賞受賞。2025年に『世界99』が第78回野間文芸賞を受賞。

受賞理由

デビュー作以来、「普通」や「常識」の揺らぎを描き続けてきた。第155回芥川賞を受賞した『コンビニ人間』で社会規範を、『消滅世界』で性と生殖の意味を問い直し、2025年の『世界99』では複数の人格を演じる主人公を通じてアイデンティティの不確かさを極限まで描出。第78回野間文芸賞を受賞し、人間の存在そのものを根源から問い直す文学的試みを深化させた。

森永邦彦

ANREALAGEデザイナー。 継ぎ接ぎの手縫いの服づくりから始まり、いままでにないファッションを生み出そうと最先端のテクノロジーを取り入れ、光の反射する素材使いや球体・立方体などの近未来的デザインを手がける。

受賞理由

日常と非日常の境界を越える哲学のもとファッションの概念を拡張し続け、「服とは何か」という根源的な問いに最先端技術で答えを提示してきた。球体服で人体に合わせる前提を覆し、紫外線で色が変わるフォトクロミック素材で固定概念を解放。ファッションをプラットフォームとして再定義し、知覚を拡張する体験を実現した。

柳沢正史

睡眠学者。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長。2012年より文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授。

受賞理由

睡眠という人類のウェルビーイングの根幹をなす営みを長年研究し、オレキシンの発見によって睡眠・覚醒のメカニズム解明に新たな地平を開いた。基礎生物学、薬科学、ヒト生理学を融合させた学際的研究領域「睡眠医科学」を創出し、睡眠学の新結合を実践。「睡眠とは何か」という根源的な問いを現代社会に接続する知のナビゲーターである。

山田智和

映像作家・映画監督・写真家。宇多田ヒカルや米津玄師、藤井風、サカナクションなどのミュージックビデオ(MV)や長編映画の演出、写真個展やライブ総合演出などをおこなう。シネマティックな演出と現代都市論をモチーフとした表現が特色。

受賞理由

ミュージックビデオという自由度の高い映像表現の領域において、商業性と芸術性の境界線で活動。2024年に長編映画で監督デビューを果たし、独特の美学を新たな表現領域へと拡張した。言葉にできない感情や衝動を「イメージとしてかたちにする」という一貫した哲学のもと、ジャンルの枠を超えて日本の映像文化をリードしている。

横山奈美

画家。消費され、やがて捨てられていく物に光を当てて描く「最初の物体」シリーズ(2012~)やネオンをモチーフにガラス管や背後に存在する配電線、フレームまでを克明に描く「ネオン」シリーズ(2016~)など、物を見て描くという行為を通し、わたしたちと物に与えられた役割や制度を再考する作品を制作している。

受賞理由

社会で不可視化されるものに光を当てる独自の哲学を絵画表現として確立した。ネオンの美しい光だけでなく配電線なども克明に描き、理想と現実、表層と構造を等価に扱い「見られたくない部分」を顕在化。「見えない存在」に美しさを見出す眼差しは捨てられる物を描く「最初の物体」シリーズから一貫しており、絵画の枠を超えた領域へと拡張している。

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代表者名
北田 淳
上場
未上場
資本金
2億5000万円
設立
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