【ホテルオークラ東京】将来を嘱望される音楽家を支援するメセナ活動◆第20回『ホテルオークラ音楽賞』受賞者決定
小林 沙羅(こばやし さら)氏(ソプラノ)・岡本 侑也(おかもと ゆうや)氏(チェロ)に決定
- 小林 沙羅 (ソプラノ)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。 第27回(2016年度)出光音楽賞受賞。 2010~2015年ウィーンとローマにて研鑽を積む。2006年に国内デビュー後、数多くのオペラやコンサートで活躍。2012年ブルガリア国立歌劇場『ジャンニ・スキッキ』ラウレッタ役で欧州デビュー。
- 岡本 侑也 (チェロ)
2017年エリザベート王妃国際音楽コンクールのチェロ部門第2位・イザイ賞、第80回(2011年)日本音楽コンクールのチェロ部門第1位。第16回(2017年)齋藤秀雄メモリアル基金賞、第28回(2017年度)出光音楽賞受賞。ミュンヘン音楽大学大学院でJ.シュテッケル氏に師事。
<選評> 寺西基之(音楽評論家)
小林 沙羅(ソプラノ) 小林沙羅さんは天性の歌声ともいえるような美しい声で早くから注目を浴びた。しかし天性の声だけでは優れた本格的な歌手になれないことは勿論である。小林さんの歌には、詞の意味をしっかりと捉えつつ、曲にふさわしい表現を綿密に作り上げていこうとする知的な姿勢が常にうかがえる。透明な軽やかさや広がりある叙情美から、濃密な厚み、豊かな情感表出、芯の通った力強さ、劇的な激しさにいたるまでの彼女の表現力の幅広さは、そうした姿勢あってこそのものだろう。そのような知的なアプローチでもって充分に表現を練り上げているからこそ、天性の声が生かされ、その歌があたかも本然的に湧き上がってくるような魅力を発するのだといってよい。同じことはオペラにおける小林さんの演技にもいえることで、自分の演じる役柄を充分に掘り下げ、役になりきってその性格と感情を表わし出す演技力は高く評価されよう。まさに真の歌姫というにふさわしい逸材である。 |
岡本 侑也(チェロ) 岡本侑也さんは2017年に世界的な大コンクールであるエリザベート王妃国際コンクールに初めて設けられたチェロ部門で見事2位に輝いたことで、一般に広くその名が知られるようになった。しかしそれ以前から彼の演奏に接していた人は皆、この快挙を当然のことと受け止めたはずである。それほどに岡本さんは若手チェリストの中でも抜きん出た存在だ。どんな難曲を弾いてもその難しさを聴く者に微塵も感じさせないほどの研ぎ澄まされた技巧の持ち主だが、決して自分をひけらかすことなく、作品に対する謙虚な姿勢のもと、自分が作品と一体化するかのように、自然な流れの中に豊かな表情の息づく音楽を奏でるところがすばらしい。昨年のリサイタルでは彼が難解な現代曲を暗譜で淀みなく弾くのに驚かされたが、複雑な曲をも暗譜するほどに彼は自分の演奏する作品を完全に手の内に収めているのである。今後どのようにさらなる進化をみせてくれるのか、楽しみでならない。 |
- 第20回 ホテルオークラ音楽賞 概要
小林 沙羅 (ソプラノ)
岡本 侑也 (チェロ)
【選考委員】
選考委員長:
池田 正己 (ホテルオークラ東京代表取締役社長)
選考委員:
堤 剛 (チェリスト、公益財団法人 サントリー芸術財団代表理事、サントリーホール館長、日本藝術院会員)
大友 直人 (指揮者、群馬交響楽団音楽監督、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団音楽監督)
寺西 基之 (音楽評論家、公益財団法人東京交響楽団 監事、公益財団法人 東京二期会 評議員、公益財団法人 アフィニス文化財団 理事、公益財団法人 日本ピアノ教育連盟 評議員、公益財団法人 日本交響楽振興財団 評議員)
【奨 励 金】各100万円
【副 賞】記念トロフィー、ホテルオークラ東京 スイートルーム ペアご招待
■ホテルオークラ音楽賞とは
ホテルオークラ東京の社会貢献・芸術文化事業の一環として1996年の開業35周年を機に、近年めざましい活躍をされ、さらに将来が嘱望される音楽家を支援・育成するための制度として創設いたしました。
1996年に第1回、2000年に第2回と開催してまいりましたが、音楽家支援強化のため、2000年以降は同賞の授賞式および受賞記念演奏会を毎年実施し、このたび20回目を迎えることとなりました。
< ホテルオークラ音楽賞 歴代受賞者 >
第1回 (1996年度) 矢部 達哉(ヴァイオリン) 緑川 まり(声楽/ソプラノ)
第2回 (2000年度) 阪 哲朗(指揮) 佐々木 典子(声楽/ソプラノ)
第3回 (2001年度) 徳永 二男(ヴァイオリン) 森 麻季(声楽/ソプラノ)
第4回 (2002年度) 上岡 敏之(指揮) 高橋 薫子(声楽/ソプラノ)
第5回 (2003年度) 小川 典子(ピアノ) 林 美智子(声楽/メゾソプラノ)
第6回 (2004年度) 若林 顕(ピアノ) 大萩 康司(ギター)
第7回 (2005年度) 小山 実稚恵(ピアノ) アントネッロ(古楽アンサンブル)
第8回 (2006年度) 小菅 優(ピアノ) 庄司 紗矢香(ヴァイオリン)
第9回 (2007年度) 村冶 佳織(ギター) 佐藤 俊介(ヴァイオリン)
第10回(2008年度) 田村 響(ピアノ) 神尾 真由子(ヴァイオリン)
第11回(2009年度) 辻井 伸行(ピアノ) 南 紫音(ヴァイオリン)
第12回(2010年度) 金子 三勇士(ピアノ) 松田 理奈(ヴァイオリン)
第13回(2011年度) 宮田 大(チェロ) 萩原 麻未(ピアノ)
第14回(2012年度) 河村 尚子(ピアノ) 横坂 源(チェロ)
第15回(2013年度) 成田 達輝(ヴァイオリン) 三浦 文彰(ヴァイオリン)
第16回(2014年度) クァルテット・エクセルシオ(弦楽四重奏) 郷古 廉(ヴァイオリン)
第17回(2015年度) 崔 文洙(ヴァイオリン) 上野 星矢(フルート)
第18回(2016年度) 鈴木 優人(指揮・作曲・ピアノ・チェンバロ・オルガン)新倉 瞳(チェロ)
第19回(2017年度) 毛利 文香(ヴァイオリン) 山根 一仁(ヴァイオリン)
■音楽分野メセナ活動
―音楽は、時代や国境を越えて響くメッセージ―
ホテルオークラ東京では、誰もが音楽を楽しめる環境を作り、次世代を担う才能を育てながら人々の心と心を繋ぐという信念のもと、さまざまな活動を行ってまいりました。2017年3月には、芸術・文化支援ファンドである「Hotel Okura Tokyo Cultural Fund」を設立。音楽分野メセナ活動については、「音楽」に特化した活動を行う団体へ寄付をすべく活動しております。
◆ロビーコンサート25(毎月25日 17時30分~18時)
開業25周年(1987年)を機に毎月25日にメインロビーを会場に、無料にてアコースティックコンサートを開催しております。2011年からは、大友直人氏監修のもと幅広いジャンルの中から演奏者が迎えられ、2019年1月で第386回の開催となります。
【ホテルオークラ東京について】
穏やかで安らぎに満ちた、日本ならではのおもてなしのスタイルを表現したロビー。それは、時を越えて輝きを放つ「和の伝統美」の結晶です。伝統を大切にしながらも常に最高の味を求めて前進する料理、癒しや寛ぎを追求した様々なタイプの客室。時代に流されない確かな品位と新しいスタイルが絶妙に交差した本物のオリジナリティが溢れるホテルです。1962年の開業より親しまれてきた本館は2015年8月末に営業を休止し、 現在は、別館で営業を継続しております。本館につきましては、2019年9月12日に新たなホテル「The Okura Tokyo」として開業予定です。
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2-10-4
TEL:03-3582-0111(代表)
アクセス:東京都メトロ日比谷線・神谷町駅、南北線・六本木一丁目駅 ※いずれも徒歩10分以内
webサイトURL:http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/
インスタグラム公式アカウント:https://www.instagram.com/hotelokuratokyo/
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